2023年12月15日にメズム東京で開催された「デル・テクノロジーズ新製品発表会」に参加させていただきました!今回の発表会は、前回参加させていただいた「デルアンバサダー大感謝祭2023」(←お祭り的なイベント)とは打って変わって技術面のアピールがメイン。これが実に面白かったのです。この記事ではこの発表会の内容について興味を持った内容を中心に紹介していきます!
発表会の内容および登壇者は、下記の通りです。
私の知り限り、今回のイベントは夕方と夜の2回が開催され、デルアンバサダーおよびリンクシェアプログラム(楽天系ASP)に登録しているサイト運営者が参加した模様。推測ですが、プレス向けにも開催されたようです。私は今回、リンクシェア経由での参加です。
ご参考までに…
参加者へのおみやげとして イタリアの老舗チョコレートブランド Venchi(ヴェンキ)のツリー缶(結構お高い)、デスクカレンダーをいただきました!
我が家ではクリスマスツリーを飾らくなってしまっていたため、今年はひさびさのツリーとしてツリー缶を飾らせていただきました!(嬉しい)
デルのPCに興味のある方、ブログを開設していてPC関連の記事を書かれている方はデルアンバサダーやリンクシェアへの登録を!
目次
デル・テクノロジーズ コンシューマー ビジネスのアップデート
発表会のトップでは「デル・テクノロジーズ コンシューマー ビジネスのアップデート」というタイトルで、デル・テクノロジーズ株式会社 コンシューマー&ビジネス マーケティング統括本部 本部長 横塚知子氏 よりお客様視点での3つの改良点の説明がありました。
コロナによる消費者の生活スタイル、行動、考え方が大きく変わった。お客様視点で立ってもう一度我々の中で何を改良していくべきかということを考えた。
そこで実施した3点の取り組みについて紹介。
- お客様が製品を探しやすく
- お客様が買い時を決めやすくするように工夫
- お客様が購入先に限らず、どこからでもキャンペーンに参加できる
概要について紹介します。
1. 製品を探しやすく
これまでのデルのサイトは、個人のお客様は個人のお客様のページ、法人のお客様には法人のページというような作り方をしていた。
実際にお客様の購入データを分析してみると、個人のお客様が法人の製品を購入したり、法人の方が個人の製品を購入するという傾向がいくつも見られた。
セグメントで分けるのではなくて、1つのページに統合し、お客様がニーズによってどの製品でも購入できるようにサイトの構造変えた。
2. 買い時を決めやすく
買い時のタイミングをお客様が判断しやすくするように2つの改良を行った。
➀ 価格の波を小さく
以前は 価格の波 をかなり大きくつけていた。
(例えばセールの時はものすごく安く、セールがなくなると元の価格に戻るようなイメージ)
お客様は、いつプロモーションが始まるかとかはわからないことから、「いつ買えばいいんだ」というお声をいただいていた。
このことから、大きな価格差という波のつけ方をやめ、極力波の大きさを低くするような形で設定している。
これにより、買いたいと思った時が買い時 というような形でお客様にもう判断しやすくさせていただいた。
② プロモーションの期間を長く
お客様のご意見として「プロモーションの時期があまりにも短い」という内容をいただいている。
検討から実際に購入を決めるまでに調査などの時間がかかり、気づいた時にはプロモーションが終わり、価格がまた元に戻っていたということがある。
そのことから、極力プロモーション期間というのをもう少し長くとってお客様のスタイル、一般的な行動に合わせてプロモーションを組むよう工夫している。
3. どこからでも参加できる
プロモーションを実施する際に、これまでは購入経路によってプロモーションを変えていた。
お客様のニーズによって購入先というのは変わるため、極力一つのプロモーションに統合するようにし、どこから買っても同じキャンペーンに参加できるというような形に構造を大きく変えました。
最後に
今後も私たちのやり方ではなくて、あくまでもお客様の声を聞きながら今回のような改造をしていきた と思っている。
この先もおそらく消費者の方は、生活のスタイルが変わったり、行動、そして思考が変わったりしていく、と思う。それに合わせながら我々の方でもお客様に最高の体験をしていただく、そんなサイト、そしてそんな取り組みができればな、と思う。
という言葉で締めくくられました。
変わることを恐れず、ユーザーファーストで変わっていく。というデルの姿勢を感じました。
個人的には「今なら激安!」というワクワク感のあるプロモーションは嫌いではないのですが、「いつ買ってもだいだいこの値段」というブランドの方が安心して購入できる印象はあります。
デル・テクノロジーズ新製品のご紹介
続いて デル・テクノロジーズ株式会社 CSB PGTM プロダクトアソートメントプランナー兼コンサルタント 松原大氏より、インテル® Core™ Ultraプロセッサー(シリーズ1)を搭載した New Inspiron 13 について紹介がありました。
インテル® Core™ Ultraプロセッサー には Ultra 5、Ultra 7、Ultra 9 の3種類があるが、Inspiron で販売するのは Ultra 5 と Ultra 7 の2機種。
Core™ Ultra では内蔵メモリの転送速度が非常に重要。現状搭載しているモノよりもより速い転送速度 LPDDR 5× 6400MT/s の上位メモリを16GBオンボードで搭載。
インテル® Evo™ エディション を取得。
Intel Unison アプリケーションが更新され タブレットなどでの拡張ディスプレイ機能が搭載。
また、Windows StudioEffect では、NPU(ニューラルプロセッシングユニット)を使って標準で搭載されているウェブカメラでの自動フレーミング、アイトラッキング(アイコンタクト)、背景ぼかしが可能に。
ボディカラーとしてはシルバーとライトピンクを用意。ライトピンクは絶妙な色合いのピンクでした!
