サムスン の microSDXCカードである「EVO Plus microSDカード 128GB」と「PRO Plus microSDカード 128GB(2023年モデル)」の2枚を購入しました。どちらのカードも デザイン・性能とも良好でおすすめできるmicroSDXCカードなのですが、非常に似通った商品名・デザインでもあり、購入時には何が違うのか気になるかと考えます。(私もこの2つのカードの違いを自分で確認するために2種類のカードを購入しました!)
この記事では 「EVO Plus microSDカード」、「PRO Plus microSDカード」の2枚のサムスン製microSDXCカードの違い、アクセス速度の実測結果、Nintendo Switch での使用結果、使用上の注意点、購入時の注意点について紹介します!
本内容が、皆様の microSDカード購入の参考になりましたら幸甚です。
-今回紹介する商品はこちら!-
▼ EVO Plus(PRO Plus よりやや低速だが価格が安い。容量によりライトスピードが異なるので注意(後述)。品番 MB-MC128KA/EC)
▼ PRO Plus(リード・ライトともに高速!品番 MB-MD128SA-IT/EC)
速度スペックなどからそれぞれのカードの違いについて明確にしたうえで、GoPro Hero11 Black、GoPro HERO12 Black での利用、Nintendo Switch での動作確認(使えるのかどうか)について紹介していきます。
目次
スペック確認
サムスン「EVO Plus microSDカード」、「PRO Plus microSDカード」どちらも2021年10月にリニューアルされ発売された商品です。PRO Plusについては2023年モデルが存在し、この記事での記載は 2023年モデルです。
EVO Plus(2021年モデル) | PRO Plus(2023年モデル) | |
容量 | 64GB/128GB/256GB/512GB | 128GB/256GB/512GB |
規格 | microSDXC™ | |
UHSバススピードモード | UHS-I SDR104 / UHS-I DDR200 | |
スピードクラス | Class 10、U3、V30 64GBのみClass 10、U1、V10 | Class 10、U3、V30 |
アプリケーションパフォーマンスクラス | A2 64GBのみA1 | A2 |
外形寸法 | 約 15 × 11 × 1 (mm) | |
本体質量 | 約 0.25 g (カード本体のみ) | |
転送速度 | 最大 130MB/s | 読み出し 最大 180MB/s 書き込み 最大 130MB/s |
使用環境温度範囲 | 動作時:-25℃~85℃ 非動作時:-40℃~85℃ | |
耐性保護機能 | 防水、耐熱、耐X線、耐磁、耐落下、耐摩耗 | |
各種取得規格・法規制 | FCC、CE、VCCI、RCM、RoHS指令準拠 (10物質)(*5) | |
保証 | 10年限定保証(*6) | |
サポート | サムスンメモリーカードサポートセンターによる電話、メールでのテクニカルサポート | |
添付品 | SDカードアダプタ |
「EVO Plus microSDカード」については、64GBもラインナップされますがスピードクラスやアプリケーションパフォーマンスクラスが劣る商品であるため購入する際は注意しましょう。
EVO Plus、PRO Plus の差異は、カードのカラーリングと転送速度です。PRO Plusの転送速度の方が高速です。
耐久性は EVO PlusでもPRO Plusでも変わりません。監視カメラ、ドライブレコーダー、ボディカムなど常時録画により耐久性が必要な用途には、Samsung microSD PRO Endurance をチョイスしましょう。(転送速度は速くはないです)
PRO Plus 2021年モデルと2023年モデルの違いは何?
サムスン 「PRO Plus microSDカード 128GB」の Amazon.co.jp の商品ページには、2023年モデルと2021年モデルの両方が掲載されおり、2021年モデルの価格の方が若干安く設定されています。(旧モデル残留在庫の都合? 256GB、512GBについては 2023年モデルのみ)
PRO Plus microSDカードにおける2021年モデルと2023年モデルとの差異は、リード・ライト速度です。
2021年モデル リード速度 160MB/s、ライト速度 120MB/s
↓
2023年モデル リード速度 180MB/s、ライト速度 130MB/s
2023年モデルでは速度が向上しているのです。
型番は 2023年モデル MB-MD128KA、2023年モデル MB-MD128SA のように変更されています。
多少の価格差があっても、せっかくの PRO Plus であれば 2023年モデルを購入したいところです!
また、2021年モデルであることを明記せずに販売しているケースもあります。注意して購入しましょう!(購入時には型番をチェック)
実機確認(外観)
今回購入した「EVO Plus microSDカード 128GB」と「PRO Plus microSDカード 128GB」の実物をチェックしていきましょう!
