ASUS「ROG Phone 7」の先行レビューの機会を得ました!Gaming スマートフォン としての評価などは他の専門の方・サイトにおまかせし、弊ブログではカメラ機能にスポットをあてて紹介していきます!
ASUS「ROG Phone 7」はゲームをスムーズに気持ち良くプレイできるようにするための機能が豊富。プレスリリースなどでもカメラ機能については画素数やレンズといった簡単な製品仕様レベルの紹介にとどまっています。「あれぇ、カメラにチカラ入れてないのかなぁ~?」という疑問が沸きますよね?
ASUS「ROG Phone 7」の購入を検討している方も快適にゲームしたい事が主目的なはず。でも、折角持ち歩くスマホなのだからおいしい食事や旅先での思い出やエモい夕焼けも撮影したいハズ!
この記事では、ASUS「ROG Phone 7」のカメラ機能の基本仕様を確認したのち、実写結果からメシウマカメラなのか、動画カメラとしてどうなのかを確認しつつ、オススメの使い方・撮影時に注意したい点などを紹介していきます!
※本レビュー記事作成にあたり発売前のASUS「ROG Phone 7」を ASUS JAPAN様 よりお借りしました。
目次
ASUS「ROG Phone 7」のカメラ機能の立ち位置
ASUSのスマートフォンのカメラスペックを比較し、「ROG Phone 7」のカメラ機能の立ち位置を確認しましょう。
左から今後日本でも発売される可能性のある Zenfone 10(グローバル発表スペック)、今回紹介する ROG Phone 7、先代の ROG Phone 6、Zenfone 9 のカメラ基本スペックです。
Zenfone 10 | ROG Phone 7 | ROG Phone 6 | Zenfone 9 | |
広角 | 5,000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) 6軸ハイブリッドジンバルスタビライザー2.0 | 5,000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) | 5,000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) | 5,000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) |
超広角 | 1,300万画素 超広角カメラ (35mm換算:12.5mm相当) | 1,300万画素 超広角カメラ (35mm換算:12.5mm相当/F値2.2) | 1,300万画素 超広角カメラ (35mm換算:12.5mm相当/F値2.2) | 1,200万画素 超広角カメラ (35mm換算:14.4mm相当/F値2.2) |
マクロ | - | 500万画素 マクロカメラ (35mm換算:23.6mm相当/F値2.0) | 500万画素 マクロカメラ (35mm換算:23.6mm相当/F値2.0) | - |
インカメラ | 3,200万画素カメラ | 3,200万画素カメラ (35mm換算:29.4mm相当/F値2.4) | 1,200万画素カメラ (35mm換算:27.5mm相当/F値2.4) | 1,200万画素 広角カメラ (35mm換算:27.5mm相当/F値2.45) |
「ROG Phone 6」→ 「ROG Phone 7」において3つのアウトカメラ については画素数、焦点距離、F値のアップデートなし。メインカメラには、5000万画素、1/1.56" SONY製 IMX766 撮像センサーが引き続き使われています。
インカメラについては、感度向上を目的としたであろうピクセルビニングを前提とした高画素の32MP(出力は8MP相当)にアップデートされました。
新モデルになっても基本的なカメラ構成は継承というイメージです。
インカメラの焦点距離については少し長く(画角が狭く)なりました。手を伸ばして二人が入るかどうかという画角です。
iPhoneが焦点距離23mm相当なのに対して「ROG Phone 7」は29.4mmとなり、少し狭い印象です。
むやみに広角を狙わず、周辺のゆがみと必要最低限の画角のバランスを取っているのかもしれません。
画素数、F値としては、「ROG Phone 7」と次にリリースされるであろう Zenfone 10 はほぼ共通。
(ROG Phone 7 は6軸ハイブリッドジンバルスタビライザー2.0非搭載、Zenfone 10 はマクロカメラ非搭載 が差異になります)
Zenfone 10 は、6軸ハイブリッドジンバルスタビライザーが搭載され、手ぶれに対して強くなりそうです。
今回の試用においても動画撮影において手ぶれ補正は必須だと感じましたが、電子手ぶれ補正の場合には画角が狭くなるデメリットに悩みました。
Zenfone 10 は光学式手ブレ補正も搭載されていたハイブリッドタイプだと理解しています。これで画角が狭くならずに手ぶれ補正がかかるのかもしれません。(ハイブリッドなので電子も併用で画角は狭くなるのかも)
ASUS「ROG Phone 7」のカメラを実際に使ってみるとマクロカメラの用途についてはうまく見つけることができませんでした。(使いどころが見つからない)
個人的には 次期ROG Phone ではマクロカメラの分のコストを OIS(光学式手ぶれ補正)に振り分けて欲しいなぁとは思います。
8K24fps 動画記録から見えてくる ASUS「ROG Phone 7」 のマシンとしての素性の良さ。
今回試してみて個人的に良い意味で猛烈にショックを受けたことをまず紹介します。
「ROG Phone 7」は、8K動画に対応しています。ただし 8Kに設定した場合、フレームレートは24fpsのみの対応になります。24fpsというとフィルム映画と同じフレームレートであり十分とも言えますが、カメラを移動させた時や被写体の早い動きの時にカクツキを感じる場合もあります。
8Kとなると処理量も多くなり、消費電力増しにより短時間でのバッテリー切れや発熱による動画撮影停止が発生するだろうと予想していたのですが、8K 24fpsでバッテリーが切れるまで5時間以上ノンストップで撮影できたのです!Wow!
