ソースネクスト株式会社から発売されている「復活!ネガフィルム 2」をレビュー紹介します!
「復活!ネガフィルム 2」は、ネガフィルムのデジタル化において、スキャナーや特別な装置不要でスマホとPC、そして「復活!ネガフィルム 2」があればOKというコンセプト。
スマホで撮影するというライトな使い方だけではなく、ファイル読み込みにも対応しているためデジタル一眼カメラなどで撮影したネガフィルム画像からポジ画像を生成することも可能。しかもその結果はかなり良好でした。
スマホ2機種およびミラーレス一眼で撮影したネガフィルム画像を試しました。その結果「復活!ネガフィルム 2」は、入力するネガフィルム画像の品質が良ければ良いほど期待に応えた結果を出してくれるソフトウェアであることもわかりました。
自身でも Adobe Photoshop やニコンの NX Studio を使用して階調反転処理を施したのですが、自分で処理をするよりも「復活!ネガフィルム 2」の処理の方がバランスが取れており好ましい結果が出ました。
(自身での処理に対する習熟度・研究が低い状態。それでもこのソフトを使えば良い結果が出せる)
「復活!ネガフィルム 2」は、ネガフィルムの画像を可視化する(ネガポジ反転する)用途として簡単で効果的なアプリケーションでした!
本レビュー記事執筆にあたり、こちらよりご協力の相談させていただきソースネクスト株式会社より製品の提供を受けました。
▼ 今回紹介する商品はこちら!
【用語について】
"現像":「復活!ネガフィルム 2」では撮影したネガフィルムの画像をポジのデジタルデータに変換することを"現像"と呼んでいます。この記事でも「復活!ネガフィルム 2」によるネガポジ反転処理を"現像"と表現します。
フィルムスキャン:記事内ではスキャナーによるフィルムスキャン以外にも、フィルムのデジタルデータ化全般(例:デジタルカメラでネガフィルムを撮影する)も含めてフィルムスキャンと呼んでいる場合があります。
目次
「復活!ネガフィルム 2」の特徴と製品仕様
「復活!ネガフィルム 2」の特徴
まずは今回紹介する「復活!ネガフィルム 2」の特徴について簡単に説明します。
「復活!ネガフィルム 2」は、ネガフィルムをポジ画像のデジタルデータとして編集、保存できるソフトです。パソコンとスマホのカメラで、手軽にデータ化や補正、編集までできます。
- QRコードで、簡単に写真を取り込める
パソコンとスマホが同一LAN/Wi-Fi環境に接続されている状態なら、本製品の画面上に表示されるQRコードから、スマホで撮影したネガ写真の画像をパソコンへ取り込めます。スマホに専用のアプリをインストールする必要もありません。 - AIが写真の範囲を自動選択
撮影したネガフィルムの画像の取り込みが終わったら、AIが写真の範囲を自動選択します。撮影した画像の必要な部分が水色の線で選択されていることを確認し、「現像」ボタンをクリックすれば完成です。
もしずれていた場合は範囲をおおまかにドラッグして再度AIで自動選択するか、四隅をドラッグして手動で調整できます。 - 「撮影のコツ」をわかりやすくガイド
撮影時の失敗を防ぐフィルム撮影方法を画像付きのガイドにまとめました。 - モノクロフィルムにも対応
モノクロのネガフィルムの現像にも対応しました。 - 明るさなどを簡単調整
「+」または「-」のボタンをクリックするだけで、明るさ、コントラスト、濃淡が調整できます。モノクロフィルムの場合は「焼き付けの濃淡」と「色味の選択」を調整できます。現像して終わりではなく、より良い仕上がりになるまで何度でも繰り返し調整できます。
「復活!ネガフィルム 2」の製品仕様
製品概要・製品仕様については以下の通りです。
「復活!ネガフィルム 2」の製品概要
- 製品名:復活!ネガフィルム 2
- 価格:3,960円(税込)
- 製品内容:ネガフィルム画像化ソフト
- 開発:株式会社ファンファーレ
- メーカー:ソースネクスト株式会社
- サポート:ソースネクスト株式会社
- 製品情報:https://www.sourcenext.com/product/0000014595/
「復活!ネガフィルム 2」の製品概要
- 製品名称:復活!ネガフィルム 2
- 対応OS:Windows 11/10 (64ビット)
- インストールに必要なハードディスク空き容量: 約200MB
- 入力: JPEG、PNG、BMP、PDF
- 出力: JPEG、PNG、BMP、PDF
- 1ライセンスあたり3台のパソコンにインストールが可能
使用するには Windows PCが必要な点にご注意ください。
また、3台のPCにインストールして使用できるのも魅力です!
