BenQから発売中の"学びのために生まれた声用スピーカー"「treVolo U」を実際に使ってみた感想をレビュー紹介します!
「treVolo U」は『声がクリアに、はっきり聴こえる音声処理』と『音の細部まで、しっかりと伝わる集音性能』により、”語学学習やオンラインでの学びに最適”なワイヤレススピーカーです。
価格はやや高めの印象ですが、音声の聞こえ方や伝わり方に悩みを抱えている方にはフィットする製品だと考えます。
私の場合には、とあるオンライン授業の受講に約30時間「treVolo U」を使用しました。
いくつか気になる点はありましたが、これまで使っていたスピーカーフォンに戻そうと思うことはありませんでした。
言葉が聞き取りやすいため、今後のウェブ会議などでもメインのスピーカーとして使っていく予定です。
ポイントとしては以下の通りです。
ポイント
- 動画視聴、Web会議において音声が聞き取りやすい
(音声処理、スピーカーが顔に正対) - 3つの音声モードで用途に応じた設定が可能
(動画学習モード、ライブ学習モード、音楽モード) - マイクを内蔵しており、Web会議に使用可能
- 音楽も楽しめる
- バッテリー内蔵で最大約12時間の連続再生可能
▼ 今回紹介する商品はこちら!
*メーカー様より、レビュー用に商品実機をご提供いただいております。
目次
BenQ って知ってる?
私の場合には、以前からモニターやプロジェクターのブランドとして慣れ親しんでいるのですが、BenQについてご存じない方もおられるかもしれません。
BenQの本社は台湾。日本にはベンキュージャパン株式会社があり、国内での販売・サポートにも安心感があります。
BenQのモットーは「Because it matters.」私たちの生活にとって本当に大切なコト、真に価値のあるモノとは何なのか?それを考えるところからBenQのモノづくりはスタートします。
https://www.benq.com/ja-jp/about-benq/corporate.html
1984年の設立以来、BenQは「Bringing Enjoyment and Quality to Life」をコーポレートビジョンとして掲げ、生活に楽しさとクオリティをお届けすべく、最新のテクノロジーとライフスタイルを結びつけるユニークな製品を生み出してまいりました。
現在ではライフスタイル、ビジネス、ヘルスケア、教育という4つの事業領域にフォーカスし、お客さまの生活にとって大切なコト(さまざまな出来事や場面)をさらに輝かせる価値のあるモノ(製品やサービス)のご提供を続けています。
わかりやすいところでは、BenQのプロジェクターを目にする機会が多いです。
BenQ 「treVolo U」の仕様について
BenQ 「treVolo U」の仕様は以下の通りです。
モデル名 | AU3500 |
Bluetoothバージョン | Bluetooth5.0 |
Bluetooth通信距離 | Bluetooth標準規格Power Class1、10m(障害物がない場合) |
スピーカー | 低音スピーカー×1、高音スピーカー×1 |
インターフェース | 3.5mm(4pin CTIA), Type C USB2.0 (充電用) |
使用周波数帯域 | 60-20K Hz |
連続再生可能時間 | 約12時間 |
マイクロフォン | 全指向高感度マイク×1 全指向性環境音マイク ×1 |
電源 | DC5V/ 2A Type Cケーブル |
音声コントロール | 搭載 |
(安心モード)検知可能距離 | <1.5 m |
完全ワイヤレスステレオ | Yes(左右独立型/アプリに接続) |
音声モード | 音楽モード:動画学習モード:ライブ学習モード |
サイズ(横幅×高さ×奥行き) | 174 × 95.34 × 81.36 mm |
重さ | 約760g |
動作温度 | 0~40º C |
専用アプリケーション | treVolo Uアプリケーションサポート |
同梱品 | 充電アダプタ、オーディオケーブル(3.5 mmケーブル)、充電ケーブル、クイックスタートガイド、保証書、Regulatory Statements |
くわしくは後ほど紹介しますが、付属品としては、電源アダプターとUSBケーブル、3.5mmのオーディオケーブルが付属します。
PCやスマホ、タブレットとの接続は Bluetoothによる無線接続または3.5mm4極のケーブルでの有線接続になります。
一般的なスピーカーフォンではPCとのUSBによる有線接続をサポートしている傾向にありますが、「treVolo U」はUSBオーディオには対応していません。
マイクを内蔵しており、Web会議用のスピーカーフォンとして使用できます。(音声モードを"ライブ学習モード"に設定する必要あり)
なお、BenQ 「treVolo U」は、防水規格対応はしていません。バスルームなど水回りでの使用は避けましょう。
BenQ 「treVolo U」は、"優れた音声処理機能"により語学学習専用ともいえる、声用スピーカーです!
