独自技術 Anker GaN Ⅱを採用することでインパクトのあるコンパクトなサイズを実現しながらも高出力な USB Power Delivery(USB PD)に対応したUSB-Cチャージャー「Anker Nano Ⅱ」シリーズ。発売発表時点で予定されていた 30W(2021/7/8発売)、45W(2021/5/25発売)、65W(2021/7/27発売)の3モデルがすべてリリースされました。これまで持ち運びが大変だったノートPCの純正ACアダプターがコンパクトな「Anker Nano Ⅱ」シリーズに置き換えられることもあり、既に手にしたユーザーさんによる評価もかなり高く、人気商品です。
この記事では「Anker Nano Ⅱ」シリーズの基本的な情報、対応出力、対応機種 を整理して紹介した上で注意点や選び方を紹介します。
個人的にも全種類を愛用。かなりお気に入りの商品です!
▼ 今回紹介する商品はこちら!
目次
【ご注意】Nano Ⅱ 30Wについて
【ご注意】Nano Ⅱ 30Wについては、2022年4月5日に新モデル 「Anker 711 Charger (Nano II 30W)」が発売されました!
この新製品については、別記事にて解説しています。
-
30WPD対応チャージャーが超絶コンパクトに!「Anker 711 Charger (Nano II 30W)」が発売!
アンカー・ジャパン株式会社から超絶コンパクトな「Anker 711 Charger (Nano II 30W)」が発売されました! 「いや、Nano II 30Wって去年出たやん!?」 と思いますよね ...
続きを見る
記事内の30Wの写真については、旧(オリジナルの) Nano Ⅱ 30W です。
Anker Nano Ⅱシリーズについて
「Anker Nano Ⅱ」シリーズはチャージャーやモバイルバッテリーなどで有名なアンカー社が販売するPD 充電器です。スマートフォンを始めとし、Apple MacBook AirやMacBook Pro をはじめとする各社のノートPCの電源端子も USB-C に移行しており、「Anker Nano Ⅱ」シリーズはノートPCのACアダプターとして使う事ができます。
「Anker Nano Ⅱ」シリーズの特徴は、アンカーの独自技術「Anker GaN II」を搭載し、安全性を確保した上で小型化を実現した点です。
Anker 711 Charger (Nano II 30W) | 45Wモデル | 65Wモデル | |
新名称 | Anker 711 Charger | Anker 713 Charger | Anker 715 Charger |
型番 | A2146N11(ブラック) /A2146N21 (ホワイト) | A2664N11 | A2663N11 |
価格 | ¥2,990 | ¥3,390 | ¥3,990 |
サイズ | 約 32 × 28 × 27 mm | 約35×38×41mm | 約44 × 42 × 36mm |
重さ | 約34 g | 約68g | 約112g |
*2022/4/1 米国サイトを参考に新名称(7series)を追記。
最大約60%の小型化がポイント!
ポイントは、一般的なチャージャー、ACアダプターとのサイズの違いです。
どのくらいコンパクトになるかについては、パッケージを開くと説明されています。
写真からは読み取りにくいため、テキスト化します。
それぞれ従来の一般的な同一ワット数の充電器との比較です。商品ページではキリの良い数字で表現しているようです。
- Anker Nano II 30Wモデル → 59%の小型化!(Amazonの商品ページでは 約60% と表記)
- Anker Nano II 45Wモデル → 34%の小型化!(Amazonの商品ページでは 約35% と表記)
- Anker Nano II 65Wモデル → 58%の小型化!(Amazonの商品ページでは 約60% と表記)
確かに「Anker Nano Ⅱ」シリーズ 3機種が指でつまめてしまうことを考えるとかなり画期なサイズです!
ケーブルは別売。別途購入を。
商品自体には説明書以外に付属品がありません。電源供給するデバイスを接続するためのUSBケーブルについては別途用意が必要です。(注意点について後述)
30Wはプラグの折りたたみに非対応
45Wモデルと65Wモデルはプラグが折り畳み可能ですが、30Wモデルはプラグが格納できません。
構造的な制約があったのかもしれませんが、プラグを筐体のセンターに配置するためのデザインの可能性もあります。
デザインが美しく、質感も良好!