フィルムスキャンの手段と「復活!ネガフィルム 2」の利用がオススメな用途
ここでは フィルムスキャンの手段について再整理した上で、「復活!ネガフィルム 2」の利用がおすすめとなる用途について紹介します。
フィルムスキャンの手段
フィルムスキャンの目的・要求レベルによる取るべき手段は以下の通りです。
最近撮影したフィルムの場合には、現像と同時にデジタルデータ化(「スマホ転送」や「CDにデータ化」)されているケースが多いでしょう。
しかし、昔現像したフィルムの場合には、フィルム現像時に同時プリントをするのみでデジタルデータ化を行っていない場合が多いと思います。
昔のネガフィルムを今、デジタル化するにはフィルムをショップに持ち込みスキャンしてもらうなど以下の手段が考えられます。
- 大量に、手間をかけずにデータ化したい・・・スキャンサービスを利用
大量に、簡単にデータ化したいという目的であれば、コストはかかりますが富士フイルムやカメラ店であるキタムラなどのフィルムスキャンサービスを利用することがおすすめです。
画素数は200~300万画素と少ないものの、安定した品質のデジタルデータを入手できます。付着しているホコリを飛ばすなどの作業はしてくれないようです。 - 簡単にあまり費用をかけずに楽しみたい・・・「復活!ネガフィルム 2」
何が写っているのか不明なネガフィルムをパッとポジ画像(普通に鑑賞できるカラーの画像)にして確認したいという場合や、すぐにSNSでシェアしたいという場合には、今回紹介する「復活!ネガフィルム 2」がマッチします。
枚数が多い場合には、少しお金を出して 2~3万円の画面付きスキャナを購入した方が効率も良いかもしれません。 - 納得のいく画質でデータ化したい・・・自身でスキャンする
大切な思い出の写真や写真作品を高解像度でデータ化したい場合、機材を用意した上で、自身でホコリなども取ながら丁寧に撮影、スキャンしていく方法がおすすめです。機材としては高価格なスキャナーやデジタルカメラを使用します。
カメラでの撮影ではJPEGとなり現状ほとんどの場合は8bitのデータとなります。よりビット深度の深いRAW画像を同時に残しておけば将来的により高度な処理によって、さらに美しい結果を得られる可能性もあります。(データを冬眠させておくにはRAWがおすすめ)
スキャナーの場合にはポジ画像が出力されますが、デジタルカメラで撮影した場合にはネガはネガのままであるため、ポジ画像に変換する必要があります。ネガポジ変換するには Adobe Photoshop などを利用して自身で処理をかけるか、「復活!ネガフィルム 2」などのアプリケーションを使用する方法があります。
以上が ネガフィルムをスキャンしてデジタルデータ化する方法の例です。
もし、欲しいのがデジタルデータではなく紙の写真(プリント)である場合には、スキャンは不要でDPE店(写真店)に持ち込み、写真プリントしてもらえばOKです。
自身でデータ化してプリントするよりも、簡単にキレイな結果が得られます。
「復活!ネガフィルム 2」がオススメな方
「復活!ネガフィルム 2」には様々な目的・用途があると考えますが、特に次のような方におすすめだと考えます。
➀ スマホとPCで簡単にネガフィルムを通常の画像にしたい方
「復活!ネガフィルム 2」は、スマホとPCで簡単にネガフィルムを通常の画像にしたい方におすすめです。
例えば、家の中や親族の遺品からネガフィルムが出てきた。何が写っているのかをすぐに確認したい。
「カメラ店などでプリント・スキャンしてもらうほどでもないかなぁ」という画像を簡単に見えるようにしたい。
という用途には、スマホで撮影して簡単に処理できる「復活!ネガフィルム 2」がおすすめです。
簡易的に撮影しても(例えば斜めに撮影しても)しっかり自動で処理してくれるのが「復活!ネガフィルム 2」のよいところです。適当に撮ってもうまく処理してくれる部分は専用ソフトならではの魅力です。