(5時間41分55秒撮影されていました。エアコン 27℃設定の室内にてスタンドに立てかけて撮影。SIMカードなしWi-Fi接続あり、設定としては 手ぶれ補正オフ、H.265記録、省電力オフ)
バッテリーが切れた時点で251GBのファイルが出来ていました。
電源アダプターから給電しながら撮影すれば空き容量一杯まで8K動画が約10時間撮影できてしまう可能性があります。(未実証です)
他の8K撮影可能なスマホの記録可能時間もネットで調べようとしたのですが、なかなか何時間撮影できたかの情報が見つけられませんでした。ひょっとすると最近の端末は8Kで熱で止まることなく動画撮影ができるのかもしれませんし、そもそも同じ動画スペックを持つ先代「ROG Phone 6」でも無制限に8K動画が記録可能だったのかもしれません。いや、すごい時代だわ。
8Kではなく4Kならもっと長時間撮影が可能でしょうし、バッテリーは65Wアダプターで約44分間で100%まで回復可能ですし、ASUS「ROG Phone 7」は長時間記録する記録カメラとして結構いいかも!と思ったりもしました。
普段、GoProで長時間記録をしているのですが、GoProは、解像度、フレームレート、そしてビットレートを上げて使うと熱で停止することが多いことからするとホント驚きです。
(筐体サイズが違うので単純な比較はできないのですが)
この高解像度でも長時間撮影が可能となるためのキーとして、ASUS「ROG Phone 7」の特徴が効いていると考えます!
- Qualcomm® Snapdragon™ 8 Gen 2 による省電力
- 6,000mAhの超大容量バッテリー
- 強力な冷却機能(窒化ホウ素熱伝導グリス、新設計のベイパーチャンバーとグラファイトシート)を備えたボディ設計
ROG Phone ならではの凄さを感じました!
【ご参考】動画における画像サイズ・フレームレートによるバッテリーの減り、ファイルサイズは以下の通りです。(ある条件による一例であり、参考値)
動画設定 | 撮影時間 | バッテリーの減り | ファイルサイズ | 1秒あたりのファイルサイズ |
8K24fps、手ぶれ補正:標準 | 31分5秒 | 9%(0.290%/秒) | 24.5 GB | 13.5 MB/秒 |
8K24fps、手ぶれ補正:オフ | 41分33秒 | 13%(0.313%/秒) | 32.8 GB | 13.5 MB/秒 |
4K60fps、手ぶれ補正:標準 | 30分30秒 | 6%(0.197%/秒) | 22.2 GB | 12.4 MB/秒 |
4K30fps、手ぶれ補正:標準 | 30分6秒 | 7%(0.219%/秒) | 14.6 GB | 7.8 MB/秒 |
スローモーション HD、480fps | 31分6秒 | 8%(0.257%/秒) | 16.6 GB | 9.1 MB/秒 |
上記検証では、8K24fpsにおいて1分あたり0.290~0.313%のバッテリーの消耗率となりました。→ 100%/0.313% = 概算319分=5時間19分の撮影ができる計算になります!(事実、5時間41分撮影できました)
HDサイズの480fpsというスーパースローモーションの領域でも長時間撮影できそうです!(画角は狭くなります)
長時間記録・メモカメラとして ROG Phone は信頼できるバディになってくれそうです。
ASUS「ROG Phone 7」の静止画について
ここでは購入前および購入後に気になったときに有用な(と思う)情報と実写結果を紹介します。
静止画(写真)時の画像サイズ(解像度)
ASUS「ROG Phone 7」のアウトカメラにおける静止画(写真)時の画像サイズ(解像度)は以下の通りです。
4:3時 5.53mm | 4:3(0.6)時 2.13mm | マクロ1.99mm | |
4:3(50MP) | 8192×6144 | - | - |
4:3 | 4096×3072 | 4160×3120 | 2592×1944 |
16:9 | 4096×2304 | 4160×2340 | 2592×1458 |
