これまで数々のAIボイスレコーダーがリリースされてきましたが、Anker(アンカー)の「Soundcore Work」は全く新しいスタイルの製品として注目を集めています。そして今回、これまでの8GBモデルに加えて、ついに大容量の「ストレージ64GBモデル」が登場しました!
今回、その64GBモデルの Soundcore Work を試す機会を得ました!
私の場合、新製品発表会などの音声を記事執筆のために文字起こしする必要があり、これまでに AIボイスレコーダー「AutoMemo R」、「Plaud NotePin S」、スマートフォン標準の音声レコーダーなどを使用してきました。今回の Soundcore Work も使ってみたくてウズウズしていたのです!

Soundcore Work のパッケージを開けた瞬間、まず驚いたのはその小ささです。
本体表面にはわずかにプラスチックっぽさを感じる部分もありますが、全体的な質感は良くまとまっており、これまでの「いかにもな録音機」とは一線を画す新しい使い勝手を感じさせるデバイスです!
今回は、この Soundcore Work(64GB)を徹底検証。単なるカタログスペックの紹介にとどまらず、最大のライバルである「Plaud NotePin S」との渋谷での同時録音比較テストや、録音データの内部仕様まで独自に調査しました!
Soundcore Work は果たして買いなのか!?本音でレビューします!
※今回、レビュー執筆にあたり、メーカー様より製品を提供していただきました!
製品提供:アンカー・ジャパン
結論を少し紹介すると「結構よかった!」です。
▼ 今回紹介する商品はこちら!
目次
秀逸なデザインと「3WAY」の装着感
Soundcore Work の最大の特徴は、用途に合わせて使い分けられる3つの装着スタイルです。
- クリップ: 胸ポケットや襟などにスッと挟める基本スタイル。
- ストラップ(ネックレス): 首から下げてハンズフリーで録音。
- マグネット: 充電ケースごとスマホの裏にピタッと貼り付けが可能。

クリップについては、マイク本体の裏側のプレートがマグネットで引っ付くようになっています。クリップとマグネットピンの中間のような存在です。
このクリップ構造に付属のネックレスチェーンをつけることで、首にかけて使用もできます。
私は断然、ネックレス派です!
さらにカード型充電ケースと一緒にマグネットでスマートフォンの裏側にも取り付けが可能です!
これはかなり、ナイスなアイデアです!
しかし、Soundcore Work 本体に厚みがあるため、日常的につけっぱなしにして画面を上にした状態でデスクに置いたりしたときに本体に傷がつく恐れがあります。サードパーティー製の保護カバーなどを装着すれば、スマホの裏側設置時のキズ付きの心配が軽減しそうです。
クリップ部分がマグネットになっているため、ちょっとスパイ映画っぽいですが(笑)会議室のデスクのスチール製の脚部分などにカチッと固定して録音することもできそうです。(悪用禁止です!)