実際に試したところ、スマホでフィルムを撮影したネガ画像の場合には撮影した画像が十分キレイとは言い難く、「復活!ネガフィルム 2」による変換結果も「それなり」になる印象です。
「プリント写真のレベルのデジタル画像が得られる(かも)」というような過度な期待を持ってスマホで撮影してしまうと少しがっかりしてしまうでしょう。(私がそうでした)
この点については、注意していただきたいです。(後程実際の利用例を紹介しますので、そこで見極めをしてください)
② 撮影機材(一眼カメラなど)はあるが、自身でのネガポジ変換が面倒、またはうまく結果が出せていない方
スマホよりもしっかりとした撮影環境がある場合にも「復活!ネガフィルム 2」が能力を発揮し、期待に応えてくれます。
- 劣化していくフィルムを画像データとして保存したい。
- 自分で高解像度のデジタル画像でネガデータを残しつつ、ネガポジ変換していつでも見えるようにしておきたい。
という場合には、撮影機材を用意して自身で撮影するのがおすすめ。
▼ 撮影機材の例
しかし、カメラでの撮影の場合にはネガポジ反転の処理("現像")が必要になります。
Adobe Photoshop などで[階調の反転]を使うことで処理ができますが、色が思ったように出ないケースが多いです。(私の場合はそうでした)
撮影したネガフィルム画像を「復活!ネガフィルム 2」に読み込ませた場合、私が Photoshop でおこなう処理よりもはるかに望ましい結果を出力してくれました!
→ こだわりの撮影機材で撮影したネガフィルム画像の"現像"には「復活!ネガフィルム 2」の利用がおすすめです。
まずは「復活!ネガフィルム 2」の"現像"処理の素性の良さを確認
まずは、「復活!ネガフィルム 2」の"現像"処理ってどうなの?という点について紹介します。
使用するネガフィルムは、20年以上前に撮影されたモノです。撮影機材は CONTAX G1 または G2 に プラナー 45mm だったでしょうか(大昔の話のため推測です CONTAX Tvs かも)。
撮影場所は 神奈川県 の京急百貨店。スターバックスの前でデパートのベビーカーに乗って眠っている子ども。
フィルムは ISO400。拡大すると粒状性がやや目につきます。
以下の内容を比較します。
- 富士フイルムでの現像・同時プリント時に作成してもらったスキャンデータ(20年以上前のデータ)
- 最近ミラーレスカメラで撮影したネガ画像をPhotoshopで自己"現像"処理したデータ(画面)
- 最近ミラーレスカメラで撮影したネガ画像を「復活!ネガフィルム 2」で"現像"したデータ(画像)
ここでは 色合い・色味 に注目しましょう。
富士フィルムでのフィルムスキャンの色合い
富士フィルムでのフィルムスキャン結果です。色の出方が記憶に近く、実に自然。
撮影したネガ画像をPhotoshopで自己"現像"処理
Nikon Z6 + ES-2 で撮影したネガ画像を Adobe Photoshopで階調反転させた状態。色合いが良くない。
処理としては、フィルムベース分の減算、トーンカーブによる階調の反転を行っています。([階調の反転]を使っても結果は同じ)
まだまだ勉強不足なのかもしれません。(フィルムベースの色がうまく取れていない印象はあります)
撮影したネガ画像を「復活!ネガフィルム 2」で"現像"
Nikon Z6 + ES-2で撮影したネガを「復活!ネガフィルム 2」で"現像"した結果です。
富士フイルムのスキャン結果と比較すると、当然色合いが異なりますが、これはこれで自然だと感じる色に仕上がっています。
どうしても気になる場合にはこの画像をペースに、Photoshopなどでカラーバランスを調整することでフジの色に近づけることもできます。
フジは撮影時にスキャン。こちらは22年が経過したネガフィルムを撮影しています。経年劣化の可能性もあります。
後述しますが、「復活!ネガフィルム 2」の色彩調整で[元の色温度]という項目をライトの色温度に合わせるだけでかなり色味が改善します!