1:1 | 3072×3072 | 3120×3120 | 1944×1944 |
全画面表示 | 4096×1800 | 4148×1830 | 2584×1140 |
RAW+JPG | 8192×6144 | - | - |
5,000万画素 広角カメラは 50MPモード時に最大 8192×6144、通常モード時に最大 4096×3072 の解像度です。
1,300万画素 超広角カメラ(0.6)は 最大4160×3120 の解像度です。
500万画素 マクロカメラは 最大 2592×1944 の解像度です。
4:3 の解像度が最大で、16:9、全画面表示では水平解像度を最大にし、垂直側をクロップ(切り取り)しています。
1:1では 4:3での垂直解像度を最大にして、水平側をクロップしています。
最大の画素数を得るには、4:3 で使うのがベストです。
(全画面表示が最大なのかと思っていたのですが、かなり切り取られていました)
もちろん 4:3以外でも用途に合っていれば選択して問題ありません。
インカメラの静止画(写真)時の画像サイズ(解像度)
ASUS「ROG Phone 7」のインカメラにおける静止画(写真)時の画像サイズ(解像度)は以下の通りです。
インカメラ | 解像度 |
4:3 | 3264×2448 |
16:9 | 3264×1836 |
1:1 | 2448×2448 |
全画面表示 | 3264×1440 |
インカメラでは、3264×2448 (7.99MP=約8MP)が最高解像度です。4K(3840×2680)に満たない画像サイズではありますが、顔などを写した時にキレイな画を出してくれる印象です。
静止画 RAWファイルについて
ASUS「ROG Phone 7」の [PROモード]で選択可能となる [RAW+JPG] 。
RAWのファイル形式は DNGです。
DNGファイルのサイズは 96.0 MBでした。
(RAWファイルのサイズとしては、かなり大きく感じます、ロスレス圧縮など全くしていないのかな?)
RAWファイルはJPEGファイルと同じファイル名で拡張子違いで保存されます。
RAWファイルを用いて一から画を整えていくのは(私としては)難しいと感じるため、Photoshopなどで一度自動補正してもらってから好みの状態に仕上げていくとよいかもしれません。
"JPEG撮って出し"では満足できない場合に備えて+RAWで撮影しておくと安心ではあります。
ASUS「ROG Phone 7」での静止画実写結果
ASUS「ROG Phone 7」のカメラで実写してみた結果を紹介します。ここでは小さくリサイズした静止画を掲載しています。
Photoshopで、長辺1200ピクセル、中画質のJPEGに書き出しています。
高解像度の画像については こちらの YouTube 動画を参照願います。
スマホで撮影したくなる都会の風景、夕方の景色、お料理をASUS「ROG Phone 7」で撮影するとどうなるのか!?を確認してきました!
風景はうまく写るか!?
▼ 六本木ヒルズ(広角カメラ)
▼ 六本木ヒルズ(超広角カメラ)
建物を中心とした写真を掲載しました。
特に不満なく撮影できることがわかります。
夕方はキレイに写るか!?
夕暮れの美しさを目の当たりにすると、ついついスマホで写真を撮ってしまいます。
ASUS「ROG Phone 7」は夕方の風景をどのように映してくれるのでしょうか?
▼ まだ夕方と呼ぶには早い時間帯ですが、日がかなり傾いてきたところ。遠方の空の色、建物の日の反射も印象的にとらえてくれています。
▼ 日が暮れる直前の国立新美術館。樹々の影が印象的でした。
結構良く写ります!
料理はおいしそうに写るか!?
ASUS「ROG Phone 7」で お食事 を撮影しました。
美味しいモノはおいしそうに写る!という結論に達しました(笑)。
その① ガスト 武蔵野・匠のハンバーグ 750円
「ひとつ上の旨味と肉感が楽しめる」粗挽き のハンバーグです。正直なところあまり好みのハンバーグではありませんでした(笑)。
その心象を反映してなのか、それなりに写っている印象です。(店内の照明も影響している?)