「EVO Plus microSDカード 128GB」と「PRO Plus microSDカード 128GB」のパッケージです。容量が大きく書いてありわかりやすいです。右側の PRO Plus にはリードとライト速度がそれぞれ記載されていますが、EVO Plus には転送速度 130MB とざっくりした表記になっています。
サムスンは、PCに内蔵する SSD でも有名で私の自作PC用にも購入しました。フラッシュメモリー関連で気に入っているメーカーの一つです。
こちらがパッケージの裏側です。
パッケージの裏にはこちらのシールが貼られており、国内正規代理店のITGマーケティングが販売している商品であることがわかります。
10年保証なのもうれしいですが、問い合わせ先として電話番号も書かれており、この点において誠実さを感じます。
それぞれmicroSDカードと変換アダプターがセットで入っていました。アダプターは同じモノです。
個人的には、なとんなくホワイトの EVO Plus の方が高級感があるようにも見えてしまうのですが…
EVO Plus (EVO+)というシリーズは以前より存在しています。以前は下の写真のようなデザインでした。かなり垢抜けましたね。
▼ カードの裏側。端子部分が汚れてしまっていたり、光の反射がよくなくて黒く写っています。
SDカードサイズに変換するアダプターは重要で、もちろんスロットのサイズをマッチさせるためにも使用しますが、私の場合には機器から取り外した microSDカードを保管する際に挿入しています。(薄くて小さな microSDカードがある程度の大きさになるため、見失いにくくなります)
アクセス速度測定結果
私が使用している自作デスクトップPCにて、カードのアクセススピードを測定しました。PCの詳細については、こちらを参照方。
使用PC:自作デスクトップ
使用カードリーダー:JNH JNH SDカードリーダー CR-UD201 DDR200モードに対応したリーズナブルなカードリーダー
カードリーダー接続端子:USB 3.2 Gen 2 10Gbps (USB Type-C 端子を使用)
EVO Plus microSDカード 128GB MB-MC128KA
サムスン「EVO Plus microSDカード 128GB」(MB-MC128KA) のアクセス速度測定結果は以下の通りです。
シーケンシャルリードについては、転送速度 最大130MB を超えました。
ライト速度については、66MB/s程度の実績です。
PRO Plus microSDカード 128GB MB-MD128SA-IT
サムスン「PRO Plus microSDカード 128GB」(MB-MD128SA-IT)のアクセス速度測定結果は以下の通りです。
シーケンスリードについては、仕様 180MB/sに対して、実測 170MB/s と未達でした。シーケンスライトについては 仕様 130MB/s を超える数値となりました。
リード速度が仕様未達のため、別のカードリーダー(ProGrade Digital PG05.5)でもトライしました結果が下の図です。
安価なリーダーライターでは十分に サムスンPRO Plusの性能が引き出せていなかったようです。
サムスンの microSDカード、結構良好です!
Nintendo Switch で使えるか?おすすめは?
私が所有している Nintendo Switch は、有機ELモデルではないため 本体保存メモリー の容量が 32GB。32GBにはシステム容量も含むため、実際に使用できるストレージ容量はかなり少ないです。例えば『フォートナイト バトルロイヤル』(18.4GB)や『エーペックスレジェンズ』(24.3GB)をダウンロードしようとすると、ギリギリ入るかダウンロードできないような容量です。
そのため、Nintendo Switch でダウンロードして遊ぶ場合には、microSDカードの購入が必要になってきます。
(ソフトの必要容量と本体保存メモリーの空き容量によっては microSDカードを購入せずに遊べます)
今回購入した「EVO Plus microSDカード 128GB」と「PRO Plus microSDカード 128GB」が Nintendo Switch で使えるか、アプリの移動時間の違いについて確認しました!
Nintendo Switch に必要なカードスペックは?
Nintendo Switch で使えるカードの仕様・性能については公式ページにてわかりやすく説明されています。
使用できるカード:microSDHCメモリーカード(容量:4GB~32GB)、microSDXCメモリーカード(容量:64GB~2TB)
公式にて 読み込み速度(転送速度)が高速なmicroSDカードをおすすめしており、UHS-I(Ultra High Speed Phase I)対応で読み込み速度 60~95MB/秒 とされています。
紹介している「EVO Plus microSDカード」、「PRO Plus microSDカード」ともに条件を
SDカードには高速なアクセスが可能な UHS-II(Ultra High Speed Phase II)規格もあるのですが、Nintendo Switch はUHS-II規格に非対応です。(互換性はあるためUHS-II カードも使用可能)
今回紹介している microSDカードは UHS-I 規格なので OK。ただし、Nintendo Switch はインターフェースとして UHS-I SDR104 のようで最大の読み込み速度が 95MB/秒 になるため、130MB/s や 180MB/s というカードが持つフルの性能は発揮されません。
公式サイトにて明記されていないため推測になりますが、ライト速度についても上限は 95MB/秒が最大となるはずです。
今回紹介している「EVO Plus microSDカード」はなんと 任天堂の公式販売サイト(マイニンテンドーストア)でも販売されています!
