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ASUS「ROG Ally」microSDカード選び。UHS-IIカードのリード・ライトのスピードの実力を紹介!使ってみたら困ったことになった。

2023年6月21日

ASUS ROG Ally の microSDカードスロットは バスインターフェース として UHS-II 規格に対応しています。UHS-II はSDメモリーカードのアクセス速度向上のために低電圧差動信号(LVDS)による高速伝送技術を採用した規格です。

現在主流である UHS-I 規格では 最高 104MB/s (SDR104) ですが、UHS-II では片方向通信(Half Duplex)であれば 最高312MB/s のアクセス速度が実現可能なのです。(さらにその先の UHS-III という規格もあります)

バスインターフェース バススピード
UHS-I50MB/s (SDR50, DDR50)
104MB/s (SDR104)
UHS-II156MB/s Full Duplex
312MB/s Half Duplex
UHS-III312MB/s Full Duplex
624MB/s Full Duplex
https://www.sdcard.org/ja/developers-2/sd-standard-overview/bus-speed-default-speed-high-speed-uhs-sd-express/ より抜粋

スピードの速い UHS-II ですが、対応しているカメラ・PCは少なく、リリースされているSDカード、特に microSDカードは非常に少ないです。(ホストがなければ、カードも発売されない)
また端子数が増えるためコストも高くなるようで、価格も高価である点がさらに普及を妨げている模様。
さらに特定環境下で高速に動作するUHS-I カード も発売されており、これも UHS-II の普及を妨げている印象です。
(Samsung の UHSバススピードモードUHS-I DDR200 最大160MB/s、SanDisk QuickFlow™テクノロジー 最大190MB/秒など)

今回は、この UHS-II 規格に対応した microSDスロットを採用している ASUS Ally で、実際に UHS-II カードを使ってみるとどのような恩恵があるのか?について UHS-I カードと比較しながら紹介します!

▼ UHS-II microSDXCカード。アクセススピードが高速で UHS-II対応としては価格もリーズナブルな ProGrade Digital の商品。
読み込み最大 250MB/s、書込130MB/s のスペック。今回 UHS-II アクセス速度の確認のために購入しました。

ASUS ROG Ally microSDカードスロットのアクセス速度は?

ASUS ROG Ally microSDカードスロットのアクセス速度を測定しました。

測定したカードは3種類。

ASUS ROG Ally には付属の電源アダプターを接続。Turboモードで動作させて測定しました。

SanDisk Ultra 128GB

SanDisk Ultra 128GB は、最大転送速度 100MB/秒に対応した microSDXCカードです。(「書き込み速度はそれより遅くなります」という表現で明確な書き込み速度の仕様は提示されていません)

▼ ROG Allyのカードスロットにおけるリード・ライトの速度測定の結果は以下の通りです。

SanDisk UltraをROG Allyのカードスロットに挿入した際のアクセススピード

カードそのものの実力値が出ているようです。

SanDisk Extreme 256GB

SanDisk Extreme 256GB は、最大190MB/秒の読み出し、最大130MB/秒の書き込み速度の microSDXCカードです。
これらの最大速度は SanDisk® Professional PRO-READER SD and microSD™に装着した場合に達成することができます。


▼ ROG Allyのカードスロットにおけるリード・ライトの速度測定の結果は以下の通りです。

SanDisk extremeをROG Allyのカードスロットに挿入した際のアクセススピード

ポテンシャルのあるカードですが、リードもライトも UHS-I の規格(104MB/s (SDR104))に近い数値となりました。
先ほどの安価な SanDisk Ultra とさほど変化がないため、ROG Ally だけで使用するメモリーカードであれば、この Extremeではなく、安価な Ultra で十分という考え方もありそうです。

SanDisk Extreme 256GB (UHS-II)

ProGrade Digital GOLD 256GB は、最大250MB/秒の読み出し、最大130MB/秒の書き込み速度の UHS-II 対応のmicroSDXCカードです。

▼ ROG Allyのカードスロットにおけるリード・ライトの速度測定の結果は以下の通りです。

UHS-IIのmicroSDXCカードをROG Allyのカードスロットに挿入した際のアクセススピード

見事、UHS-II 対応の効果が発揮され、カード仕様に近い速度が測定できました
UHS-II、断トツで速いです!

Steam でのコンテンツ移動時間を実測!UHS-IIの効果は!?

microSDカードからのロードやベンチマーク結果においては、内蔵ストレージと大差ないことが他の方のブログ記事にて調査されています。

ROG ALLYでmicroSDカード比較!ゲームを保存するのはどれがいい?|hipc.jp

この記事では、コンテンツの移動時間にフォーカスしてお伝えしていきます。

具体的には、Steamにて「エーペックスレジェンズ」のコンテンツ(66.51GB)を microSDカード に移動し、移動にかかった時間を測定しました。

▼ 実際に、コンテンツ移動にかかった時間。

ストレージ種類SSD → カードカード → SSDゲーム起動
SanDisk Ultra 128GB21分40秒12分30秒OK
SanDisk Extreme 256GB14分54秒12分35秒OK
ProGrade Digital GOLD 256GBUHS-II8分47秒6分32秒起動せず
外付けSSD(1000MB/s級)SSD → 外付けSSD
2分03秒
外付けSSD → SSD
1分22秒
OK
ロード時間は APEX LEGENDS の起動から登録の画面の表示にかかる時間とした。SSDからの起動では 25秒。
外付けSSDについては、こちらのページにて紹介している 1TBのドライブ(リード・ライトともに 1000MB/sが出るドライブ)を使用した(電源未接続)。

やはり UHS-II カードであれば、UHS-Iカードと比較すると、Steamのコンテンツ移動が約半分の時間になり、かなりのメリットがあります。

UHS-II カードからゲームが起動できない?