その② 更科布屋(大門駅近く)盛夏の家伝変わり蕎麦 7月 笹切りそば 900円
「七夕にちなんで熊笹の粉末を打ち込みました。効能は整腸作用・口臭や体臭の防止・高血圧の予防と言われています。」というお蕎麦。
見た目にもインパクトのある、緑色のお蕎麦です!おいしかった~。(なかなか良く撮れています)
その③ TIME&SPACE(二子玉川)の ベーコンチーズサンド 1,100円
あふれるチーズがムチャクチャ美味しそうに写りました!(実際においしい!)
これだけ写ればインスタに上げてもOKですね!
▼ カフェ的な写真もイイ感じで撮れました。
料理などを撮影して気づいたのですが、広角(標準)のカメラで撮影する場合、F値1.9ということもあり、実にピントが浅く、ピント位置の前後にボケが発生します。
ハンバーグの写真がその顕著な例で、画像中央の断面にピントが合っているのですが、画像左側(近距離)、画像右側(遠距離)がボケています。このボケが"ふわり"とキレイなボケになればよいのですが、像が流れたようなボケになります。(手ぶれもあったのかもしれません。
おそばの場合、ハンバーグの時よりも距離を置いて撮影したこともありボケは目立ちにくいと思います(画像右上の遠い部分、左上のツユの裏側のネギの部分がボケています)。
チーズサンドでは被写体をほぼ正面から捉えることで、主要被写体にはしっかりピントが合わせ、背景はぼかすという、ROG Phone 7 のボケをうまく利用できた作例だと考えます。
撮影時に注意したいこと
ASUS「ROG Phone 7」で静止画撮影・動画を撮影する際に気を付けたいことがあります。
写るエリアに注意
PROモードの場合に横向きにして撮影する際に画面の右側がUI表示になり、半透過のエリアがあります。
ついついはっきり見えているエリアで画面を構成(画角を決める)してしまいがちですが、半透過部分も画像に写り込むため、そのエリアも良く見て画角を決めましょう!
このように図にしてみると、自分でもどうして間違えてしまうのかなぁ?と考え込んでしまったのですが、普段はiPhoneを使っているためなのかもしれません。iPhoneの場合には撮影範囲以上のエリアが画面に半透過で表示されているのです。これに慣れていて、半透過は写り込まない範囲だと思い込んでしまっている可能性が高いです。
静止画は画面にスペースがありそうなので、どうにかUI配置が工夫できればいいのになぁとは思います。(半透過をやめて透過にする設定があるだけでもよいです)
撮影時のスルー画では白飛びしていても実際には飛んでいない事も。
下の写真のように、撮影時の画面では空が白飛び(露出オーバー)しているように見えますが、実際に記録された画像ファイルではしっかりとディテールが残っている場合があります。(HDRの設定だったためかもしれません)
夕日などを撮影する場合には、撮影画面で無理に露出を下げずに一度ASUS「ROG Phone 7」におまかせで撮影し、実際に撮影された画像を確認してみてから露出を暗めにするかどうかを決めた方が良いです。(本来は撮影時に記録される露出でスマホが表示するべきです)
50MP設定ではシャッタータイムラグあり。
本来のセンサー画素数で撮影する4:3(50MP)のモード。50MPにしなくても日常的に使うには十分なのですが、拡大した時のディテールの差は大きく異なります。
個人的には積極的に50MPを使いたいところなのですが、撮影時にはシャッタータイムラグが発生するため注意が必要です。
さっと取り出して、パッパッと撮影したい場合にシャッターボタンを押してから少し間があいてからカシャっとシャッターが切れます。感覚的には約1秒のディレイです。動画でも確認できます。
料理や建物のように動かない被写体なら良いのですが、子どものように移動の早い被写体には50MPモードの設定は向きません。
通常の撮影は[写真]モードで撮影し、じっくりと構えて撮影する時には 50MPやRAW+JPGに設定しておいたPROモード で撮影するというように切り替えて使う方法がおすすめです。
▼ 紹介した内容を中心に動画で撮影画像をチェックできます。
YouTubeはこちら!(4Kなど高解像度でご覧ください)
ASUS「ROG Phone 7」の動画について
動画の画像サイズ・フレームレートについて
ASUS「ROG Phone 7」のアウトカメラにおける動画の画像サイズ・フレームレートおよびHDR、手ぶれ補正、倍率変更可否については以下の通りです。
