文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」対応のため、学校教育の場を中心に導入されているノートPC「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」 をレビュー用に購入しました。実機を触っての感想や使用感などについて紹介していきます!
BYOD(Bring Your Own Deviceの略で"自分のデバイスを持ち込む")の方針により、2022年の公立高校入学時にノートPCの購入が必要なケースがあるようです。
とある公立高校では複数の販売店のチラシが配布されていましたが、いずれの代理店も、今回紹介する「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」を斡旋していました。
斡旋されている「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」の価格は本体のみで3万円程度。3年間の保証込みで4万円弱です。
高校入学時には、このノートPCだけではなく電子辞書も購入が必要なケースも多く、ご家庭への負担が心配です。
(公立で授業料が安いと思いきや・・という展開)
本記事では、「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」のスペック、実機レビュー・感想、オススメのアクセサリー、他の選択肢(他のノートPC機種)について紹介します。
▼同一商品で整備済品が安く販売されているケースもあります。
【2023年4月23日 追記】購入してから1年が経過しました。購入したChromebookはリビングのテーブル脇に置いておき、調べものやちょっとしたメールをする際に大活躍しています!質感も良くお気に入りです!
目次
「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」について
「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」は2020年12月中旬に法人・教育市場向けの商品として発売されました。
教師や児童向けの機種で、CPUはIntel Celeron N4020、OSはChrome OSを搭載。
メモリ 4GB、11.6型液晶ディスプレイ(1366×768ドット)を採用しています。
米国軍用規格のMIL規格に準拠したテストをクリアし、耐久性にすぐれるそうです。
日本語キーボードが採用されています。(商品写真で英語キーボードの場合がありますが、この型番の商品は日本語キーボードです)
- 解像度 WXGA(1366×768ドット)
- ディスプレイが11.6型液晶(ノングレア)
- メモリー 4GB
- ストレージ 32GB eMMC
- バッテリー駆動時間 約12時間
- 無線通信 IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LAN、Bluetooth 4.0
- 本体サイズ 292(幅)×19.5~20.1(高さ)×199(奥行)mm(突起部を除く)。
- 本体重量 約1.2kg
- ボディカラー ダークグレー
C214MA-GA0029 に関する詳細な情報については、こちら をご参照ください。
特に教育現場向けとして訴求している機能は以下の通りです。こちらのページの内容を引用・要約して紹介しています。
■ アウトカメラ(スムーズなQRコード読み込み、スマートな写真撮影)
C214MA 本体がタブレットモードの状態でアウトカメラを利用して写真撮影する際に、より撮影者が自然な形で写真撮影ができるように配慮。また、C214MA のアウトカメラにはオートフォーカス機能が搭載し、QRコードをスムーズに読み込み可能。
■ バッテリー(耐用年数の高いリチウムポリマーバッテリーを搭載)
C214MA は耐用年数の長いリチウムポリマーバッテリーを搭載。
■ ハードウェアキーボード
キーピッチは大人が使用する一般的なパソコンのキーボードピッチである1.9mmを確保していますのでタイプミスも起きにくい。
防滴性の確認として66ccの液体をキーボード上に注ぎ、その後、逆さにして脱水して24時間後(水は72時間後)、キーボード操作が可能かのテストを実施。万が一液体がパソコン内部に入ってしまってもマザーボードまで水で浸水しないような構造。
■ 堅牢性(MIL SPEC + ASUS 独自の品質試験 + 筐体に用いられた特別素材)
C214MA は生徒たちが多少乱暴に扱っても大丈夫なように頑丈にできています。アメリカ軍が必要とする様々な物資の調達に使われる規格(MIL-STD 810G)に加え、ASUS 独自の過酷な堅牢試験をクリアしています。
C214MA は120cmからの落下テストにもクリアする堅牢性を備えていますし、本体全体をTPUというゴムのような樹脂素材で覆っていますので万が一の衝撃でも吸収が可能です。
スペック・価格からして、ハードな計算や処理をゴリゴリこなすタイプのノートPCではありませんが、学校教育における Web・クラウドベースでの利用であれば大きな問題はないと考えます。
(もちろんもっと高スペックな方が快適であるのは確かです)
動きのよいChrome OS、キーボード、バッテリー持続時間、アウトカメラ、堅牢性、そして適度な価格により、教育に適したモデルのようです。
C214MA-GA0029 と C214MA-GA0028 の違い
「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」には兄弟機として C214MA-GA0028 が存在します。
性能や基本的な仕様は共通ですが、スタイラスペンに対応するかどうかにより仕様が異なっています。
C214MA-GA0029 と C214MA-GA0028 の違いは以下の通りです。
モデル | C214MA-GA0029 | C214MA-GA0028 |
ディスプレイ | 11.6型ワイドTFTカラー液晶 ノングレア | 11.6型ワイドTFTカラー液晶(Corning® Gorilla® Glass 3) グレア |
質量 | 約1.2kg | 約1.29kg |
主な付属品 | ACアダプター、製品マニュアル、製品保証書 | ACアダプター、製品マニュアル、製品保証書、スタイラスペン |
価格 | 48,800円 | 58,800円 |
ペンを使う授業などが用意されていない限り、C214MA-GA0029 で事足りると考えます。
ASUS Chromebook Flip C214MA の旧機種、英語キーボードバージョンなどに注意
ASUS Chromebook Flip C214MA には、その他のバリエーションがあります。
C204MA-ENG
スタイラスペン対応、英語キーボードの C204MA-ENG。
発売日 2019年12月16日
ASUS Chromebook Flip C214MA(C214MA-ENG)
(英語キーボードなので学生さん向けにはおすすめしません)
C214MA-BW0028
C214MA-GA0028 (スタイラスペン対応)の仕様とほぼ同一でCPUが古いN4000 を使っている C214MA-BW0028。
発売日 2019年09月20日で、旧製品でもあり、おすすめしにくいです。
ASUS Chromebook Flip C214MA(C214MA-BW0028)
「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」 の実機をチェック
それでは、「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」 の実機をチェックしていきましょう。
再整備品を購入しました。
今回紹介する C214MA-GA0029 の実機は再整備品であり、新品とは一部異なる可能性があります。
▼ 購入したショップの再整備品の定義
■メーカーの厳格な規定にて定められた工程を経て内部部品の修繕・整備調整が行われた再整備済み製品です
■梱包箱に多少の汚れがある状態ですが、製品本体は傷や汚れ、使用感のない極上状態です
再整備品であるため学校での斡旋価格よりもかなり安く購入できました。
傷、汚れもなく満足度が非常に高かったです!
