新しいゲーミングスマートフォン ROG Phone 8 シリーズが ASUS JAPANから発売されました。ROG Phone 8 シリーズは、ゲーミングスマートフォンとして機能・性能をさらに進化させつつ、カメラの進化や念願のおさいふケータイにも対応、そしてゲーミング要素は保持しつつ誰もが使える・誰もが使いやすいようにデザインされたスマートフォンになりました!
ASUS JAPAN株式会社様から、ROG Phone 8 (無印)発売前にサンプル機を借用し、ROG Phone 8 のカメラ機能を中心に2週間以上じっくり使いました。
スマートフォンとして、質感・デザインに優れ、カメラの映りも良かったです。
なにより、かなり好きなデザインで(特にPro版)、(予算が許すなら)Android機で欲しいのは ROG Phone 8 Pro だ!と思いました。
スマホゲームはしませんが、マジで欲しい!
撮影した結果、iPhone 15 Pro との比較結果については、YouTube動画にまとめています。
(ROG Phone 8(無印)で撮影していますが、カメラの機能・性能は ROG Phone 8 Pro も同じです)
機材協力:ASUS JAPAN株式会社
目次
ROG Phone 8 シリーズのカメラ構成・変更点について
ROG Phone 8 シリーズのカメラは、Zenfone 10 のリアカメラ構成に望遠カメラをブラスされた状態に近い構成です。
リアカメラは、広角(メイン)+ 超広角 + 望遠 の3カメラ構成。私がメインで使っている iPhone 15 Pro と同等の構成です。
Zenfone 10 | ROG Phone 7 | ROG Phone 8 | |
広角カメラ | 5,000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) 6軸ハイブリッドジンバルスタビライザー2.0 | 5,000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) | 5,000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) 6軸ジンバルスタビライザー3.0 |
超広角カメラ | 1,300万画素 超広角カメラ (35mm換算:12.5mm相当) | 1,300万画素 超広角カメラ (35mm換算:12.5mm相当/F値2.2) | 1,300万画素 超広角カメラ (35mm換算:12.7mm相当/F値2.2) |
望遠カメラ | - | - | 3,200万画素 望遠カメラ (35mm換算:65.3mm相当/F値2.4) |
マクロカメラ | - | 500万画素 マクロカメラ (35mm換算:23.6mm相当/F値2.0) | - |
インカメラ | 3,200万画素 広角カメラ (35mm換算:29.4mm相当/F値2.4) | 3,200万画素カメラ (35mm換算:29.4mm相当/F値2.4) | 3,200万画素カメラ (35mm換算:22mm相当/F値2.05) |
ROG Phone 7 から考えると、メインカメラにはジンバルスタビライザーが搭載され、マクロレンズが3倍の望遠レンズに変更。
超広角レンズについても 12.5mm → 12.7mm に変更になっています。
インカメラについては、Zenfone 10 と同様な RGBW画素のセンサーが使われ、22mm相当のレンズに変更になっています。またF値も明るくなっています。
インカメラでは、1.0倍と0.7倍が選択可能になっており。1.0倍では従来通りの画角(クロップ?)、0.7倍時に22mmという広い画角になっていると考えます。
ROG Phone 8 超広角レンズ を選択する際に 0.7 と表示されます。
23.8mm を 1.0 とすると、12.7mm であれば単純計算で 0.53倍です。実際に撮影された画像を見ても 0.5とは異なり、確かに0.7倍に近い印象です。
(ROG Phone 7 の時は 23.8mm/12.5mm で 0.525 ですが、画面には 0.6 と表示されていました)
何らかの処理が施され(インカメラと同様?)、焦点距離=画角ではなさそうです。
ROG Phone 7、Zenfone 10 から多くの変更点のある ROG Phone 8シリーズのカメラですが、2024年3月にグローバル発表され国内発売は未定とされる「Zenfone 11 Ultra」のカメラ構成と同一です。
(Zenfone 11 Ultra は ROG Phone 8 と基板共通の兄弟機ともいわれています)
- ROG Phone 8 シリーズのカメラは日常的に使うことの多い望遠カメラの搭載
- メインとなる広角カメラには 6軸ジンバルスタビライザー 3.0 の採用
- インカメラでは暗い環境への対応力UP(RGBW採用)
上記アップデートにより、カメラ機能・カメラ性能を重視するユーザーも満足できる仕様に仕上がっています。
ROG Phone 8 ・ iPhone 15 Pro カメラ比較
お借りした ROG Phone 8 サンプル機を使って実写を行い、できる限り iPhone 15 Pro と比較しました。
食事の写真や風景など私自身が日常的に撮影する被写体です。
以下の写真は、YouTube動画からのスクリーンショットです。
*高解像で確認したい場合には元のYouTube動画をご覧ください。