しかし、私の環境では UHS-II カードにコンテンツ移動した場合にはゲーム(APEX LEGENDS)が起動しないというエラーが発生しました。

Steamでの起動時エラー画面。

起動時エラー
認識できないゲームクライアントです。継続できません。

UHS-II の microSD カード を Ally に挿入して使っている方がどの程度おられるのか? という話になり、他の方の手元でも発生しているのかはわかりません。しかし、私の環境では 2回 UHS-II へ移動して、2回とも起動しませんでした
(起動NGのUHS-IIカードからSSDに再移動させるとゲームは起動します。そこから他の UHS-I カードに移動してもゲーム起動可能なのです!移動しているコンテンツ自体には問題がなく、カードの違いだけで起動しない現象が発生しています)

Ally でカードをフォーマットしてみた

ProGrade の UHS-II microSDカード は購入したばかりであるため、PCではフォーマットしていませんでした。
ROG Ally にて ExFAT、クイックフォーマットをかけて、今度は 一度アンインストールの後、microSDカードに直接APEX LEGENDS をインストールしてみました。(この時は容量が 72.35GBに)

起動時エラーのメッセージは表示されなくなり、うまく行った!と思いましたが途中のロード画面から画面が進みません。(数回試行しましたが変わらず)

インストールしたプログラムをSSDへ移動すると、正常に起動します。

UHS-IIカードで APEXが起動しないことに変わりはありませんでした。

Street Fighter 6 Demo の起動を確認

小さめの容量(16.7GB)となる 「Street Fighter 6 Demo」についても UHS-IIカードへの移動し、起動確認をしてみました。
「Street Fighter 6 Demo」は正常に起動し、プレイも可能でした。

APEX との相性が悪いのかもしれません。

ASUS ROG Ally で UHS-IIカードを選ぶべきか?

私の環境では UHS-II カード(ProGrade)+Allyでは、ゲームコンテンツの移動はUHS-Iよりもかなり速い。しかし、起動できないゲームがある という状況です。(ドライブとしては利用できます)

本当は、UHS-II カードだと速くて最高!という内容になる予定だったのですが、困ってしまいました。

※ この現象が、私の環境だけなのか?カードの問題なのか?Allyの不具合なのか?SteamやAPEXの問題なのかは現時点(2023/6/21)では不明です。
1枚の UHS-II カードでしか試していませんし、起動できないゲームも APEX しか見つけられていません。
他の組み合わせなら…とも思いますが、これだけでもかなりの時間を費やしており、これ以上の確認は難しい状況です。

私は、購入した UHS-II カードを GoPro に使う予定ですので問題ありませんが、ROG Ally のためにUHS-IIカードを購入すると、みなさんの環境でも起動エラーが起きてしまう不安があります。

【追記】Steamで起動しない件、カードドライバの更新で改善されるという情報がありました。
Genesys Card Reader Driver Version V4.5.5.9 をダウンロードしてインストールすれば改善するそうです。
当方では未確認です。

ということで、増設用に購入するのであれば、SDカードブランドとして信用度が高く、書き込みスピード 90MB/s の SanDisk Extreme がオススメです!(64GB以下は速度が遅いため、128GB以上がオススメ。必ず 出荷元、販売元が Amazon.co.jp のサンディスク正規品をお買い求めください
V30に対応しているため、GoProなどのカメラに転用しても 4Kの動画撮影ができます!

折角の ASUS ROG Ally の microSDカードスロット。
アップデートにて各社の高速アクセスのモード(DDR200?)が動作できるようになってくれれば良いのですが!
(対応要望です!)

【参考】ROG Ally で Steam のドライブ追加、コンテンツの移動ができない?

今回の一連の動作確認の中で、Steam > 設定 > ストレージ にてmicroSDカードをドライブとして追加が出来ず苦労しました。
Steam上でドライブに追加できなければ、簡単にコンテンツの移動ができないのです。

現象としては、以下の画面のように ストレージ にドライブの追加アイコンが表示されず、microSDカードがドライブとしてSteamに登録できないのです。

▼ ① Steam > 設定 > ストレージ にドライブの追加アイコン(+マーク)が無い 場合の画面

Steamでドライブが追加できない場合の画面

▼ ② Steam > 設定 > ストレージ にドライブの追加アイコン(+マーク)があり、ドライブの追加が出来、コンテンツの移動ができる場合の画面

Steamでドライブが追加できる場合の画面

Steam の設定にてドライブが追加できない場合の対処方法は、「Big Pictureモードを終了する」ことでした。(← 私の事例では。)

Big Pictureモードを終了の方法
メニュー>電源>Big Pictureモードを終了を選択すればよい。

どうやら、Big Pictureモードでは、ドライブ関連の細かな設定はできず、既存のCドライブも縁取りが丸みを帯びた状態になり、他のドライブを追加するアイコンが表示されないのです。そもそも「Big Pictureはテレビとゲームコントローラを使ってSteamを使用するためにデザインされたモード」とのことであり、確かにドライブを追加するような作業はできなくてもOKな状態ですね。

てっきり、ROG Ally のArmoury Crate SE が変な影響を与えたりしているのかと考えたりしていました。(何も知らずに、見やすそうな画面だなぁ~と Big Pictureモードにした自分が悪かったという…)



  • この記事を書いた人

The そうじろう

モノ系ブロガー。2014年から「モノ好き。ブログ」を運営。製品レビュー歴は10年を超えます。長年とあるメーカーに勤務し製品設計・開発に従事してきた経験を活かし、独自の視点でその製品の良さ紹介しています。

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