ただし、保証期間は通常の商品よりも短いためご注意を。
付属品は説明書と電源アダプターのみのシンプルな構成
「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」の外箱のサイズは 37.8cm × 23.6cm × 6.2cm です。
↓ 再整備済品であるためでしょうか。開封済の黒テープの上に透明なテープで留められていました。
Flip C214MA (C214MA-GA0029)セット内容は、本体、ACアダプター、製品マニュアルというシンプルな構成です。再整備品を購入したため、製品保証書が付属していませんでした。
詳しい記載はありませんが、Chromebookの基本的な内容が説明されているので初心者の方はマニュアルには一通り目を通した方がよいです。
本体はタフネスな印象だが、よい造り。
本体の印象は悪くなく、タフネスさと傷などにも強い印象です。
要所にショックを吸収しそうな柔らかめの素材(TPU)が配置されています。
↓このヒンジにより 360度画面を回転させることができます。造りとしてもかなり丈夫にできていそうです。
画面の回転状況により、ノートPCモード、スタンドモード、テントモード、タブレットモードの4モードに変化させられます。
↓ 本体の重量は 約1.2kg。なかなか軽量です。
↓ 底面です。バッテリーの取り外しやメモリーの増設などはできません。
↑写真下側の両端にあるスリットがステレオスピーカーになっています。内蔵ステレオスピーカーの出力は2W×2です。
スピーカーの音にはステレオらしい広がりを感じ、YouTubeの音声なども聞き取りやすい印象でした。
↓右側面です。
右側面にはボリュームボタン、電源ボタン、USB3.1(Type-C/Gen1)/DisplayPort/電源入力のコンボポート、バッテリーインジケーターLED がならびます。
ボリュームボタン(-、+)が一番手前にあり、ふとした時に触ってしまうため、注意が必要です。
スタイラスペン対応モデルではスタイラスペンを格納できる場所は固定されおり使うことができません。さらに盗難防止のためのケンジントンセキュリティスロットが用意されています。
↓ 左側面です。
USB3.1(Type-C/Gen1)/DisplayPort/電源入力のコンボポート、microSDカードスロット、ヘッドホン・ヘッドセットジャック、USB3.0 ポートが用意されています。
ヘッドホン・ヘッドセットジャックがあるのはWeb会議、オンライン授業などの時に非常に助かります。
また、昨今はUSB-Cの端子が普及してきましたが、汎用性の高い USB 3.0(Type-A) の端子も搭載されています。USBメモリーによるデータの移動などの際に、かなり便利でしょう。
「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」を開くと、OSが起動します。(画面を開くと電源がオンになります)
画面はやや黄色よりの印象です。ベゼル(余白)部分が太い印象ですが、それなりの画面サイズ(11.6型ワイドTFT)が確保されており、見やすい印象です。
↓画面の上部には、マイクアレイ(マイク)、Webカメラ、カメラインジケーター(カメラ使用時に点灯)が並んでいます。
Webカメラとしては 720p相当の解像度(92万画素)を持ち、Web会議などでは必要十分な性能です。
↓ 日本語キーボードとタッチパッド、アウトカメラを備えます。
アウトカメラの画素数は503万画素で、オートフォーカスに対応しています。インカメラよりも高精細、かつオートフォーカスによりQRコードなども読み込むことができます。
キーボードのキーピッチ(キーとキーの間隔)は、一般的なパソコンのキーボートと同様に19mmのキーピッチが確保されており打鍵しやすいです。
キーピッチが通常のキーボードと同等であり、小ぶりなキーボードの機種よりも格段に打ちやすい。
高校を卒業して大学生になると通常のノートPCを使うようになると思います。広いキーピッチに高校生のうちからなれておく方がよいでしょう。
「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」については、外観、インターフェースなど満足できるものでした。
画面解像度は必要十分だが、もう少し広く表示してほしい
「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」は低価格なChromebookであるため画面解像度が低いです。
▼ 左 ASUS Chromebook Detachable CM3(デフォルト)。右 ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)。
デフォルト状態では ASUS Chromebook Detachable CM3 と見えている範囲に差はありません。
しかし、ASUS Chromebook Detachable CM3 はフルHD解像度に対応したディスプレイを有しています。
設定から解像度を最大にすると、↓このように大きく差がでます。
「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」のデフォルト解像度(ネイティブ)は 1,366×768ドット (WXGA) 。