*Premiere Pro にて4K動画からスクリーンショットし幅1200pixにリサイズし掲載しています。
解像感や色味の印象が異なる場合があります。
元のYouTube動画をご覧ください。
区別しやすくするため ROG Phone 8 で撮影した静止画には ROGロゴが入るように設定しています。このロゴはデフォルトではオフです。
超広角カメラとWBの傾向
超広角カメラ(0.7倍)では建物と風景を撮影した。
しっかり解像感があり描写としては満足のいく結果だった。
iPhone 15 Pro と比較すると、撮影画角の違いが顕著だった。個人的には iPhone 15 Pro の0.5倍相当の画角が気に入っており、ROG Phone 8 シリーズの 0.7倍ではややモノ足りなさを感じた。
ホワイトバランスについても ROG Phone 8 と iPhone 15 Pro とでは異なる傾向です。iPhone 15 Pro はいつもやや黄色によった色になるのですが、ROG Phone 8 シリーズのホワイトバランスは白を白として表現する方向性で個人的には好みです。
青空の表現については、ROG Phone 8 シリーズは若干盛り過ぎに感じられるかもしれませんが、私は好きです。
昭和記念公園のネモフィラの丘にも足を運びました。ネモフィラの色のイメージとしては、やはり ROG Phone 8 シリーズ の方が記憶とあっていると思いました。
広角カメラ
広角カメラの描写も良好でした。
広角カメラの描写としても ROG Phone 8 と iPhone 15 Pro は互角といえます。
前述の通り、WBについては、iPhone 15 Pro は黄色っぽくなる傾向ですが、このシーンでは、ROG Phone 8 よりも影の表現がやわらかく、またややイエローとなる色味と合わせて程よい雰囲気で表現されています。
広角カメラでは、50MPに設定し、高画素での撮影が可能です。ROG Phone 7 では 50MPで撮影するとレスポンスが悪かったのですが、ROG Phone 8 では大きく改善していると感じました。
上の写真比較では、ROG Phone 8 の白飛びが気になりました。(画の細かさは遜色なし)
この原因が 50MP 設定時の HDR適応不可によるものなのかは、もう少し確認が必要です。
ポートレートモードがイイ感じ
SNSに投稿する際に、背景がふわりとぼけた写真にしたいものです。
ROG Phone 8 シリーズでのポートレートモードについてチェックしました。
ポートレートモードのオン/オフの比較では、ポートレートモードをオンすることで違和感なく適度に背景のボケた写真になりました。
同じ被写体で、ROG Phone 8 と iPhone 15 Pro とを比較した場合は以下の通り。ボケ量の適応量によるものか後頭部のボケのありなしが少し気にはなったが、よりボケている ROG Phone 8 の方がポートレート感がある。
iPhone も ROG Phone 8 もポートレートモードで撮影しておけば、後でボケ量の変更やフォーカス位置の調整ができます。
iPhone 15 Pro では LiDAR を利用しているためなのか、近い距離でのポートレート適用に難があり、お店で提供された食事などをポートレートで撮影しようとすると「離れてください」と表示すれ、かなり不自然な体制での撮影になることが多いのですが、ROG Phone 8 では距離について比較的寛容で撮影しやすい点が気に入りました。
厳密な意味での光学的なボケとは異なりますが、個人的にはポートレートモードが気に入っています!
望遠カメラ
望遠カメラは広角カメラに対して光学3倍に対応し、仕様上は 35mm換算:65.3mm相当 です。
画素数は 3,200万画素ですが、出力される画像サイズは 3280 × 2460 です。(880万画素相当)
3倍の望遠からさらに望遠が可能です。(最大30倍)
元は32MPセンサーという素性が活きているのか、10倍での画質も悪くはなくある程度使える画質でした。
HyperClarity テクノ ロジー により30倍ズームでも鮮明な…ということですが、10倍の画像を拡大して30倍にしたものと、30倍で撮影した画像とを比較しても大きく差がでることはありませんでした。あとで拡大するのが面倒な方は30倍で撮影するのもアリですが、30倍の場合には倍率が非常に高いため、被写体を画面の中心に入れることも難しくなります。10倍で撮影し、後で拡大する方が使いやすいと考えます。
動画撮影
ROG Phone 8 の動画撮影ではまず手ぶれ補正について、iPhone 15 Pro と比較しました。
特に動画については 元のYouTube動画 でなければ伝わりません。是非、動画をご確認ください。
動画でみると、このシーンでは iPhone 15 Pro の動画がかなり優秀でした。フルHD(1920×1080)で有効にできる HyperSteady と比較しても iPhone 15 Pro の方が安定している印象でした。
ただし「これは比較すれば」ということであり、ROG Phone 8 の手ぶれ補正はかなり効果を感じます。
ネモフィラの丘で 4K 30fps で撮影したシーンでは、ROG Phone 8 の発色の印象が良かったです。下の図でコメントしている色の濃さや解像感UPは動画編集時に対応できる可能性は高いです。
ROG Phone 8 では iPhone 15 Pro が対応していない 8K解像度での動画撮影が可能です!