これだけ簡単に自然な色合いにできるならば「復活!ネガフィルム 2」を使わない手はありません。
「復活!ネガフィルム 2」の使い方
「復活!ネガフィルム 2」の基本的な流れ
「復活!ネガフィルム 2」の基本的な流れは以下の通りです。
- スマホでネガフィルムを撮影
- PCに表示されるQRコードをスマホで読み取り
- 写真を選択し、「送る」をタップしてPCの「復活!ネガフィルム 2」へ送信
- 「復活!ネガフィルム 2」で[現像](ポジ画像化)してファイル保存
以上のステップにより「復活!ネガフィルム 2」を使えば、装置を追加購入することなく持っているスマートフォンとPCで、簡単にネガフィルムを可視化した画像データに変換ができるのです。
ネガフィルムの撮影
ネガフィルムの撮影方法については、「復活!ネガフィルム 2」の画面に表示される「撮影のコツ」というガイドを確認し、実行すればOKです。
「撮影のコツ」では以下の内容が図入りで説明されています。
- 画面はできるだけ明るくし、部屋はできるだけ暗くしましょう。
- フラッシュは使用しません。
- 厚紙等でフィルムを固定すると撮影しやすくなります。フィルムホルダーを制作し、使用すると便利です。
- 背景を均質な白色にするために、フィルムを画面から20cm以上離しましょう。
- フィルムホルダーは以下のように作ります。
ハガキの中央を四角く切り取る。二つ折りにし、フィルムを挟む(推奨サイズが掲載されています) - また、カメラをフィルムから10cm以上離すとピントが合いやすくなります。
- フィルムの幅が画面短辺の半分以下に収まる大きさが、ピントの合う目安です。
まずはフィルムホルダーの作成
はがきや厚紙でフィルムホルダーを作成すると撮影がしやすくなります。
フィルムホルダー作成のメリットは、撮影中にフィルムを直接触らない(汚れ、傷防止)、カーブしているフィルムをサポートしてくれる点にあります。(完全に平面になるわけではないのですが)
「撮影のコツ」に書かれている寸法を参考にカッターで紙を切り取り、二つ折りにすれば出来上がりです!
ネガフィルムを撮影する
フィルムホルダー挟んだフィルムの後ろから白い光を当てて撮影します。
「復活!ネガフィルム 2」を起動し、スタート画面にて[撮影用背景]を選択するとパソコンのモニター上に白が表示されます。
モニターの輝度を最大にして、ライト替わりにします。
また、フィルム面への反射を防止するために室内の明かりを消しましょう。
なるべく真っすぐに、ピントが合う最短距離で撮影します。
PCに送信して処理する
次に撮影した画像をPCに取り込み、「復活!ネガフィルム 2」にて"現像"する作業に入ります。
パソコンとスマホが同一LAN/Wi-Fi環境に接続されている状態であれば、画面上に表示されるQRコードから、スマホで撮影したネガ写真の画像をパソコンへ取り込めます。スマホに専用のアプリをインストールする必要もなく簡単です。
スマホでQRコードを読み取るとWebブラウザで専用ページが開きます。
[何を送りますか]から"現像"したい画像を選びます。
▼ 画像を選択したら[送る]をタップします。
しばらくすると、PC側に画像が転送され「復活!ネガフィルム 2」上で画像が開きます。
コマの周囲を自動認識され、自動でトリミング枠が表示されます。
(選択範囲は調整も可能です)
この自動で領域選択される処理がすばらしい!と感じました。
「復活!ネガフィルム 2」を開発している株式会社ファンファーレでは、画像の歪みを簡単に補正できるソフト「ピタリ四角」シリーズも開発しています。領域の抽出・補正は得意分野の一つなのでしょう!