「Anker Nano Ⅱ」シリーズのデザインには機能美すら感じます。
これまでのポリカーボネート感の強いホワイト筐体がメインのPowerPortシリーズとは異なり、品の良いグレイペースのカラー。
この Anker Nano Ⅱでは従来のチャージャーのシリーズ名である PowerPort とは決別したことが個人的には興味深いです。機能名を連想されるワードを排除した大胆な名称。シンプルに "Anker Nano Ⅱ"ですよ!?
側面にわかりやすく出力Wが記載されています。
僕のように全機種保有していても混乱することはありませんのでご安心を。
「Anker Nano Ⅱ」シリーズの物理的干渉について
あまり複数の「Anker Nano Ⅱ」シリーズを壁のコンセントに同時に挿す事はないと思いますが、組み合わせとしては次の写真の通りになります。
30Wモデルと45Wモデルでは問題なくコンセントへの差込が可能でした。
若干窮屈ではありますが、30Wモデルと65Wモデルの組み合わせでもギリギリコンセントへの差込が可能でした。
45Wモデルと65Wモデルの組み合わせではかなり厳しく、避けた方がよいです。
テーブルタップ等への差込では特に回転させてねじ込むタイプでは隣接するコンセントに対して干渉してしまう可能性があります。(隣が通常のコンセントプラグのケーブルならなんとか差すことができそう、というレベル)
65Wモデルについては隣接するコンセントへの注意が若干必要ではありますが、筐体が正方であること、コンセントプラグが中央についていることから周囲に物理的な影響を与えにくい実にマナーのよいチャージャーだと考えます。
コンセントの並びによりますが、回転固定式でないテーブルタップの場合にはほとんど問題がないかと考えます。
Anker Nano Ⅱシリーズ出力対応一覧
「Anker Nano Ⅱ」シリーズが対応しているPD出力、PPS出力については以下の表の通りです。
(2021/7/27時点でのメーカー商品ページの対応機器情報から再構築し、一覧化しています)
いずれのモデルでも5.0V、9.0VまではMAX 3.0Aまで出力が可能です。
15V、20Vについては各モデルの供給可能な電力で打ち止めになります。
出力 | 30Wモデル | 45Wモデル | 65Wモデル |
5.0V=3.0A | 〇 | 〇 | 〇 |
9.0V=3.0A | 〇 | 〇 | 〇 |
15.0V | 15.0V=2.0A | 15.0V=3.0A | 15.0V=3.0A |
20.0V | 20.0V=1.5A | 20.0V=2.25A | 20.0V=3.25A |
PPS出力 | 3.3-11.0V=3.0A / 3.3-16.0V=2.0A (最大30W) | 3.3V-16.0V=3.0A / 3.3V-21.0V=2.25A (最大45W) | × |
Galaxyを中心に対応している PPS(Programmable Power Supply)については、Anker Nano Ⅱ 65Wにおいて対応の記載がありません。
PPS対応機器へのチャージにおいて最大限の効率を重視する場合には、65Wモデルのチョイスは要注意です。
出力電圧、出力電流を見た所で、どの機器で使えるのかについては想像がつきにくいと考えます。
具体的な対応機器については次項記載の対応機器一覧表にて判断するべきでしょう。
Anker Nano Ⅱシリーズ機器対応一覧表
Anker Nano Ⅱシリーズが対応している機器については以下の表の通りです。(2021/7/27時点でのメーカー商品ページの対応機器情報から再構築し、一覧化しています)
M1 MacBook Air以外のノートPCにも使う場合には、45W、65Wをチョイス。
45Wについては、MacBook Pro 13 / 16インチに対応していますが、付属の純正充電器よりも充電スピードが低下する点については注意しましょう。
カテゴリ | 型名 | 30Wモデル | 45Wモデル | 65Wモデル |
スマートフォン | iPhone 12 / 12 mini / 12 Pro / 12 Pro Max / 11 / 11 Pro / 11 Pro Max / SE (第2世代) / XS / XS Max / XR / X / 8 / 8 Plus 他 |
〇 | 〇 | 〇 |
Galaxy S21 / S21+ / S21 Ultra / S20 / S20+ / S20 Ultra / S10 / S10+ / S10e / S9 / S9+ / S8 / S8+ | 〇 | 〇 | 〇 | |
Galaxy Note20 / Note20 Ultra / Note10+ / Note 10 / Note 9 / Note 8 / Note 7 他 | 〇 | 〇 | 〇 | |