( ただし、書き込み速度が遅いためでしょうか、EVO Plus 64GB はマイニンテンドーストアで販売されていません)
任天堂が Nintendo Switch で安心して使える microSDカード だと言っていると受け取れます。(推奨品のような存在でしょうか)
ただし、最後の購入先の紹介で説明しますが、価格は無茶苦茶高いです。(Amazon.co.jpの1.6倍の価格。安心料ですね)
Nintendo Switch のデータを移動する時間は違うか?
『フォートナイト バトルロイヤル』のゲーム容量は 18.4GB。このデータを、2種類のサムスンの microSDカードで移動をおこない時間を測定しました。
移動には、➀ Nintendo Switch 本体からSDカードへの移動、② SDカードからNintendo Switch 本体への移動の2種類があるため、それぞれを試しました。
* Nintendo Switch を使用して測定
カード種類 | ➀ 本体→カード | ② カード→本体 |
EVO Plus 128GB | 9分14秒 | 10分02秒 |
PRO Plus 128GB | 7分54秒 | 10分00秒 |
結果としては ➀ 本体→カード への移動において、カードのライト速度の性能差が出ました。しかし ② カードから本体への移動の場合には、わずかな差でした。(リード速度が速くなっても本体側の書き込み速度がボトルネックになっている可能性が高いです)
➀ 本体→カード への移動 で差がでるのは「EVO Plus microSDカード 128GB」の書き込み速度が66MB/s程度であり、Nintendo Switch の性能限界に達していないことが原因です。
「EVO Plus」は容量によって書き込み速度が異なります。EVO Plus を Nintendo Switch 用に購入するのであれば 256GB品の購入がおすすめです。
Nintendo Switch 用の microSDカード選びなら価格がこなれており、容量が大きく、書き込み速度が速い 「EVO Plus microSDカード 256GB」がおすすめです!
まとめ(どちらが良いか、組み合わせ注意)
サムスンの「EVO Plus microSDカード 」と「PRO Plus microSDカード」について紹介してきました。
ここでは用途別にオススメのカードと注意点を紹介します。
カメラ用に使うなら性能の高い PRO Plus が安心
ミラーレスカメラなどで使用する場合、4K 30fps程度の動画記録であれば、ビデオスピードクラス v30 に対応している SDカードで十分な場合が多いです。(説明書に記載のメモリーカードに要求されている内容をチェックしましょう)
静止画のRAWでの連写なども考えると、高性能な PRO Plus の方が長く連写できる可能性が高いです。
EVO Plus は容量の違いによる性能差に注意
書き込み速度が気にならない場合には問題ありませんが、書き込み速度が気になる場合には、EVO Plus は容量によって書き込み速度が異なるようですので要注意です。(本記事では 128GB の速度を掲載しています)
「EVO Plus microSDカード」はニンテンドーストアでも販売されていますが、速度の問題のためか 64GB品はラインナップされていません。(2023/10/11時点)
EVO Plus の 64GB品は 候補から除外して考えた方がよいでしょう。
【ご参考】サムスン 「EVO Plus microSDカード 」と「PRO Plus microSDカード」のライト速度一覧
64GB | 128GB | 256GB | 512GB | ||
EVO Plus | 34MB/s程度*1(v10) | 66MB/s程度(v30) | 110MB/s程度*1(v30) | 不明(v30) | 数値は実測、*1 64GB、256GBは他サイト参考値 |
PRO Plus | - | 最大130MB/s(v30) | 最大130MB/s(v30) | 最大130MB/s(v30) | 仕様上の数値 |
ライトスピード気にするような用途(連写、録画、頻繁・大量なデータコピーなど)であれば「PRO Plus microSDカード」を購入した方が安心です。
PRO Plus なら撮影後のデータコピーも高速です。
使い方注意:接続するUSB端子、カードリーダーによってアクセス速度が変わり、性能が出ない。(PCの場合)
せっかくアクセス速度が高速であるサムスン「EVO Plus microSDカード」、「PRO Plus microSDカード」を購入しても、PCで使用する場合に、適切な環境が整っていないとカードが持っている性能が出ません。(リード・ライト速度が仕様通りに出ない)
UHS-I(DDR200) に対応したカードリーダーを用意する
EVO Plus で 130MB、PRO Plus で 180MB/s の速度です。この速度は カードのインターフェースとして UHS-I DDR200 を使用して実現されています。
まず 使用するカードリーダーが UHS-I DDR200 に対応している必要があります。