【要注意】操作性の「クセ」と使いこなしのコツ
操作は非常にシンプルです。録音する時にボタンを押し込み、停止する時にもう一度ボタンを押すという単純な操作でとても分かりやすいです。録音の開始、停止では振動するため操作したことがわかる仕様になっています。
しかし、この物理ボタンの挙動に少しクセがあるため注意が必要です。
録音ボタンは「奥まで押し込む」
録音開始は上部のボタンを押しますが、よくよく観察するとこのボタンが「ラッチ機構(押し込むと少し低い位置でロックされる仕組み)」になっています。
個人的には本体を見ずにノールックで録音開始、停止をしたいのですが、ボタンを押し込んでいない状態と押し込んでラッチされた状態とが、指の感触だけでは区別しにくく、どうしても LEDを目視確認する必要があります。
バイブレーションもあるため、それで録音開始か停止かを判別できそうなのですが、これがなかなかの難易度の高さ。
録音開始と録音停止とでは"わずかに"振動の期間が異なります。録音開始時は振動期間が短く、録音停止時は期間が長い仕様のようです。時間としてはおおよそ倍の期間差があるのですが、実際の長さのイメージとして 200ms と 400ms というような、わずかな時間の差のため、残念ながら私には区別がつきません。Plaud NotePin S のように停止時は2回振動するような明確な差が欲しいところです。
また、中途半端な押し方だと、バイブレーションが「ブルッ」と振動するものの、実際には録音が開始されていない現象が繰り返し発生しました。当初は構造が理解できておらず、ブルッとしたから録音スタートしたものだと思っていたら、録音開始していなかったことが多々ありました。(ボタンは押していたが押し込み切れておらず、録音開始はしていないのに録音停止のバイブの振動が発生する挙動のようです)
確実な録音のためには、操作ボタンは「奥までカチッと押し込んで、ボタンが少し沈んだ状態にする」「録音中のLEDを確認する」必要があります。
ハイライト(マーキング)のコツ
録音中に表面をダブルタップすると、重要な箇所にマーク(ハイライト)を付けられます。この時のコツは、「2回目のタップで指を離さず、本体がブルッと震えるまで待つ」こと。これを意識するだけで、ノールックでの操作ミスが激減します。(これは説明書に記載があります)
バッテリーと充電ケースの安心感
Soundcore Work の特徴の一つとしてスゴイ!と思ったのはカード型充電ケースの存在。Soundcore の完全ワイヤレスイヤホンのように「マイク本体+充電ケース」という構造を採用したのは「さすが Anker!」といったところです。

話がややこしくなりますが Liberty 5 Pro Max にもボイスレコーダー機能が搭載されています!
このサイズ感で、マイク本体のみで8時間、ケース込みで最大32時間の録音が可能です。
マイク本体と充電ケースを使って、実際にどの程度連続録音できるかのテストを行ったところ以下の結果でした。
マイク本体、充電ケースそれぞれ100%で、マイク単体で録音スタート。マイク側のバッテリーが切れるまでを1セットとして、その後充電ケースで充電して録音を繰り返しました。
| セット数 | 録音時間 | 備考 |
| 1回目 | 8時間3分 | |
| 2回目 | 8時間21秒 | |
| 3回目 | 10時間31分 | |
| 4回目(マイク30%でスタート) | 3時間54分29秒 | マイクのバッテリー残量 30%、ケース10% |
| 合計 | 30時間28分50秒 |
マイク本体100%バッテリー残量なら 8時間以上の記録ができ、ケースからの充電もおこなうと 合計で約30時間28分録音することができました。製品仕様では32時間ですが、今回のテストではその時間に達しませんでした。(テスト中はアプリとの接続なし)また、途中でマイク本体のバッテリーが切れても、充電ケースに接続すればしっかりと続きから録音が再開されるなど、長丁場の会議や取材でも安心できるタフな仕様です。
このカード型充電ケースの裏側もマグネットになっており、ロッカーや袖机、ホワイトボードなどに貼り付けておくというような事も可能です。

録音品質と「データ容量」のマニアックな秘密
アプリを使ってストレージ容量を確認すると「推定実行時間 2171時間」のように驚くような数字が表示されます。
この数字からわかること、そしてエクスポート時のビットレートについても確認しました。

- 本体内部では「約64kbps」で超軽量保存
ストレージの空き容量と推定実行時間の関係から推察するに、マイク本体のストレージ内には、一般的には低音質といわれてしまうビットレートである 約64kbps という、データサイズを軽くした形式で保存されるようです。これにより、スマホへの転送も速く、またスマホのストレージへの圧迫も軽くなります。低音質といっても、ボイスメモ用途としては十分。実際に聴いて確認しても音質の悪さを感じることはありませんでした! - 書き出し時はバリエーションあり
音声ファイルをエクスポートするとiOSのアプリでは「48kHz/64kbps」、PCブラウザからアクセスした Soundcore Online Hubでは「44.1kHz / 128kbps」のMP3ファイルとして書き出されます。(Soundcore Online HubではMP3よりも高効率のOGGも選択可能です)
利用環境によりサンプリング周波数・ビットレートが変化するのは少し気になります。