▼ 手元の資料より、BenQ 「treVolo U」のコンセプトについて引用します。
treVolo U は BenQ 初の学びのために作られたスピーカーです。
「Make your Learning Safe, Detailed and Efficient.」をスローガンとして、
はっきり聴こえて、しっかり伝わる、そして安全に聴くことを強調しています。
確かに、コミュニケーションと安全性について考え抜かれたスピーカーは少ないように考えます。
BenQ 「treVolo U」の実機をチェック!
それでは早速 BenQ の声用スピーカー「treVolo U」の実機をチェックしていきましょう!
商品のパッケージサイズとしては 約22cm×約14.2cm×約11.4cm。ホワイトをベースとして、スピーカーグリルに使われるターコイズブルーのカラーでデザインされています。ここでは紹介しませんが、側面には各国の文字(「あ」など)がプリントされており、なるほど言葉がしっかり伝わることをアピールしたデザインになっています。
側面には、「treVolo U」の特徴がアイコンと文字で紹介されています。
Bluetooth 5.0、Phone Jack(アナログ入力)、TOFセンサー(人物までの距離を測る)、360°対応Omni Mic、音声コマンド対応、Class D 10W×2、12時間の再生時間、treVolo U アプリ対応 が紹介されていました。もう一方の側面では、サウンドモード、Safe Volume について書かれていました。「treVolo U」は、多くの特徴を持ったワイヤレススピーカーです!
セット内容・付属品
BenQ 「treVolo U」のセット内容は、スピーカー本体、5V/ 2A USB アダプター、USB-C to USB-A ケーブル、 4 pin 3.5mm オーディオケーブル、保証書・クイックスタートガイドなどのドキュメント類です。
▼付属のケーブル。充電用USBケーブルとアナログのオーディオケーブルが付属します。ケーブルの長さはそれぞれ約77cmです。
万一、無線(Bluetooth)での接続が不安定な場合には、付属のオーディオケーブルで接続できるため安心です。
▼付属のUSB電源アダプター。付属のUSBケーブルを用いて treVolo U と接続して使用します。
▼ クイックスタートガイド。シンプルにまとめられています。
詳細な説明書は、公式サイトで確認ができます! → こちら
BenQ treVolo U 外観・重量
BenQ 「treVolo U」の本体をチェックしていきます!
▼ BenQ treVolo U は独特なスタイリングのスピーカーです。丸みを帯びたデザイン。そしてこれまでのスピーカーデザインとは異なるオリジナリティのあるカラーのパンチンググリル。
このグリルの下にはミッドレンジドライバーとウーファーが配置されています。ステレオスピーカーではなくモノラルの声用スピーカーです。
▼ 正面左上には、収音効果を高めるためにパラボリックデザインを採用したマイク、ToF(Time of Flight)センサーが並びます。
ToFセンサーは「安心モード」での自動音量調整の判断に使われます。音量調整時にはセンサーの隣側に存在するランプが点滅します。その間にセンサーがスピーカーから使用者までの距離をToFセンサーにて測定します。
安心モードでは、測定した距離、環境音量、入力音源の音量を元に最適な音量に調整してくれます。
▼ 正面右上には treVolo のロゴバッジが光ります。
▼ BenQ 「treVolo U」を側面からみたところ。スピーカー正面がやや上を向いています。この12度の角度設計は、スピーカーと耳、マイクと口の自然な位置関係を実現するための設計だそうです。
▼ BenQ 「treVolo U」を後ろから見たところ。背面にはパッシブラジエーターとケーブルインターフェース(右下のカバー内)が配置されています。
▼ 右下のカバーを外すと3.5mmオーディオインターフェース(4pin CTIA)と充電用のUSB-C端子が現れます。
▼ 下の写真のようにUSBケーブルを接続し、スピーカー本体への充電・給電をおこないます。
▼ 本体底面には銘版があります。生産国は中国です。当然ですが、技適マークも確認できます。
底面はゴム状のシートが貼られており、設置時にすべりにくい配慮がなされています。
▼ BenQ 「treVolo U」のスピーカー本体重量は実測で 739g でした。仕様の約760gよりも軽い結果でした。(測定誤差あり)
バッテリーを内蔵していることもあり、それなりの重量になっています。
BenQ treVolo U 操作パネル
BenQ 「treVolo U」の操作部材および表示は本体上部に集中しています。
▼ 右端は電源ボタン。2秒間の長押しにより電源のオン・オフが可能です。電源ボタン上部には3連のLEDインジケーターが配置され、内蔵バッテリーの残量や充電状況を表示します。
▼ 右から音量プラス、音量マイナス、安心モード、音声モードボタン。
▼ [音声モード]はボタンを押すたびに"音楽"(LED消灯)→"動画学習"(LED点灯)→"ライブ学習"(LED点滅)に切り替わります。"ライブ学習"の場合のみマイクが有効になります。LEDが点滅の場合にはマイクが有効であることを忘れずに!