Pixel 5 / 4 / 4 XL / 3 / 3 XL 他 | 〇 | 〇 | 〇 | |
タブレット端末 | iPad (第8世代) / iPad Air (第4世代) / iPad Pro (12.9インチ)(第5世代) / iPad Pro (11インチ)(第3世代) / iPad mini (第5世代) 他 |
〇 | 〇 | 〇 |
ノートPC | MacBook Air (M1、2020) / Air (Retinaディスプレイ、13インチ、2020) | 〇 | 〇 | 〇 |
MacBook Pro (13インチ、M1、2020) / Pro (13インチ、2020) / Pro 16インチ 他 | × | 〇* | 〇 | |
Dell XPS 15 / XPS 13 / Inspiron 15 / Inspiron 14 他 | × | 〇 | 〇 | |
Lenovo ThinkPad X1 / X390 / E490 / IdeaPad Slim 550 / IdeaPad Flex 550 他 | × | 〇 | 〇 | |
HP EliteBook x360 / Spectre x2 12インチ / Spectre x360 2019 / Spectre Folio / Pavilion 15-eg / Pavilion 14-dv 他 |
× | 〇 | 〇 | |
NEC LAVIE VEGA / LAVIE Pro Mobile / LAVIE Note Mobile / LAVIE First Mobile 他 | × | 〇 | 〇 | |
Huawei MateBook 13 / MateBook X / MateBook X Pro 2019 他 | × | 〇 | 〇 | |
その他USB Power Delivery対応のノートPCに幅広く対応しています | × | 〇 | 〇 | |
その他対応機種 | Apple Watch 他 | 〇 | 〇 | 〇 |
*45Wモデルは MacBook Pro 13 / 16インチに対応しますが、付属の充電器より充電スピードは低下。
「Anker Nano Ⅱ」シリーズの選び方
「Anker Nano Ⅱ」シリーズの選び方については、基本的に必要とする電力を供給するモデルを購入することです。
前述の対応機器一覧を参考にするか、ノートPC用として購入する場合には、ノートPCに付属する純正ACアダプターの出力ワット数を確認して購入すればよいと考えます。
心配な場合には、アンカー・ジャパン株式会社のサイトに設置されている「Anker Power コンシュルジュ」のチャットで相談してみるのも手です。(もちろく、メーカーさんが情報を持っていない場合もあり、必ずしも答えを得られるわけではないと考えます)
僕の場合、Lenovo のThinkPad X280シリーズを使っているのですが、リモートワークでは接続を簡単にするため、下の写真のような Anker PowerExpand 6-in-1 を使っています。
Lenovo ThinkPad X280シリーズ のACアダプターは45Wなので、当初 Anker Nano II 45W をAnker PowerExpand 6-in-1 を経由してノートPCに接続していました。しかし、この場合には起動時にワーニングが表示されていました。
理由は12W分がハブ自体への給電に利用されるため、45Wを入力した場合のノートPCへの出力は45-12=33Wになってしまうためです。この場合には、Anker Nano II 65W を使うことでワーニング表示を回避することができました。(45Wでも使えないわけではありませんでした)
このようなケースもあるため、個人的には ノートPC用には65Wモデルを購入していければまずは安心というイメージです。
持ち運びを極限まで軽く、コンパクトに!という観点では、必要な出力に合わせたモデルを購入すればよいでしょう。
スマホ充電用として考えた場合には 「Anker Nano Ⅱ」シリーズではオーバースペックである可能性が高いです。例えば iPhone 12 / 12 Pro を充電するような用途であれば20WでOKであるため、Anker Nano II 30W を購入する必要はなく、Anker PowerPort III Nano 20W で十分です。(もちろん 「Anker Nano Ⅱ」シリーズでも iPhone を充電可能です)
Anker Nano Ⅱ 65W の場合には、対応ケーブルの購入を。
最後にケーブルについての注意点を。
「Anker Nano Ⅱ」シリーズは USB-C の出力が1ポートあるだけです。また、ケーブルは付属せず別途用意する必要があります。USB-C対応機器への充電にはUSB-C&USB-C ケーブルを、Lightning対応機器への充電にはUSB-C&ライトニング ケーブルが必要となります。