今回比較している Plaud NotePin S では「本体内には512kbpsでデータを保存する(64GBで480時間録音可能)」という設計思想です。Soundcore Workは「AI文字起こしに十分な音質をキープしつつ、極限までデータを軽くして機動力を高める」という非常に理にかなった仕様になっていると感じました。
【実地検証】AI文字起こし・要約の実力(vs Plaud)
今回、環境としては非常に周囲が騒がしい(ノイズの多い)「渋谷のセンター街(雑踏・街頭演説・BGM)」を歩きながら、Soundcore Workと Plaud NotePin S を同時に胸元に装着して文字起こし精度を比較しました。


今回の比較では、両者のAI文字起こし処理の「味付け」に明確な違いが出ました。
■ Soundcore Work:圧倒的に読みやすい「議事録特化型」
- 優れたAI補正: 「えー」「あの」といったフィラー(無意味な言葉)を自動でカット。「日付は3日かな4日かな、4日ですね」という言い淀みも、「日付は4日です」と自動で綺麗に要約してテキスト化してくれました。
- 文脈の理解力: 騒音下でも「おもちゃ」や「ハント」といった単語を前後の文脈から正確に推測して文字起こしできていました。
- 弱点: マイクの集音力が強いためか、周囲の街頭演説の声までしっかりと文字起こしに含めてしまう傾向がありました。
文字起こし比較 ➀
記録のために収録日時を語る際に日付に迷ったシーンで…
- 実際の私の発言 (正解):「今日日付は2026年7月3日かな4日かな。4日ですね。2026年7月4日夕方5時14分です。」
- Plaud NotePin S の結果:「今日の日付は2026年7月3日かな8日かな。4日ですね。2026年7月4日夕方5時14分です。」
- Soundcore Work の結果:「日付は2026年7月4日です。2026年7月4日夕方5時14分です。」
ここがポイント! SoundcoreはAIが文脈を読み取り、「3日かな4日かな」という不要な言い淀みを自動でカットして綺麗なテキストに補正してくれました。議事録としては圧倒的に優秀です!
■ Plaud NotePin S:ありのままを記録する「生データ重視型」
- 忠実な記録: 言い淀みや話し言葉のニュアンスをそのまま残すため、リアルな会話のログとしては優秀です。
- 弱点: 周囲の騒音に引っ張られ、「テスト」を「清掃」、「おもちゃ」を「あの小野ちゃん」と誤認識するなど、環境音が激しい場所での精度は Soundcore Work に一歩譲る結果となりました。
文字起こし比較 ➁
トイ・ストーリー5の公開直後ということで、トイ・ストーリーのキャラクターが街中に掲示されているのを見て…
- 私の実際の発言(正解): 「結構トイストーリー好きでしたね。あの、おもちゃも色々集めたりしていました。」
- Plaud NotePin S の結果: 「結構トイストーリー好きでしたね。あの小野ちゃんもいろいろ集めたりしていました。」
- Soundcore Work の結果: 「結構トイストーリー好きでした。おもちゃも色々集めたりしていました。」
ここがポイント! 周囲のノイズに引っ張られたのか、Plaudは「あの、おもちゃ」を「あの小野ちゃん」と突拍子もない言葉に誤認識してしまいました。一方のSoundcore Workは、直前の「トイ・ストーリー」という文脈からでしょうか、騒音下でも正確に「おもちゃ」という単語を導き出せています。
追加情報として、ネックレススタイルで歩きながらボイスメモをとる際に、歩行中に右を向いたり左を向いたりしても、音声のレベルが極端に落ちることなく、しっかりと声を拾えていました!顔の向きはあまり心配はいらないようです!
アプリ仕様の注意点(最大のネック)
Soundcore Work と組み合わせて使用する、Soundcore アプリの使い勝手は良好です。
個人的には、一括での置換に対応しているところが好印象でした!