あとは[現像]ボタンを押すだけです!
ネガ画像が見事にポジ画像に反転されました!
問題がなければ[保存]を押してJPEG画像としてファイル保存すればOKです!
簡単にスマホでネガフィルムを撮影して"現像"ができました!
「復活!ネガフィルム 2」の"現像"実例比較
ここでは、スマートフォン2機種での撮影・"現像"結果と 一眼カメラでの撮影・"現像"結果を比較紹介します。
比較するのは以下の機材・撮影内容です。
- iPhone 15 Pro
- Pixel 8 Pro
- ミラーレスカメラで撮影(Nikon Z6 + ES-2)
ここでは、機材・画素数による仕上がりの差について注目しましょう。
それぞれの画像については、クリック(タップ)することで元画像(フルサイズ画像)を鑑賞できます。詳しく比較したいかたは参考になさってください。
なお、画像は微調整などはせず「復活!ネガフィルム 2」の撮って出しの状態でそのままのファイルを掲載しています。
オリジナルのネガフィルムは ISO 400 です。
撮影時にはスマホ側を三脚に固定し、フィルムホルダーは手持ちの状態です。ライトにはビデオ撮影用のライトを使っています。
iPhone 15 Pro
こちらが iPhone 15 Pro でネガフィルムを撮影し、「復活!ネガフィルム 2」で"現像"した結果です。
想像していた以上にノイズ感が高く個人的には「雰囲気をつかむには十分だけど…」という印象でした。
Pixel 8 Pro
Googleのスマートフォンである Pixel 8 Pro でも撮影しました。意外なことに iPhone 15 Pro よりもPixel 8 Pro の方がノイズ感が少なく良好な結果がでました!
Pixel 8 Pro では12MPと50MPの撮影を行いました。
▼ Pixel 8 Pro、画像サイズ 12MP での撮影
▼ Pixel 8 Pro、画像サイズ 50MPでの撮影
Pixel 8 Pro において画像サイズ(解像度)による違いは如実にあり、50MPでの撮影の方が良好な結果を得られます。
ミラーレスカメラで撮影(Nikon Z6 + ES-2)
最後に紹介する例はミラーレスカメラで撮影したネガ画像を「復活!ネガフィルム 2」で"現像"した例です。
撮影機材は、Nikon Z 6 + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 + ES-2 です。
他のスマホ画像と並べてみるとこの写真だけ大きく色合いが異なります。
これは、機材の都合で撮影時にフィルムベース(フィルムの何も写っていない部分)が写っていないため、「復活!ネガフィルム 2」による自動処理時にフィルムベースを考慮したより正確な"現像"処理ができていないことによる影響だと推測されます。(ベースがわからずWBが取れない)
これについては、「復活!ネガフィルム 2」の色彩調整にてライトの色温度にWBを調整することなどで好みの色に近づけることができます。(カメラのWBもAUTOで撮影していたため、このカメラのWBも固定して撮影すればより改善しそうです)
この色彩調整についても調整具合を登録して、他の画像にも簡単に適用することができます!
