「Wi-Fi」モデルにするか、「Wi-Wi+Cellular」にするのかを当初はかなり迷った 9.7インチ iPad Pro です。最終的に僕は ”Wi-Fiモデル” を購入しました。本当は、SIMを入れてスムーズにデータ通信ができる ”セルラーモデル” がいいと考えていたのですが、ストレージが最低容量の32GBでは不安であるため本体価格が高くなる事、Smart Keyboard や Apple Pencil も欲しかった事もあり、トータルの予算の都合で ”Wi-Fiモデル” を選択したのです。
僕は、ドコモ版 Xperia Z4 Tablet SO-05G から 9.7インチ iPad Pro Wi-Fiモデル へとスイッチしました。LTEでのデータ通信が可能な Xperia Z4 Tablet から、データ通信ができないWi-Fi版へ変えるにあたり、一番の心配は「テザリング接続が面倒ではないか?」 という点でした。
実際に 9.7インチ iPad Pro Wi-Fiモデルを3週間使ってみて、 ”Wi−Fiモデル”で後悔した事はありません。この気持ち・感想は個人の使い方によって変化します。僕なりに考えた事、感じた事を伝えたいと思います。
目次
前提条件として、僕のタブレットの使い方。
通信環境
まずは僕の通信環境について紹介しておきます。
家ではインターネット回線があり、Wi-Fiでの接続が可能です。
スマホは、昨年春にハワイで購入した iPhone 6 (SIMフリー) を使用しています。
通信キャリアは、ドコモです。シェアパック 10GB (小容量) を家族4人でシェアしています。そのため、一人でパケットを使い切って良いという状況ではありません。
タブレットの主な用途
僕のタブレットの主な用途は次のように、比較的データ容量の大きなコンテンツを見るケースが多いです。
- 日経電子版を紙面ビューアーアプリで通勤時に朝刊、夕刊を読む(有料会員・・朝、家で朝刊分をダウンロードしておきます)
- docomo の dマガジン で通勤時や家で雑誌を読む(家でダウンロードしておく)
- nasne で録画したNHK連続テレビ小説をお昼休みに観る(毎日1本(15分)・・朝、家でダウンロードしておく)
- Webサイトの閲覧
- メールチェック(主に iPhone を使用)
- カフェ等でのブログ執筆作業(Smart Keyboardのような物理キーボード有りの場合)
- ベッドで寝転んで、アマゾンビデオ等で映画を見る(Wi-Fi)
例えば、日経電子版の紙面のデータ容量は、土曜日の朝刊で 95MB 程度あります(画質:高)。これを出先でダウンロードすると 95MB x 20日 として 約1.9GB となります。
dマガジンの雑誌1冊のデータ容量は雑誌により異なります。週刊アスキーで 70MB程度、Begin で 180MB程度、DIME で 80MB 程度 です。僕の使い方のように、雑誌をザッピングする場合には、あっという間に数GBをダウンロードしてしまう事になります。
その為、僕の使い方では Wi-Fiでの運用がメインとなるのです。
もちろん、iPad Pro で データ通信ができた方がいいのですが、トータルで支払う金額を考えると、そこまでメリットを見出せなかった・・というのが Wi-Fi版を選択した理由です。
iPhone とのテザリングは楽ちん。Instant Hotspotを使おう!
テザリング元(親)が iOS であれば、「Instant Hotspot」という機能が使えます。(iOS 8 以降で対応)この機能を使えば、接続したい端末からの操作だけでインターネット共有をオンし、接続する事ができます。
操作感を説明します。設定>Wi-Fi の画面で表示される [インターネット共有] で接続する iPhone をタップするだけです!