電源関連は信頼度の高いアンカー製品でそろえる事をオススメします。(安全規格等に対する意識の高さがポイントです)
Ankerが販売しているUSB-C=USB-Cケーブルには、以下の種類があります。ケーブルによって3A(20Vx3A=60W)対応、5A(20Vx5A=100W)対応とにわかれています。Anker Nano II 65Wモデルの場合には、60Wのケーブルでは少し容量が足りないため、ワンラング上の100W対応ケーブルの利用が安心です。(先頭に★印をつけました)
Anker 高耐久ナイロン USB-C & USB-C ケーブル 0.9m、1.8m・・・最大60Wに対応
★ Anker 高耐久ナイロン USB-C & USB-C ケーブル 3.0m・・・最大100Wに対応
Anker PowerLine USB-C & USB-C ケーブル (USB2.0対応)・・・記載なし 60W対応だと想定
Anker PowerLine+ USB-C & USB-C ケーブル (USB2.0対応) 0.9m、1.8m・・・記載なし 60W対応だと想定
Anker PowerLine II USB-C & USB-C ケーブル (USB2.0対応) 1.8m・・・最大3Aに対応→ 60W対応
★ Anker PowerLine II USB-C & USB-C 3.1(Gen2) ケーブル 0.9m・・・最大100W(5A)まで対応
Anker PowerLine III USB-C & USB-C ケーブル (USB2.0対応) 0.3m、0.9m、1.8m、3.0m ・・・最大60Wに対応
Anker PowerLine+ III USB-C & USB-C 2.0 ケーブル 1.8m・・・最大60Wに対応
★ Anker PowerLine III USB-C & USB-C ケーブル (USB2.0 / PD100W出力対応) 1.8m・・・最大100Wに対応
★ Anker PowerLine III Flow USB-C & USB-C ケーブル 0.9m、1.8m・・・最大100Wに対応
Anker Nano II シリーズはコンセントに直接挿すことになるため、ケーブルの長さが必要になることから、1.8mまたは3.0mのUSBケーブルがオススメです。
最近気に入って使っているのが、Anker PowerLine III Flow USB-C & USB-C ケーブル 1.8m です。100Wに対応、外装にシリコン素材を使用しケーブルが絡みにくいやわらかな手触りであること、かわいいカラーがポイントです。
他にもミントグリーンなどかわいいカラーがラインナップ。接続しているAnker Nano II のWによってカラーを変えるのもアイデアです。
「Anker Nano Ⅱ」シリーズ まとめ
Anker Nano II シリーズは軽量・コンパクトでパワフル。これまでのノートPCに付属していたACアダプターの束縛から僕達を解き放ってくれるライフチェンジャーです!
是非お試しあれ!
▼ MacBook Pro や ノートPC全般にオススメ!余裕の65Wモデル
▼ ノートPCにオススメ!スタンダードな45Wモデル。68g!
▼ MacBook Air などにオススメ!約47g!
【追記】ホワイトが追加販売!
Anker Nano II シリーズに見た目がキレイなホワイトカラーが追加販売されました!
ホワイトが欲しい!という方、出力ワット数をカラーで区別したい!という方は選択の幅が広がりました!
【追記】「Anker GaN II」搭載のUSB急速充電器に2ポート版 「Anker PowerPort III 2-Port 65W」が登場!
Anker Nano II ほどコンパクトではありませんが、「Anker GaN II」を使ったUSB急速充電器に2ポート版の「Anker PowerPort III 2-Port 65W」が発売されました!
1ポートだけでの利用であれば最大65Wが、2ポートの利用の場合にはそれぞれ 最大45Wと20W の出力が可能です。(ノートPCとスマホを同時に充電できます)
気をつけたいのが重さ。Anker Nano II 2つ持ちの方が軽いです。
「Anker PowerPort III 2-Port 65W」→ 約 136g、¥5,490
「Anker Nano II 30W」+「Anker Nano II 45W」→ 47g+68g=115g、2,990 + 3,390 = 6,380円
2ポート利用前提であれば、重さは Nano Ⅱ 2つ持ちの方が軽いのですが、出先のカフェなどでコンセントが1つしかない場合が想定されるユースケースでは「Anker PowerPort III 2-Port 65W」をチョイスするのがよいでしょう!1ポート時に65Wまでカバーできるのも心強いです!