一部切り取り並べて拡大比較
上で提示した画像ですが、わかりやすい部分を切り取りサイズを合わせ1枚にしました。(下の画像。クリックで拡大できます)
左の〇は iPhone のノイズが良くわかる部分です。右端の〇2か所は細かな部分(まつ毛、シャツの生地感)の再現性がわかる部分です。
並べた通り右に行くにつれ再現性が高くなっています。 iPhone 15 Pro < Pixel 8 Pro 12MP < Pixel 8 Pro 50MP < Nikon Z 6 です。
Pixel 8 Pro については、スマホ内でノイズリダクション処理がかかっているのでしょうか、やや解像感にかける印象ですが、階調がキレイに見えるため好印象です。
ここで「復活!ネガフィルム 2」から出力された画像サイズ(解像度、ピクセル数)を紹介します。
撮影機材 | 撮影時の画像サイズ | "現像"後の画像サイズ |
iPhone 15 Pro | 4032 × 3024 | 2089 ×1403 |
Pixel 8 Pro 12MP設定 | 4080 × 3072 | 2069 ×1366 |
Pixel 8 Pro 50MP設定 | 8160 x 6144 | 4562 × 3014 |
Nikon Z 6 + NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 + ES-2 | 6048 × 4024 | 5622 × 3714 |
スマートフォンでの撮影においては、フィルムの一コマを画面いっぱいに拡大して撮影することができないため、画像サイズが約半分になります。ピクセル数で表現すると 12MP(メガピクセル) で撮影したものが 2.9MP(メガピクセル)程度(約1/4の画素数)になってしまうのです。それでもFHD(フルHD、1920×1080)レベルではあるためある程度の鑑賞にたえられるはずですが、iPhone の例のようにノイズが多く、解像感の低い画像だと使いにくい部分が出て来てしまいます。
Pixel 8 Pro においては、50MPで撮影が出来ます。上表の実例で生成された画像サイズは 4562 × 3014 となり 13.7MP を確保しています。こちらはイメージ的に 4K解像度です。
使用したミラーレスカメラでは、撮影時には24MP。"現像"後には 5622 × 3714 となり、20.9MPになります。イメージとしては、6K解像度に近いレベルです。
「復活!ネガフィルム 2」で最良の"現像"結果を引き出すには、撮影時の画素数・フィルムの大きさ、感度などのノイズに注意が必要で、よい入力画像であるほどよい"現像"結果が得られることがわかります。
12MPクラスでのスマホによる撮影の場合には、残念ながら画質が悪くなる傾向にあり「簡易的な確認や、拡大せずに使う画像として使えるレベル」というイメージです。(このあたりの解像度も含むトータルでの画質に対する許容度には個人差があると考えます。私は厳しめで見ています。)
撮影時の注意点(スマホ共通)
一連の撮影を通して気づいた点について紹介します。「復活!ネガフィルム 2」を購入後に参考にしていただければ幸甚です。
可能なら固定しよう
最低でもファルム、カメラのどちらかは固定しましょう。
片手にフィルム、空いた手でスマホを持って撮影すると、どちらもグラグラしてしまい、なかなかうまく撮影できません。可能であればどちらか一方を三脚などに固定しましょう。
固定が難しければ、スマホを持っている方の腕の肘をデスクについてぶれにくくするなど工夫しましょう。
固定し、極力真っすぐにフィルムを撮影すれば、「復活!ネガフィルム 2」側での変形処理などが少なくなり劣化を抑えることができるはずです。
特にフィルムとカメラを縦にして撮影すると、お互いに前後方向に斜めになる場合もあり、斜めにとれてしまいがちです。
個人的な経験ではフィルムとスマホをお互いに横位置にした方が安定しやすいと感じています。(固定がおすすめです)
撮影環境にも注意
背景光は、説明通りに、モニターやライトを使用して撮影するのがオススメ。タブレットなど輝度の高くでる画面を持つ機器をうまく利用してもよいでしょう。とにかく明るくキレイな白い光をネガフィルムの裏からあてましょう!