8Kで撮影した動画の中央を切り出しても十分 4K動画として使えます。(理論上は)
YouTube動画では、4k切り出しからズームアウトし 8K全体の画角になるシーンをラストに入れています。
8Kは動画のサイズも大きくなるため、ポイントを絞って使うとよいかもしれません。
さすがゲーミングスマートフォン。熱処理がうまいのでしょう、8K動画の撮影において、約200GB撮影し続けても熱でダウンすることはありませんでした。
注意点としては、24fpsでの撮影になめため、ややカクカク感が出てしまう点です。
個人的には 4K30fpsで撮影していますが、残念ながら 望遠カメラ(3.0倍)が動画の4K解像度に対応していません。
iPhone 15 Pro であれば、3倍カメラでの4K撮影が可能です。この点については、見劣りする部分でした。
【参考】ライトトレイルモード、スマホ内での編集も
ROG Phone 8シリーズには、長時間露光のような効果が得られる「ライトトレイルモード」が搭載されています。
今回の撮影例では、水がふわりとしている iPhone 15 Pro の方が好みだった。
しかし、ROG Phone 8 の画像でも十分な効果はありました。
また、撮影した画像の表示状態から、[編集]を選択することでフィルターによる効果が選択できたり、細かく自分でパラメーターを変更して自分好みの写真に仕上げることも可能です。
ある程度コストのかかっているスマートフォンであれば、写り自体に大きな差はなくなり、味付けが勝負になってきています。
撮影した画像をスマートフォンの中で調整できるは助かります。(調整は iPhoneなどでも可能です)
ROG Phone 8 カメラレビューまとめ
魅力的なカメラ構成になった ROG Phone 8 を iPhone 15 Pro と比較してきました。私の感想をまとめると以下の通りです。
ROG Phone 8 カメラの感想(全体)
- 超広角・広角・望遠3倍の組み合わせでかなり使える範囲が広がった。(ROG Phone 7 比)
- 背景ボケが得られるポートレートモードを活用することで、一眼カメラのような写真も撮影できる。
- 画質・色について、iPhone 15 Pro に対して常に見劣りするか?というとそのようなことはなく、ROG Phone 8 も iPhone 15 Pro もどちらも「あり」だと感じた。
(iPhoneもうまく撮れない時は多々ある)
ホワイトバランスの傾向としては白に合わせる方向の ROG が自分好み。
ROG のシャドウ部分においては、もう少しコントラストを下げたやさしい表現になって欲しい場合もあった。
ROG Phone 8 カメラの感想(静止画)
- 画質(解像度)に期待して50MP撮影をおこなうが、HDRが効かないためかハイライト部分の白飛びによりテクスチャが消失してしまうケースがあった。(鯉のぼりのシーン)
- 50MPでの撮影レスポンスは ROG Phone 7 から大幅に改善。通常の4:3撮影とほぼ同等のレスポンスになった。
- 望遠側は、良好な光源下において、10倍程度までは実用的な画質で撮影ができた。
- 超広角カメラ(0.7倍)については、iPhone の0.5倍相当まで広角になるとメリハリのある画づくりにつながる。
次モデルでは超広角カメラを 0.5倍にして欲しい。
ROG Phone 8 カメラの感想(動画)
ASUSのスマートフォンの中で、最高のレンズ構成、メインの広角カメラは基本スペックは変わらないが Zenfone 10 で導入された 6軸ハイブリッドジンバルスタビライザーが導入され魅力的な構成に大変身しています!
- 望遠カメラは 4K動画の撮影に対応していない点は注意が必要。個人的にはYouTube動画制作もあり、4K 30fpsで撮影している。自分が使うとすれば、この制約は困る。望遠カメラでも4K動画撮影できるようにして欲しい。
ROG Phone 8 の良さ(おまけ)
iPhone と比較して、ROG Phone 8 の控えめなシャッター音は 最大級の強み!
これだけでも iPhone から乗り換えたくなります!
結論
カメラ性能について、心配することはありません。
ROG Phone 8 は十分すぎるカメラ性能を持つスマートフォンでした!
▼ 是非動画もチェックしてください!