価格が安くて高い速度スペックを持つ 1TB の microSDカード、JNH Promate microSDXCカード 1TB を購入したため、レビュー紹介します!
かなり期待して購入した1TBのmicroSDカードでしたが、実際に使ってみたところ、私の期待には応えられていない部分があり、全面的におすすめできるものではありませんでした。
注意点がありますので購入の際にはご確認ください。
▼ この記事でお伝えしたいこと。
JNH Promate microSDXCカード 1TB@Amazon
目次
JHN Promate 1TB microSDXCカード のスペック
メモリーカードの販売歴の長い JNH が販売する JHN Promate 1TB microSDXCカード のスペック・特徴についてチェックしていきましょう。
種別 | microSDXC |
容量 | 1TB |
型番 | MDP-001TPAG |
ユーザー領域 | 約953GB |
読取り速度 | 180MB/s |
書込み速度 | 160MB/s |
インターフェース | UHS-I |
スピードクラス | C10, U3, V30 |
Application Performance Class | A2 |
SDアダプタ | なし |
外形寸法 | 15.0mm(W)×11.0mm(H)×1.0mm(D) |
質量 | 約0.4g |
動作温度 | -25℃~85℃までの動作時の温度範囲に耐えられます。 |
防水性能 | JIS 防水保護等級7(IPX7)準拠(当社の試験結果に基づくものです。)(本体のみ) |
耐衝撃 | 最大5メートル(16.4フィート)の高さからの落下に耐えられます。 |
耐X線 | 空港のX線への耐性を備えています。 |
備考 | RoHS適合 |
特に速度面が特徴的です。
最大転送速度:
UHS-1 DDR200モード R:180MB/s W:160MB/s;
UHS-1 SDR104モード R:100MB/s W:90MB/s
* UHS-I DDR200モードの速度を最大限に活かすにはUHS-1 DDR200モードに対応しているカードリーダーが必要です。JNH製CR-UD201カードリーダーの使用を推奨します。
私の場合、先日 JNH製CR-UD201カードリーダー を購入し、かなり印象が良かったため、今回の microSDXCカードについてもかなり期待していました。
また、ビデオスピードクラス V30、アプリケーションパフォーマンスクラス A2 に対応しているため購入しました。
JNH Promate は、老舗の SanDisk Extreme と同等またはそれ以上のパフォーマンスを発揮するmicroSDXCカードなのです!
実際の JHN Promate 1TB microSDXCカード をチェック
今回届いた JHN Promate 1TB microSDXCカード をチェックしていきましょう。
▼ こちらがJHN Promate 1TB microSDXCカードのパッケージ。かなり気合の入った高級感のあるパッケージです。SDカードの形状に変換するためのアダプターは付属しませんのでご注意を。
▼ 裏面もしっかりとした記載内容になっています。あやしい日本語などは皆無。
▼ スペック部分を拡大しておきます。
最大転送速度としてUHS-1 DDR200モード の対応が明記されています。R:180MB/s W:160MB/s、UHS-1 SDR104モード時には R:100MB/s W:90MB/s になります。
JNHのカードリーダーを使用した場合には DDR200 になり、通常のカードリーダーを使用するとSDR104になるイメージです。
▼ JHN Promate 1TB microSDXCカード。A2やV30というクラス記載がしっかりなされています。
▼ カードの裏面。Made in Taiwanであることがわかります。
▼ 今回 UHS-1 DDR200モード の測定の際には、このJNHのカードリーダーを使用します。
▼ このカードリーダーを使って適切なUSBに接続すれば、SanDisk Extreme や Samsung EVO Plus、PRO Plus も高速でアクセス可能でした!しかも低価格なのでかなりオススメ!
JHN Promate 1TB microSDXCカードの容量
JHN Promate 1TB microSDXCカードの容量をWindowsで確認しました。容量としては931GB。
仕様の記載ではユーザー領域が約953GBでした。仕様での容量は1GBを1,073,741,824バイトとして計算されているため、バイトに換算すると1,023,275,958,272バイトです。
バイトで比較してもプロパティの値と仕様の値とで少し差があります。
(まぁ、ここはあまり気にしないことに・・・何か理屈があるのかしら)
ツールH2testwを使用し、カード全体へのライトおよびライト内容の確認を実施しました。
プロパティで表示された容量への書き込みは可能でした。
CrystalDiskMark の測定結果
JHN Promate 1TB microSDXCカードのアクセス速度を CrystalDiskMark にて測定しました。
測定結果は以下の通りです。
UHS-1 DDR200モード
UHS-1 DDR200モード 仕様では R:180MB/s W:160MB/s に対して、以下の数値でした。
測定には、JNH製CR-UD201カードリーダーを使用しています。
仕様に近い数値が出ていると考えます。
UHS-1 SDR104モード
UHS-1 SDR104モードでの測定結果。
デスクトップに組み込まれているフロントのカードリーダーにて測定しました。
仕様では R:100MB/s W:90MB/s なのに対して、以下の数値でした。仕様に近い数値が出ています!