この解像度を一段上げることもできます。解像度が 1518 × 853 に変更できます。
この設定変更により次の通り見える範囲が変化します。
調べものなどをする際には、解像度を上げると効率が上がると思います。
正直なところ、もう少しディスプレイ解像度が欲しいとは思いますが、価格から考えると難しいところでしょう。
作業において必要があれば、DisplayPort経由で外部ディスプレイに表示すれば、最大4K UHDサイズでの出力も可能です!工夫すればより便利に使うことも出来そうです。
セットアップはスマホと同様です
ChromebookのセットアップはAndroidスマホと同様です。Wi-Fiを接続、googleのアカウントの入力などを行えば使えるようになります。
32GBのストレージの空き容量は少な目。必要に応じて Micro SDカードも併用しましょう。
購入しセットアップした状態でのストレージの空き容量は残り19GBでした。
アプリを入れていくと、それなりにストレージ容量を消費していきそうです。
例えば Amazon Prime Video や Netflix のアプリを入れるとビデオをダウンロードしておくことが可能で、外出先でスムーズにビデオ鑑賞することができます。
内部のストレージ容量が足りないと感じたときには Micro SDカードを追加しておきましょう。
アウトカメラは低輝度に弱い印象
「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」は、キーボード面右下にアウトカメラを配置しており、タブレットモードにするとアウトカメラとして画面を見ながら撮影可能です。
普段スマホでの撮影が多いせいでしょうか、画面の中央とカメラの位置が離れすぎていてフレーミングが難しい印象です。
また、下にあるモノを撮影する場合などではノートPCの影が被写体に落ちてしまい、キレイに撮影することが難しかったです。
画質のレベルも高くなく、今どきのスマホカメラのレベルを期待すると失敗します。
低い輝度(暗めの環境)では手ブレが頻発しますし、ノイジーな画像になります。
iPhoneレベルの画質は期待できず、簡易的な記録用やQRコード読み込み用という位置づけになりそうです。
ACアダプターが大きく重い!
付属するACアダプターは 45W出力に対応しています。
付属のACアダプター本体のサイズは悪くありませんが、ACケーブルが太いこともあり、トータルでの重量が重くなっています。
ACアダプターも持ち運びたい場合には、軽量でコンパクトな Anker等の小型チャージャー、ケーブルを別途購入するとよいです。
かなり軽量・コンパクトになります。(重量はほぼ半分に!)
サイズ感としても ↓ こちらの通りです!
チャージャーは↓こちらの アンカー GaNⅡという技術でコンパクト化された45Wタイプ。
Anker Nano II 45W (PD 充電器 USB-C)【独自技術Anker GaN II採用/PD対応】
ケーブルは少し値段が高いですが、やわらかく絡まず、カラフルな色から選べるタイプ。(コレおすすめです!)
Anker PowerLine III Flow USB-C & USB-C ケーブル 絡まないケーブル USB PD対応
「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」の感想まとめ
「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」はちょっとしたWeb検索、メール、ドキュメント作成に使えるノートPCでした。
MILスペックも満たし、19mmのキーピッチを持つキーボードも魅力的でした。
リビングのテーブル脇においておいて、お買い物や旅行の検討などスマホよりも大きな画面が必要な場合や長文のメール返信の際にパッと取り出して便利に使っています。(MILスペックということもあり、雑に扱っています(笑))
3万円程度であれば「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」を購入しても損はないと考えます。
また、私のように整備済品などを狙うのも手です。
ASUS公式にて購入できる場合もあります。
小学生、中学生、高校生が学校で使うPCとしてはこのような低価格で頑丈である Chromebook が最適です。
1.05kgで軽量な Acer Chromebook Spin 311 CP311 も候補!
「ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029)」はアウトカメラが今一つだったこともあり、アウトカメラ機能なしのモデルも視野に入りそうです。(高校生が学校用として購入する場合にはアウトカメラが学校用として必須ではないことを確認してください)
ASUS Chromebook Flip C214MA (C214MA-GA0029) の代替機として個人的に注目しているのは、
Acer Chromebook Spin 311 CP311 です。
プロセッサーがCeleronではなく MediaTek M8183C 2.00GHz になりますが、非常に軽量です。
重量が約1.05kgであり、毎日学校と家庭の間を行き来する際の負担を軽減してくれます。