画像サイズ | fps | HDR | 手ぶれ補正 | ズーム |
8K | 24 | 設定不可 | 普通、オフ | 電子4倍 |
4K | 60 | 設定不可 | 普通、オフ | 電子4倍 |
4K | 30 | ○ | 普通、オフ | 0.6、電子4倍 |
FHD | 60,30 | ○ | HyperSteady、普通、オフ | 0.6、電子4倍 |
HD | 60,30 | ○ | HyperSteady、普通、オフ | 0.6、電子4倍 |
手ぶれ補正については、光学式ではなく、処理により補正される形式です。その処理のために画像センサー上に余白が必要となるため、手ぶれ補正を有効に設定した場合には撮影できる範囲(画角)が狭くなります。
手持ち撮影で手ぶれ補正オフの動画は多くの場合は使えない素材になるため、必ず手ぶれ補正は設定しましょう。
FHD、HDでオンにできる HyperSteady は手ぶれ補正の効果が非常に高いのですが画角が狭くなりすぎるため使いにくいと考えます。下図の緑実戦が HyperSteady の画角。
手ぶれ補正オンを基本として、記録的な録画である場合には 4K30fps、手ぶれ補正=標準、0.6倍(超広角)での撮影が自分としてはフィットしました。(手ぶれ補正で狭くなった画角を超広角レンズの使用で取り返すために 超広角カメラが使える最高解像度・フレームレートの 4K30fps をチョイス)
ちなみにフレームレートについては、1001/1000の系列(60fpsぴったりではなく59.94fpsなど)ではなく、60fps、30fpsぴったりのフレームレートです。
また、動画の設定にある[フレームレートの自動調整]がオン(デフォルト)になっていると、58.04fpsや29.99fpsのように中途半端なフレームレートになります。個人的には動画編集時に影響がありそうな気がするため、[フレームレートの自動調整]はオフに設定しました。
PAL系列の 50fps、25fps のフレームレート設定は見当たりません。
GoProではフリッカーの設定周波数によってフレームレートがNTSC系(60/30fps)とPAL系(50/25fps)に変わるのですが(それはそれで使いにくい)、ASUS「ROG Phone 7」の[ちらつき防止]の設定をオート以外(50Hz)に設定しても 50fps、25fpsのフレームレートは出現しませんでした。
ヨーロッパ系での販売時にどうしているのか気になるところです。(その割には、動画ファイルのプロパティ(エクスプローラー)を見ると カラースペース:Rec. 601 (PAL) となっており若干の矛盾を感じたりもします。)
ASUS「ROG Phone 7」の動画については、「動画の画像サイズ・フレームレートについて」で述べた通り、手ぶれ補正をオンにしましょう。旅行の記録などで風景などをメインでおさめるならば 4K30fps、手ぶれ補正=標準、0.6倍(超広角)での撮影が個人的にはオススメです。
スローモーションも面白く、HDであれば480フレーム/秒のスローモーションも撮影できます。(画角は HyperSteady オン時と同様に狭くなります)
ASUS「ROG Phone 7」に思うところ
実はスマートフォンのカメラ機能とここまで向き合ったのは初めてです。
一般的なカメラなら説明書をみればわかるはずの設定可能なサイズ、フレームレートの組み合わせなども細かな資料がなく全体像の把握に時間がかかりました。この記事の目的の一つは、カメラの基本仕様を明確にすることでした。
実写結果からも ASUS「ROG Phone 7」のカメラはもちろん十分使えるレベル であることが確認できました。
より大きなセンサーのカメラを搭載しているスマートフォンなど、カメラに重点をおいているモデルとはコスト構造も異なり直接並べて比較すれば見劣りする部分はあるのだとは思います。(ここは経験不足で知見のないところですが、お金がかかっていればそりゃそうでしょう)
細かなディテールにおいては画作りの思想、ノイズの抑え込み方など人によっては好みとは異なる場合もありそうです。(私は細かな部分での明暗差においてエッジ強調が強めかなぁと感じました。拡大しなければわからないのですが。)
動画については HD<FHD<4K<8Kの順に解像度は確実に高くなり、細かな部分が見えてきます。