また、周囲やカメラ・スマホが写り込まないように室内は極力暗くしましょう。
画素数は大切
iPhone 15 Pro の場合には、マクロ撮影になり 12MP でしか画像が保存されません。
また、暗部のノイズも発生する傾向にあります。
その影響もあり、私の試した限りでは、ぱっと見は使えそうではありますが、あまり良い印象ではありませんでした。
より高画素で撮影できるスマホ、カメラでの撮影がおすすめです。
Pixel 8 Pro の場合には、マクロ撮影においても 50MP が選択可能です。ネガフィルムを撮影する際は、50MPなど画素数の大きな設定を選択しましょう。
フォーマット(ファイル形式)の設定に注意
「復活!ネガフィルム 2」で取り扱えるファイルは、JPEG、PNG、BMP、PDF のみです。
iPhone 15 Pro の [設定]>[カメラ]>フォーマット の設定が「高効率」になっている場合には静止画ファイルは .heic という拡張子で保存されそのままではファイル読み込みができなくなります。
撮影した画像ファイルを直接PCに読み込んで処理する場合には、あらかじめ「互換性優先」を選択して撮影をおこないましょう。
「高効率」の状態(.heicで撮影)でも「復活!ネガフィルム 2」のQRコードにてスマホからPCに転送する場合にはiPhoneでJPEGに変換して送信されるため問題ありません。また、iCloudを経由してダウンロードする際には.jpegに変換可能です。
Androidスマホにおいても設定にてHEIF、.heic などで撮影できる場合がありそうです。「復活!ネガフィルム 2」で取り扱える保存形式に設定しましょう。
本格的な用途での「復活!ネガフィルム 2」の使用例
特別な機材やスキャナいらずという「復活!ネガフィルム 2」の製品コンセプトとは少し離れますが、これまでに紹介した通り、ミラーレスカメラでもネガ画像を撮影しました。
カメラとレンズはすでに保有していたのですが、今回の「復活!ネガフィルム 2」を使っていくなかで専用機材(フィルムデジタイズアダプター ES-2)を使って撮影するとどうなるのだろう?という疑問から追加購入して確認したのです(笑)。
▼ ニコン純正アクセサリーということもあり、これが結構高額…
使ってみて実感したのは、フィルムストリップをしっかり固定することの重要性でした。フィルムのカールがかなり軽減されます。また、ホルダーをスライドさせることによってセットした6コマを効率よく撮影できます。
そして、レンズに直接固定されるため、手ぶれしないことも大きなメリットで、安定してキレイな画像が得られます。
フィルムデジタイズアダプター ES-2揃えてよかったアクセサリーでした!
ニコンのD850であれば、ネガフィルムのデジタイズに対応しているのですが、私が保有している Nikon Z 6 ではその機能に対応していません。
ここで活躍したのが、「復活!ネガフィルム 2」でした。(まぁ、そもそもそのためにES-2も購入したわけですが)
「復活!ネガフィルム 2」はファイルからの読み込みも可能なので、Z 6 で撮影した画像ファイルを「復活!ネガフィルム 2」から読み込みます。
スマホ撮影と異なったのは、Nikon Z6 + ES-2 で撮影したネガ画像の場合、パーフォレーションなど周辺がうつらないためでしょうか、「復活!ネガフィルム 2」のトリミングがうまく効きませんでした。
これは、手動でトリミング枠の四隅を写真のコマに合わせれば大丈夫。そして[現像]すれば OK です。
結果は前述の通りです。またこれもすでに紹介しましたが「復活!ネガフィルム 2」では微調整も可能です。
画面左側の[こだわりフィルタ]>[色彩]を選択すると以下のような調整パネルが表示されます。
クイックフィルタ、調整フィルタでは1つのメモリでの変化量が大きい印象でしたが、この[色彩]では細かな数値での調整が可能です。
ネガポジ反転処理は、Adobe Photoshop などの階調反転機能などでも処理ができますが、私の場合には自分で調整しても追い込みができず、「復活!ネガフィルム 2」の"現像"+色温度調整の結果の方が好ましい結果となりました。
「復活!ネガフィルム 2」は、ある程度の仕上がりレベルを求めるこだわり派の方にも十分使ってもらえるネガポジ変換ソフトです。「復活!ネガフィルム 2」はオススメです!