気になる点としては録音データの保存先です。Soundcore Work の録音データはスマホのローカルストレージに保存される仕様のため、使い続けるとスマホの容量をどんどん圧迫します。

Soundcore Work はアプリ内ローカル保存が基本のため、録音を重ねるほどスマホ側の容量を圧迫していきやすい点には注意が必要です。また、公式FAQでは、アプリをアンインストールすると録音データは復元できないと案内されています。
「録音すればするほどスマホのストレージを圧迫する」「アプリを消すとデータも永久に消える」という仕様は個人的にはつらい…
できれば、今後のアップデート等での完全クラウド同期対応(Plaudと同様にクラウドをデータの母艦とする仕様)を個人的には強く要望します!(根本から変わるため難しいかも…)
Soundcore Work においても設定画面からクラウド同期をオンにすることはできます。
しかし、同期したからといってスマホ内のローカルデータが消えて容量が軽くなるわけではありません。(「Webでもデータが見られるよ」というイメージ)
Plaud のように『クラウドメインで管理する』といった使い方ができない点には注意が必要です。
(どこにデータの「ご本尊」を置くかは、使う人によって好みが異なりそうです。筆者は「クラウドご本尊派」です)
Soundcore Work vs Plaud NotePin S 比較表
最後に、購入を迷っている方向けにスペックの違いを整理しました。
| 比較項目 | Soundcore Work 64GB | Plaud NotePin S |
| 価格(税込) | 26,990円 記事確認時タイムセールで 上記価格から割引されていました | 28,600円 |
| 本体サイズ・重さ | 非常に小型 約10g | カプセル型でスリム 17.4 g(マグネットピンなし) |
| 装着方法 | クリップ / ネックレス / マグネット | クリップ / ネックレス / リストバンド / ピン |
| ストレージ容量・限界 | 64GB 約2,000時間以上 | 64GB 約480時間(推定) |
| バッテリー持ち(連続録音時間) | 最大8時間 (マイク本体のみ) 最大32時間 (カード型充電ケース含む) | 最長20時間 |
| Apple「探す」 | 対応 | 対応 |
| スマホの容量圧迫 | 圧迫する (ローカル保存主体) | 圧迫しにくい (クラウド主体) |
| 無料文字起こし枠 | 毎月 300分 | 毎月 300分 |
| 有料プラン(1200分/月 年間) | 15,980円 (※「Ankaに聞く」は期間限定無料) | 16,800円 |
正直、甲乙つけがたい状況です。本体に録音できる時間に大きな違いがありますが、少ない方の 480時間だとしても個人的には十分すぎるため、気になりません。(私の場合、より低価格な Soundcore Work の8GBモデルでも十分)

デザイン・装着方法・データ保持先の好み・使い方で選んでしまって良いでしょう!
まとめ:Soundcore Workは買いか?
結論として、ハードウェア(モノ)としての完成度は非常に高く、間違いなく「買い」のガジェットです。
カード型充電ケースの使い勝手、データ転送の速さ、そして「AIが文脈を読んで綺麗に整えてくれる文字起こし精度」は、日常のボイスメモや議事録作成において強力な武器になります。Appleの「探す」ネットワークにも対応している点は紛失リスクの高い小型ガジェットとして非常に大きなメリットです。
一方で、他のアプリとの同期については、現時点では Notion しか対応していないなど、ソフトウェア面には「まだまだ発展途上」な部分も見受けられます。
しかし、そこは天下のAnker。リリースノートを見ても頻繁にアップデートが行われており、今後も引き続きアンカーの中の人が「自分たちが使う道具」としてソフトウェアをどんどん進化させていくことは十分に期待できます!
Soundcore Workは、AIボイスレコーダーの新たな選択肢として、今のうちに手に入れて使い倒す価値は十分にあります!
▼ 今回紹介した商品はこちら!