GoPro HERO 11 Black、Nikon Z 30 で動画を記録してみた
今回購入して確認する中で、GoPro HERO 11 Black、Nikon Z 30 で動画記録が停止する現象が発生しました。(再現性あり)
GoPro HERO 11 Blackの場合
GoPro HERO 11 Black でJHN Promate 1TB microSDXCカードを使用した場合、5.3K 60fpsフルフレームで記録を開始すると、短い時間(例えば7秒)で記録が停止します。
特に電源を接続した状態で頻繁に発生します。
同じ条件で SanDisk Extreme 256GB microSDXCカード では 20分撮影できることを確認しました。
また、4K 30fpsでは観測している間、記録の停止はありませんでした。
さらに、同じ5.3K 60fpsフルフレームでも電源を外すと長く記録ができる傾向にありました。
因果関係はわかりません。(熱の影響などあるのかも)
このような現象が発生するとなると、GoProでの使用は避けた方がよさそうです。(期待していたのですが!)
Nikon Z 30 の場合
ニコン Z30 の4K解像度の記録でも同様に記録停止します。(バッテリー駆動)
概ね1分34秒程度で記録を停止します。
ニコンのWebサイトによるとこのメッセージの意味は以下の通りです。
動画記録を中断します。しばらくお待ちください。
動画の書き込み速度に対応していないメモリーカードが使用されています。
書き込み速度に対応したメモリーカードに交換するか、動画撮影メニュー[画像サイズ/フレームレート]の設定を変更してください。
考察
Nikon Z 30 の4K動画の最大ビットレート 144Mbps です。つまり 18Mバイト/秒です。
GoProも計算上、同様なビットレートです。
SDメモリーカードの V30 (ビデオスピードクラス30)は30MB/秒 の書き込みを安定して継続できるという意味です。
その為、GoProもZ30も V30 のSDカード、microSDカードであれば動画記録は本来中断しないはずなのです。
ここは推測なのですが、今回購入した JHN Promate 1TB microSDXCカード は V30 規格に対応しているのですが、何かの条件により 30MB/秒 の書き込みを継続できていない可能性が高いようです。
(二種類のカメラで試しているため、カード側に何かありそう。また、愛用の SanDisk Extreme ではこのような現象は発生していない)
PCでのファイル転送速度をチェック
少し気になったため、Windowsでカードへのファイルコピーを試しました。
35個の動画ファイル、合計26.5GBのファイルを JHN Promate 1TB microSDXCカード へコピーします。
カードリーダーはJNH製CR-UD201カードリーダーを使っています。
まず、初速は30MB/s程度、その後スピードが70MB/S、140MB/s以上まで上がります。しかし、時間経過後、73MB/秒程度に下がり、そのままコピーが完了します。
スピードが徐々に上がる点については、何かプロトコルがあるのかもしれませんが、後半でスピードが落ちるのは理解できません。(カードの熱などの影響なのかもしれません)
この数字が本来の実力だとすると、CrystalDiskMark の結果と乖離することになります。
ここで、CrystalDiskMarkの測定条件を 1GiB → 16GiBに変更してシーケンシャルリード・ライトを測定しました。
ファイルコピー時のライト速度に近くなりました。これが実力なのかもしれません。
SanDisk Extreme 256GB の場合
別のカードでも同様なのかを確認するため、SanDisk Extreme 256GB でも同じ条件で測定しました。
ファイルコピーでは、高速に継続して書き込みが出来ていました。
CrystalDiskMarkでも以下の通り、スペックに近い値が出ています。
ここまでの調査から、JHN Promate 1TB microSDXCカード は一時的にはスペック通りの数値が出ますが、継続的にスペックを満たすことはできないカードのように見受けられます。(カメラでの利用時、大きなファイルコピー時)
比較として、SanDisk Extreme 256GB でも確認を行いましたが、SanDisk Extreme 256GBではカメラでの使用もしっかりできますし、ファイルコピーも速度低下は見られませんでした。
安定した性能を期待するなら、SanDisk Extremeがオススメ、という結果です。
価格例としては、JNH Promate 1TB が 11,980円に対して、Amazonが販売しているSanDisk正規品の Extreme 1TB が 15,559円です。(価格は 2023年7月15日 2:26時点のもの)
3,500円増しになりますが、1テラバイトという大容量のデータを快適に安心して使うためには必要な出費なのかもしれません。
▼ 商品名では 130MB/sと記載されていますが、商品ページの写真には リード 190MB/s、ライト 130MB/sと記載されています。
(容量は違いますが、上での測定結果と同等です)
▼ 今回のカードには個人的に不満点がありましたが、JNHのカードリーダーは上記 SanDisk Extremeのカードも高速で読み出し、記録してくれます!おすすめです!