使用する状況に応じて[音声モード]を変更しましょう!
▼ "ライブ学習"時に有効になったマイクをミュートするには、音量プラスボタンと音量マイナスボタンを同時に押す必要があります。(少し操作し難い)
▼ マイクがミュートになると、ミュートマークが赤で点灯します。
私の場合には予期しない事故を防止するため、会議アプリ側のミュートにプラスして、可能な限り機器側でもマイクを極力ミュートにしています。
BenQ treVolo U のマイクミュート操作は少し難しいため、[音声モード]を"ライブ学習"以外に切り換えておくことでマイクをミュートにするという裏技も活用しています。
▼ BenQ 「treVolo U」のマイナスポイントとして挙げられるのは、使用中に表示が見えにくい点でしょうか。
電源、マイクオン・ミュート状態については常に見えるような位置に配置してある方が個人的にはうれしいです。
Bluetooth接続は通常のスピーカー、イヤホンとの接続と同様
スマホ、タブレット、PC、Mac とのBluetoothによる接続は通常のスピーカーやイヤホンの接続手段と同じで簡単に接続できます。
新たなデバイスと接続する場合には、Bluetooth ボタンを 2 秒間押すことでペアリングモードになります。
▼ Windowsの場合の例ですが Bluetooth のデバイス追加画面にて「treVolo U」を選択すればOKです。
Zoomなどで使用する際も、Bluetoothで接続後に下図のように スピーカー・マイクの設定で「treVolo U」を選択すればOKです。
BenQ「treVolo U」をMacBook等のMacOS上でZoomで使用する場合の設定などについては、公式の動画にてわかりやすく解説されています。
BenQ treVolo U アプリについて
専用アプリである 「treVolo Uアプリケーション」は iOS、Android OSに対応しています。
下表の通り、本体だけでは設定できない項目も多く、treVolo Uアプリケーションは必要です。
設定・機能 | 本体設定・操作 | アプリ設定 |
音量を調整 | ○ | ○ |
音声モード切り替え | ○ | ○ |
安心モード | ○ | ○ |
専用サウンド調節 | ○ | |
バッテリー残量表示 | ○ | ○ |
おやすみモード | ○ | |
完全ワイヤレスステレオ(2台接続時) | ○ | |
言語切り替え | ○ | |
自動電源オフの設定 | ○ | |
起動音のオン/オフ | ○ | |
電源オフ時に音声モード保持 | ○ | |
顧客体験最適化プログラム | ○ | |
バージョン表示 | ○ | |
マイクミュート | ○ | |
ペアリングモード起動 | ○ | |
電源オン・オフ | ○ | |
音声コントロールオン・オフ | ○ |
また、スピーカー本体のアップデートが必要かどうかについてもアプリと接続すると表示してくれます。
購入の際には、必ずスマートフォンに treVolo Uアプリケーション をインストールして接続しましょう。
製品ファームウェアのアップデートにはPC・Macが必要
BenQ 「treVolo U」はPC・Macを使う事で最新のファームウェアに更新できます。製品の機能・性能を発揮するためにも必ずアップデートしましょう!
ファームウェアのアップデートツールやリリース情報については、BenQ公式サポートページ にてご確認を!