願わくば、別撮りしたフィルムベースが登録できて、より高精度に"現像"できるような簡単な仕組みがあるとうれしいです。
▼ カメラで撮影する際には、このような本を参考にすると良いです。(私も読みました!)
「復活!ネガフィルム 2」で気になったところ
今回、「復活!ネガフィルム 2」を実際に使用してみて感じた要望があります。
トリミングや調整の画面が小さい
わたしの画面解像度の問題なのかもしれませんが、調整時に表示される画像が小さいと感じました。
特にトリミング時になるべく細かく指定したいのですが、画像が小さいため雑な調整しかできず、細かな微調整ができません。
基本的に AIによる処理にまかせて問題がないということでしょうが、自分で指定するときには大きな画面でより厳密に調整をしたいです。(湾曲なども)
他社製フィルムフォルダー(パーフォレーション等余白なし)の対応を…
もちろんコンセプトとは違う用途だとは理解していますが、今回、ニコン純正 フィルムデジタイズアダプター ES-2 で撮影したネガ画像も「復活!ネガフィルム 2」にて現像しました。
このような他社製フィルムフォルダーを使用して撮影した場合には、画角一杯にコマ全体が写ってしまいます。
この状態での現像範囲のAI選択の向上と、色温度の適切な設定方法を作っていただきたい!
例えば、別撮りしたフィルムベースを登録でき、それに従って簡単に"現像"してくれるような簡単な仕組みがあるとうれしいです。
「復活!ネガフィルム 2」の感想とまとめ
使用前から「復活!ネガフィルム 2」に期待をしていたのでしょう。
当初は iPhone で撮影したネガフィルムの現像結果が思ったほどのクオリティではなく、実はかなり落胆していました。
さまざまな撮影を試し「復活!ネガフィルム 2」に入力してみたところ、入力ファイルのクオリティがリニアに出力(現像)クオリティに反映される処理の素性の良さを実感しました。
スキャナーレスでスマホとパソコンで簡単にネガフィルムをデジタル化することが売りのソフトなのですが、簡単な手段の場合にはさすがに高いクオリティを求めることができないという当たり前のことに気づかされました。
スマホのカメラもかなりキレイに撮れるようになってきたという印象はあるのですが、最短撮影距離、画素数、明るさに起因するノイズの影響が大きいようです。
最近撮影されたフィルムであれば、現像に出すときにデジタルデータも作成しているでしょうし、この「復活!ネガフィルム 2」を使うのは「昔のネガフィルムを見たい!」という欲求を解消するためだと考えられます。
特に遺品などで出てきたネガフィルムを見たい!確認したい!という要望は一定数ありそうです。
故人のモノなので、ネガの状態で見ても誰が写っているのか、何が写っているのかが把握しにくいため、"現像"(ポジ化)が必要になるのです。
そのような時に、スマホとパソコンと「復活!ネガフィルム 2」があればスキャナなどを購入することなく、簡単にネガ画像を可視化でき、非常に便利です。
さらにクオリティを追求する方にも、ネガフィルムを撮影する機材を揃えて画像を撮影し「復活!ネガフィルム 2」で処理することで高いクオリティのネガポジ変換が簡単にできることが確認できました。
今回のレビューにより「復活!ネガフィルム 2」は、簡易的な用途からこだわりのある方まで使えるアプリケーションであることがわかりました。
自分でネガポジ変換したい方におすすめできます!
(私は断念しましたが、究極のこだわり層の方は「復活!ネガフィルム 2」にこだわらず、是非ご自身でのネガポジ変換を追求する道もお試しください!)
▼ 今回紹介した商品はこちら!