機能としては現行のInspiron 13と同等だが、今回 Milスペック認定を取得している。
Windows Pro 版については2024年2月発売の予定。
インテル® Core™ Ultraプロセッサーのご招介
発表のラストでは、インテル株式会社 技術本部部長工学博士 安生健一朗氏 より インテル® Core™ Ultraプロセッサー(開発コード名:Meteor Lake)について紹介がありました。限られた時間枠の中で Core™ Ultra にいかに新しさがつぎ込まれているかについて説明していただきました!
「40年間で最大の転換」と表現するほどの「初」「New 」の多さが印象的でした。
新機能の中ではじめに紹介されたのは Wi-Fi 7。インテルのラボの中でも 5Gbpsで動いており、2.5Gbpsのイーサネットより速いという。
ポイントは低電力。もちろん性能も上がっているが、性能を上げるというよりは、どちらかというと電力を下げるということをすごく重視している。
本当にユーザーが求めているものは電力を下げて性能がちゃんと出るということ。この電力と性能のバランスをちゃんと考えて作ろう、というコンセプト。
今までIntelってCPUとチップセットと呼んでいた。今回の SoCタイル で チップセット とは呼んでいない。チップセットはIoHubみたいなファンクションだったが、今回は SoCとして単体で動作するものになっている。
AV1エンコード対応も重要なポイント。今まではAV1のエンコード機能は NVIDIAのRTX4000番台のグラフィックスカードまたはIntel の ARCグラフィックスを購入するしかなかった。AV1エンコード機能が内蔵されたモバイルパソコンはこれが初めて。今後AV1のフォーマットの動画コンテンツが世の中に増えていくきっかけになるはず。
これまでインテルが外付けのグラフィックスカードで使っていたブランド インテル® Arc™ グラフィックスを内蔵グラフィックスで呼び名を使う。これは外付けグラフィックス並みの性能が実現できることを意味する。
コスト、プライバシーの観点からもクラウドではなくローカルでのAIにメリットあり。
Intelが用意しているソフトウェア開発ツールキット OpenVINO™ が使われ、今後対応したソフトがどんどん出てくる。(CyberLink、Wondershare、Adobe など)
インテル® Evo™ は4世代目。フルHDで10時間以上のバッテリー駆動時間、1.5秒以内のインスタントオン、静かさ、ファーストチャージ(30分の充電で4時間使えるだけ充電)。
Intel Unison では、Windows PCにAndroidタブレットもしくはiPadを接続して拡張ディスプレイして使うことができる。(コレはホント便利そう)
デモ・タッチ&トライ
アクセサリーを含む各種新製品の展示だけではなく、ローカルでの画像生成AIの動作時間のデモ、Intel Unison での拡張ディスプレイのデモ、Windows StudioEffect によるオートフレーミングのデモが行われました。
画像生成AI速度比較では、2世代古い Inspiron 13 (第12世代 インテル® Core™ i7 プロセッサー搭載)と今回発表されたインテル® Core™ Ultra 7 プロセッサーを搭載した Inspiron 13 を比較。ネットワークは切断された状態で処理をおこなう。
OpenVINO™ による割付により CPU、GPU も使われるが negative.prompt(使ってほしくない内容を抽出する処理)をNPUが担当する設定。
画面に表示されていたデモのプロンプトは以下の通り。
[INFO ] Starting inference…
[INFO ] Prompt: photorealistic image taken with a Canon 5D Mart III, 24mm lens, a serene mountain lake surrounded by rugged cliffs, reflecting the vivid colors of the surrounding wilderness
[INFO ] negative.prompt: (character:1.3) , (person:1,3), (human:1.3) , (people:1.3} f (wonan:1.3} , (man 1.3}, hands
,worst quality , low quality , normal quality , lowres , sketchs , painting , user name
[INFO ] num_inference_steps: 20
[INFO ] guidance_scale: 7.999999999999998
[INFO ] strength: 1.8
[INFO ] init_image: None
[INFO ] Random Seed: 4032572642
同時に処理をスタートさせ、処理にかかった時間は以下の通り。
機種 | 処理にかかった時間 |
第12世代 インテル® Core™ i7 プロセッサー搭載 Inspiron 13 | 24 秒 |
インテル® Core™ Ultra 7プロセッサー搭載 Inspiron 13 | 12 秒 |
NPUを搭載した New Inspiron 13 ならば2世代前のモデルに対して 1/2 の時間で画像が生成できた。(グラフィックスなどの向上も含まれます)
感想
まだまだクラウドでのAI処理がメインな状況ではありますが、今回の インテル® Core™ Ultraプロセッサー 搭載の Inspiron 13 の発売を契機にローカルでの生成AIのソフト、サービスが広がり、ローカルAIの活用が当たり前になれば個人でのAI活用のすそ野がさらに広がりそうです!
(私もようやく、BingチャットやAdobe関連のAIを使うようになってきたところ…)
生成AIの処理速度比較では、新プロセッサーの威力を見せつけられましたが、(当然速度は遅いのですが)以前の機種でも動作するという OpenVINO™ ツールキット のすばらしさも知ることができました。
バッグ類やヘッドセットなどの展示もありましたが、他の内容が厚かった(熱かった)こともあり新製品なのかどうかも確認しませんでした。(スタッフさんに聞けよ、という話はあります)このあたりも次回以降の会に参加できた際にはじっくりチェックしていきたいと思います。
この記事では伝えきれませんでしたが、インテル 安生健一朗氏による説明が非常におもしろく、印象的でした。
また、デル・テクノロジーのお客様を考慮した改善・改良も興味深かったですし、ますます デル ブランドについて良い印象を持ちました!
■ ご参考 ■
2023年9月8日に開催された「デルアンバサダー大感謝祭2023」の参加レポートも公開しています!興味のある方は以下のリンクよりご確認ください!