アップデートの方法について書かれたファームウェアアップデートマニュアルは執筆時点で日本語ではなく英語版が提供されています。
アップデート方法については日本語になっている BenQ treVolo Japan チャンネルの説明動画を参照するとわかりやすいです。
WindowsまたはMac OS用のアップデートツールをダウンロードして更新作業をしますが、アップデートツールは日本語化されているため迷わずに更新できるはずです。
アップデートの転送時間は1分程度、更新は3分程度でした。(←ざっくりとして時間です)
【ご参考】2023年3月に更新した際のバージョンの変化
更新前 | 更新後 | |
App | 1.0.8.6 | 1.0.8.6 |
ファームウェアバージョン | ||
MCU boot | 1.0.0.0 | 1.0.0.0 |
MCU FW | 1.0.10.0 | 1.0.13.0 |
BT FW | 1.3.2.6.42 | 1.3.2.6.43 |
VC IC | 1.0.5.9 | 1.0.6.9 |
BenQ 「treVolo U」を使ってみた感想
最後にBenQの声用スピーカー「treVolo U」を実際に使ってみた感想を紹介します。
デザイン面では、好き・嫌いはありそうです。子ども・学生の学習を前提としたデザインだと感じ、個人的にはもう少しソリッドな大人なデザインを好みます。
音声の再現については、公式サイトで紹介されている通りの効果を感じました。動画学習モード、ライブ学習モードでは声が際立って聞こえてきます。
この声の聴きやすさは音源に対するデジタル処理による効果が貢献していると考えます。しかし、BenQが訴求している通り、スピーカーの角度・配置もかなり効果的で、声が立ち上がって聞こえてくる印象です。デジタル音声処理+角度、スピーカーの配置により音声が聞き取りやすくなっています。
動画学習モードよりもライブ学習モードの方がよりBGM・周囲の雑音を下げ、音声がより際立つ聞こえ方になっている印象です。
ただし、音量が小さい場合には、エッジの強調が耳につく傾向にあります。通常の使用音量であれば問題ないと考えます。
音楽モードでは普通に音楽が楽しめます。しかしながら、音楽用途を意識した同価格帯のスピーカーと比較すると劣る印象です。
そもそもステレオスピーカーではないことからも、BenQ 「treVolo U」は 声用・語学学習用のスピーカーだと割り切り「音楽も聴ける」というレベルで考えた方が安全です。
声を聞き取ることに適した出力をしてくれるスピーカーであるため、聞き取り辛さのために音量を上げることも減り、相対的に音量を下げて使うこともできます。これもメリットの一つでしょう。
私の場合、とあるオンライン授業の受講にBenQ 「treVolo U」を使いました。
質問などでマイクを使用する必要があり、[音声モード]=ライブ学習モード に設定して使いました。
これまではWeb会議用のスピーカーフォンを使っていたのですが、聞き取りやすさが格段にアップしました。
平面置きのスピーカーフォンに対して、立って角度を持つ「treVolo U」とでは聞き取りやすさが違います。
マイク音声についても、特に問題なくコミュニケーションをとることができました。
自分でZoomで録音して確認しましたが、明瞭な音声であり問題ありませんでした。マイクと顔が正対することもかなり効果があるようです。
スピーカーの位置や性能により聞こえ具合が劣るスピーカーフォンですが、こちらはこちらで専用機としてのメリットが存在します。
ボタン配置と表示が明瞭である点です。Web会議での使い方を考えた場合には、平置きのスピーカーフォンの方が使いやすいと言えます。
「treVolo U」はボタンが埋め込み式であり操作に気を使う点、マイクミュートの際に二つのボタンを押す必要がある点、LED表示が見えにくい点でスピーカーフォンに負けている点があると感じました。
しかし、聞き取りやすさは抜群で、何を重視するのかで選択するモノが変わると考えます。
私の場合には、BenQ「treVolo U」の聞こえ方がかなり気に入っており、今後のWeb会議などでは必ず「treVolo U」を使っていく予定です。
また、12時間連続して使用することはありませんでしたが、6時間×2日はほぼほぼ使えました。十分持つバッテリーが搭載されているのもGoodポイントです。
上記以外にも、周囲の環境などから最適な音量を選択してくれ、耳の保護に効果のある「安全モード」、音声コマンドによる操作のサポート、自身の耳の聞こえ方に合わせて音をチューニングしてくれる専用サウンド調節など紹介しきれていない機能も存在します。
声用スピーカー・語学学習用スピーカーというユニークなワイヤレススピーカー BenQ「treVolo U」。これから語学学習していくお子さま用として、また大人のWeb会議用、語学学習用のスピーカーとして検討してもよい製品です!
▼ 今回紹介した商品はこちら!
最新情報については BenQ公式の商品ページ をご確認ください。