「50MPの静止画で撮らずに、8K動画で撮影して後で静止画にすればいい!」という論理はあるのですが、静止画と動画では画像処理(画作り)が全く異なり、50MPの静止画では写っていた細かな線が8K動画では消失していたりすることもあります。静止画のために8K動画撮影する際は静止画として使えるかを事前に見極めることをおすすめします。
しかしながら、8K動画をバッテリーが切れるまで撮影できるポテンシャルには感動。
GPU性能の高いゲーミングPC=動画編集にも良好というようなイメージで、排熱性能と画像処理性能が高いゲーミングスマホ=動画撮影に良好!みたいな流れが出てくると面白いなぁと思いました。
残念ながらASUS「ROG Phone 7」には光学手ぶれ補正が内蔵されていないため、手ぶれ補正をオンにするとどうしても画角が狭くなってしまいます。4K60fpsや8K24fpsの撮影においては、0.6倍超広角カメラは使用できず、狭い画角の撮影となってしまいます。
これについては、ジンバルを使うことでASUS「ROG Phone 7」側の手ぶれ補正はオフにして使うとよいかもしれません。最近はコンパクトなジンバルが手ごろな価格で販売されていたりもします。(ASUSからもジンバルがリリースされています)
ASUS「ROG Phone 7」カメラ機能に対する要望
Gamingスマートフォンという側面と、購入しやすい価格を考えると今のカメラでも十分!と考えますが、ASUS「ROG Phone 7」のカメラ機能に対する個人的な要望を書いておきます。
- マクロカメラではなく、光学手ぶれ補正の搭載または望遠カメラを搭載して欲しい
- 動画撮影時、画面上の録画ボタン等UI側の網掛けを廃止して欲しい。
ファインダー像(撮影される内容)の一部がグレーになっていると被写体の動きを見逃したり、フレーミングのミスを誘発します。 - 長時間の動画撮影できるため、意図せず録り過ぎてしまう場合もありそう。
撮影時間の上限を設定できるようにして欲しい。 - 静止画撮影時の映像(ライブビュー、スルー画、電子ビューファインダー映像)を実際に撮影される画像の露出と合わせて欲しい。
ライブビューではハイライトが飛んでいたため「残念!」と思っていたが、実際に記録されている写真ではハイライトが残っているケースが多々あった。(撮影直後の画像再生の機能を入れてもらってもよい) - 外部メディアへの記録を可能(接続したUSBドライブなどに記録する)にして欲しい
折角の長時間記録できる筐体を活かしたい! - 電源接続時にバイパス充電できるようにして欲しい
ASUS「ROG Phone 7」を使ってみた感想
今回の記事ではカメラ関連を中心にまとめていますが、スマートフォンとして触ってみた ASUS「ROG Phone 7」の良さについても少しだけ紹介させていただきます!
当初は「ゲーミングスマートフォン?いやいや…(光ったりしてちょっと恥ずかしいし…)」と思っていました(スミマセン)。
しかし、実際に手に持ってみるとその剛性感や適度な質量から「これはイイモノだ…」と思うようになりました。
(ROG Phone 7 の重さは239g。ケース込 257gです。)
操作に伴う、フィードバック(ハプティクス 触覚フィードバック)の心地よさ、電源オフからの起動のカッコ良さも魅力的。
「Xbox Game Pass」アプリをインストールして Forza Horizon 5 をクラウドでプレイ。XBOXコントローラーを接続する必要がありますが、なかなか楽しめました!
(わが家のネット通信の問題でしょう、画面に乱れが発生するシーンもありましたが…)
USB端子が2つあるのもポイントが高く、一つはコントローラーを接続し、もう一方はACアダプターを接続するという使い方が可能!マジで痺れる!
▼【ご参考】 Xboxのコントローラー。なぜかAmazonではケーブル付きが安いです。
何よりも楽しかったのが Netflix でのドラマ視聴です。
大きめの画面サイズ、AMOLEDによる美しい画面、そしてステレオ感あふれるスピーカーサウンドによって普段使っているスマホ(iPhone 11 Pro)よりも段違いの没入感があり、ドラマ・映画を楽しめました!これはいい!!
また、顔認証と指紋認証のダブル認証はかなり便利です。
どうしても顔認証が通らない場合に指紋認証を使うイメージです。(マスクでは顔認証は通ります。目が隠れていると顔認証は通らない模様)
指紋認証時のアクション(表示)もカッコイイ!!
ASUS「ROG Phone 7」は通常使用のスマホとしての魅力も高く、良いマシンだと感じました!