例えば UHS-I DDR200 に対応していない一般的なカードリーダーライターの場合には、下図のアクセス速度になります。
上記の通り、DDR200に対応したカードリーダーを使用した場合にはスペックに近いピードが出ていましたが、シーケンシャルリード・ライトともに 100MB/s 以下の速度になってしまいます。
私が実際に 今回紹介しているmicroSDカードが UHS-I DDR200 で動作することを確認したカードリーダーは以下の2商品です。
➀ ProGrade Digital (プログレードデジタル) CFexpress Type B/SD のダブルスロットカードリーダー (PG05.5)。
本体底にマグネットが装着されており、デスクトップPCやノートPCの天板などに固定できるため非常に便利です。
microSDカード使用時にはアダプターを装着して使います。(SandiskのmicroSDカードも高速でアクセスできました)
② JNH JNH SDカードリーダー CR-UD201
価格が安いにも関わらず、UHS-I DDR200 に対応。USB Type-C、USB Type A の両方に対応し非常に便利。
かなりオススメです!(SandiskのmicroSDカードも高速でアクセスできました)
速度の出るUSB端子に接続する。
カードリーダー側で十分速度が出たとしても、接続するUSB端子の規格が低速な場合にはカードの性能が出ません。
例えば 180MB/s は 1秒あたりに180メガバイトを転送できることになります。これをビットに直すと 180×8bit で 1,440 Mbit/s(メガビット/秒 Mbps)です。
この1,440Mbit/sを転送できるインターフェース・リーダーライターを使う必要があります。
1,440Mbit/sはざっくり1.5Gbpsです。この速度をカバーできるUSB端子に接続する必要があります。
以下の 5Gbps 以上のスピードが出る規格に対応したUSBインターフェースならOKです。(10Gbps以上が安心)
スピード | 規格名称 |
5Gbps | USB 3.0 or 3.1 Gen 1 or 3.2 Gen 1 |
10Gbps | USB 3.1 Gen 2 or 3.2 Gen 2 |
20Gbps | USB 3.2 Gen 2 × 2 |
20Gbps | USB4 Gen 2 × 2 |
40Gbps | USB4 Gen 3 × 2 |
昨今のPCであれば全く問題なくスピードが出ると考えます。
(ちなみに USB 2.0 の場合には 480Mbps であるため、速度が足りず、使えますが転送は遅くなります)
基本的にUSB Type-C 端子なら大丈夫でしょう。(気になる場合にはお手持ちのPCの説明書等でスペックを確認してください)
サムスンのmicroSDカードはどこで購入するか?おすすめの購入方法は?
サムスン 「EVO Plus microSDカード」、「PRO Plus microSDカード」をどこで購入すれば良いのかを紹介します。
偽物の可能性やトラブル発生時の心配があるため、並行輸入品ではなく正規代理店の商品を購入しましょう。(日本の正規代理店であるITGマーケティングが取り扱っている商品を購入)そのためには、大手の量販店・ECサイトで購入するのが手軽で確実です。
大手の量販店の場合、ポイントを考慮しても価格が Amazon.co.jp よりも高いケースが多いです。個人的には、使い慣れているという面もありますが Amazon.co.jp 一択で考えています。
【量販店 vs Amazon.co.jp 販売価格比較】2023/10/11時点の調査結果です。
サムスン EVO Plus microSDカード の価格イメージ
EVO Plus | ニンテンドーストア | ビックカメラ | Amazon.co.jp |
64GB | - | ¥1,480 | ¥980 |
128GB | ¥2,500 | ¥2,380 | ¥1,580 |
256GB | ¥5,000 | ¥3,980 | ¥2,878 |
512GB | ¥10,000 | ¥8,980 | ¥5,980 |
サムスン PRO Plus microSDカード についてはビックカメラ等メジャー量販店のWebショップでは見当たらず、ジョーシンでは販売されていたため、ジョーシンの価格を掲載します。
サムスン PRO Plus microSDカード の価格イメージ
PRO Plus | ジョーシン | Amazon.co.jp |
128GB | ¥2,480(+ポイント1%) | ¥2,480(+ポイント1%) |
256GB | ¥4,480(+ポイント1%) | ¥4,480(+ポイント1%) |
512GB | ¥8,480(+ポイント1%) | ¥8,480(+ポイント1%) |
ジョーシンは Amazon.co.jp と同等の価格でした。
アマゾンで購入するなら、必ず「販売元 Amazon.co.jp」と表示されている商品を購入しましょう!
販売元 Amazon.co.jp以外の並行輸入の場合、PRO Plus の新モデルか旧モデルかを明確に記載していない可能性もあります。