iPhone 15 Pro を購入しました。この記事では iPhone 15 Pro のカメラ機能にフォーカスして、iPhoneのカメラがどのようなカメラなのかを紐解いていきたいと思います。
整理のできた情報から掲載していきます。(随時追記します。目指すのは、「iPhone 15 Pro カメラの取扱説明書」です!)
本記事では、アウトカメラの内容にフォーカスし、インカメラについては対象外とします。また、iPhone 15 Pro Max も対象外としています。
実機動作から推察されるiPhone内部の制御を記載しています。
細かな条件により挙動が異なる可能性があります。
また、誤りやお気づきの点がありましたらX(twitter)などでご連絡いただけると幸いです。
2023/10/22 静止画撮影時の 画像サイズ について を公開しました。フォーマットの項を追加しました。カメラの自動切換えの項を追加しました。
2023/10/23 色調調整の項を追加しました。
目次
iPhone 15 Pro で記録されるフォーマット(ファイル種類、コーデック)
iPhone 15 Pro で記録されるフォーマット(ファイル種類、コーデック)は フォーマット>カメラ撮影(高効率、互換性優先)の設定にしたがって以下の通りとなる。
[カメラ撮影]設定 | 静止画 通常 | 静止画 RAW | 動画 通常 | 動画 ProRes |
---|---|---|---|---|
高効率 | .HEIC(HEIF規格)、HEVC | .DNG | .MOV、 H.265(HEVC) | .MOV、ProRes |
互換性優先 | .JPG、JPEG | .MOV、H.264(MPEG-4 AVC) |
静止画撮影時の 画像サイズ について
iPhone 15 Pro における静止画撮影時の 画像サイズ について整理しました。
iPhone 15 Pro では、48MP、24MP、12MP が撮影可能
iPhone 15 Pro における静止画 の画素数に関する設定項目は以下の通りです。
設定>カメラ>フォーマット>[写真モード]:24MP、12MP
*メインカメラで撮影した写真は12MPまたは24MPで保存可能。ただし、ナイトモード、マクロ、フラッシュ、またはポートレート照明で撮影した写真は12MPで保存される。
【参考】MPはメガピクセル(100万画素)の略です。例えば 12MPは 1200万画素という意味です。これは撮像センサーの画素数や撮影データの画素数がどれほどの量なのかを表す用途で使われます。
設定>カメラ>フォーマット>[ProRAWと最大解像度]=オン 時、撮影画面でのRAW設定:RAW最大、RAW12MP、HEIF(高効率)最大またはJPEG(互換性優先)最大、RAW最大オフ
*48MPはメインカメラのみ対応、ナイトモード、フラッシュ、およびマクロで撮影した写真は常に12 MPで保存される。Live Photosは12MPまたは24 MPで保存可能。
表にまとめると以下の通りです。
RAW設定 | RAW最大オフ | RAW最大/HEIF最大/JPEG最大 | RAW12MP | |
---|---|---|---|---|
[写真モード]設定 | 24MP | 12MP | - | - |
48MP メインカメラ | 24MP *2 | 12MP | 48MP *2 *3 | 12MP*3 |
12MP 2倍望遠カメラ *1 | 12MP | |||
12MP 3倍望遠カメラ | 12MP | |||
12MP超広角カメラ | 12MP |
*1 12MP 2倍望遠カメラは、独立したカメラではなく、48MP メインカメラのクアッドピクセルセンサーを活用し12MPにすることで2倍ズームを実現している。
*2 ナイトモード、フラッシュ、およびマクロで撮影した写真は常に12 MPで保存される。
*3 Live Photosは RAW最大、RAW12MP、HEIF最大、JPEG最大時には設定不可
*4 Live Photosは 12MP または 24MP で保存可能。
ProRAW とは
iPhone の静止画RAWはProRAWと呼ばれる。ProRAW はリニアDNGフォーマットを使用した10ビットファイル。
Appleによると「より多くの情報とダイナミックレンジをファイル内に保持し、露出やホワイトバランスを編集する際の柔軟性を提供します。」としている。
Adobe Photoshop の カメラRAW などでホワイトバランスや露出の調整幅が広い印象です。
実際に撮影される画像サイズ
iPhone 15 Pro では、上記設定、条件により 48MP、24MP、12MP の画像が撮影できます。この画素数により記録される具体的な画像サイズは以下の通りです。
アスペクト比 | |||
---|---|---|---|
4:3 | 1:1(スクエア) | 16:9 | |
48MP | 8064×6049 | 6048×6048 | 8064×4536 |
24MP | 5712×4284 | 4284×4284 | 5712×3213 |
12MP | 4032×3024 | 3024×3024 | 4032×2268 |
4:3 での撮影が最大画像サイズです。1:1 や 16:9 では 4:3から内接する形でクロップ(切り抜き)されます。
カメラ(レンズ)の自動切換えについて
iPhone 15 Pro は状況に応じて自動的にカメラを切り変える。
例)3× にしていても、3倍望遠カメラが使われるとは限らないのです。
3倍望遠カメラが広角カメラに切り替わる
3倍を選択していても被写体までの距離がカメラ前面から約65cm以内の場合に、3倍望遠カメラは使われず広角カメラに自動的に切り替わります。(距離は自家測定で精度はかなり低いです。ご容赦を)
さらに 次項 の距離条件により、超広角カメラに切り替わります。
被写体距離の判断は、4:3の撮影では9分割のエリアの中央で判断されるようです。
(中央のエリアに至近距離(約65cm以内)の物体が入るとカメラが広角カメラに切り替わる)
また、暗い環境でも広角カメラに切り替わります。画像の明るさを確保するためだと推測します。
48MPのカメラ(広角カメラ)の撮像データを3倍望遠カメラの画角でクロップした場合、画素数としては5.4MP程度にしかならない計算です。12MPまで超解像技術によるアップコンバートがされるのでしょうか?
これが事実だとすると、メモとしては十分ではありますが、少し残念なポイントです。(せめて切り替わっていることを画面に表示して欲しい)
マクロモード(超広角カメラに切り替わる)
被写体までの距離(カメラ前面から約15cmが目安)によって自動的にマクロモードになる。被写体までの距離が約20cm以上になった時にマクロモードが解除される。(距離は自家測定で精度はかなり低いです。ご容赦を)
マクロモードでは 超広角カメラが使われる。
設定>カメラ>[マクロ撮影コントロール]をオンにしておくと、被写体がマクロ撮影領域に入っている際に 画面にマクロアイコンが表示される。このアイコンをタップすることでマクロモード、マクロモードオフを切り替え可能となる。(超広角カメラ使用時はマクロアイコンが表示されない)
カメラのモード
iOS 純正のカメラアプリには以下のモードがあります。
モード | 静止画・動画種別 | 備考 |
パノラマ | 静止画 | 横長のパノラマ写真を撮影する |
ポートレート | 静止画 | |
写真(デフォルト) | 静止画 | |
ビデオ | 動画 | |
シネマティック | 動画 | 浅い被写界深度のビデオ |
スロー | 動画 | スロー=ハイフレームレート |
タイムラプス | 動画 | タイムラプス=微速度撮影 |
色調調整
iPhone 15 Pro で撮影した画像はやや黄色味がかった色になります。これはカメラの設定で変更して撮影することができます。
好みによって「フォトグラフスタイル」を変更して撮影する
黄色味が強く感じる時には[フォトグラフスタイル]を"冷たい"に設定して撮影すると改善することがあります。設定したままにしておくとクール調な画像になるため常用するかどうかは様々なシーンで撮影してみてから決定しましょう。