iPhone側 の [インターネット共有] がオンになり、iPad Pro が iPhoneのSSIDに自動的に接続されます。接続されると、下図のような表示になります。
実際に接続されるまでの時間は、平均 5秒程度です。
iPhone側がWi-Fiにつながっていた場合等には、iPhone内で切り替えが発生するのでしょうか、接続までに8〜9秒程度かかります。
この Instant Hotspot 機能を使うには、iPhone側、iPad Pro側それぞれが、同一IDで iCloud にサインインしている必要があります。また、それぞれの端末でBluetoothがオンしていなければなりません。
例えば、iPhone側の[インターネット共有]を手動でオンにした状態でiPad側の[Bluetooth]をオフにしている状態では、下図のように、iPhone はその他のWi-Fiと同じグループに表示されます。
Instant Hotspot機能によって、iPad Pro からの操作だけでテザリングでの接続ができるのは非常に便利なのです。iPad Pro側の作業が終わり、Smart Cover を閉じるとテザリングによる接続は解除されます。(iPhone側の表示で[インターネット共有] のオフを確認)その後、Smart Cover を開くと再度自動で Instant Hotspot で接続される場合があります。この辺りの挙動は今ひとつ正確には把握できていませんが、特に困ってはいません。
実際のテザリングスピードを測定。遜色ないレベル
実用上問題がない、テザリングによる通信速度は、スペックに興味がある一部の方には気になるところです。簡易的な方法ではありますが、僕の環境でもスピードを測定しましたの参考データとして掲載します。
下り(Mbps) | 上り(Mbps) | |
---|---|---|
iPhone 6 (LTE) | 26.3 | 24.0 |
iPad Pro(テザリング) | 29.5 | 19.9 |
↑ 測定毎の差も大きく3回平均の値を掲載しています。なぜか下りはテザリングでぶら下がっている iPad Pro の方が大きな数字で出てしまいました。この結果から、テザリングにおいても iPhone 6 でのLTE通信速度とほぼ同じ速度で iPad Pro からインターネットアクセスできていると考えられます。(体感的には少し遅いように感じますが・・)
↓自宅 Wi-Fi通信速度 | 下り(Mbps) | 上り(Mbps) |
---|---|---|
iPhone 6 (Wi−Fi) | 84.8 | 91.5 |
iPad Pro(Wi−Fi) | 138.0 | 127.0 |
自宅のWi-Fi環境で、iPhone 6、iPad Pro とで通信速度を比較したところ、iPad Pro の方が下りでiPhone 6 の1.6倍の速度になりました。これは、ドコモスピードテストアプリを使用しても同じ傾向でした。・・どうりでダウンロードが早い訳だわ。
少し心配なところは iPhone 側のバッテリー
iPad Pro が セルラーモデルであれば、通信自体を iPad で行うため、バッテリーはiPad側で消費されます。
テザリング の場合には、iPhone側が常にデータ通信状態となるため、iPhone側のバッテリーが消費されてしまいます。スマホ側のバッテリーが無くなってしまうと通話もできなくなるし、iPhoneもiPad Pro も通信ができなくなってしまい、何もできない状態となります。
負荷分散、という点では、セルラーモデルの iPad Pro を選択した方がベターであることをは確かです。ここは、どこまで保険をかけるか?の考え方になると思います。
ただし、僕のようなライトな使用状況においては、「テザリングしているから極端に iPhone のバッテリーが消費される」という印象は今のところありません。むしろセルラー版でない iPad Pro の充電回数が少ない、という良い意味の印象が強いです。
どうしても iPhone側のバッテリーの持ちが心配であれば、保険的にモバイルバッテリーを持ち歩く事も考えましょう。震災などでしばらく充電できないケースも考えられるので、バッグにモバイルバッテリーを一つ入れておくと安心ですね。
まとめ:iPhone からのテザリングができるならば、「Wi-Fiモデル」でも十分。
僕のような使い方であれば、Instant Hotspot機能の便利さもあって、iPad Pro は 「Wi-Fiモデル」で十分です。予算に制約があり、「Wi-Wi+Cellular」が欲しいが 32GB しか選択できず、ストレージ容量が心配・・・という方は、是非 Wi-Fiモデルの検討も視野に入れてみましょう。(iPhone があり、パケットが分け合える前提です)
9.7 iPad Pro | Wi-Fi | W-Fi税込 | セルラー | セルラー税込 |
32GB | 66800 | 72144 | 82800 | 89424 |
128GB | 84800 | 91584 | 100800 | 108864 |
256GB | 102800 | 111024 | 118800 | 128304 |
32→128GB が +18,000円、128→256GB が +16,000円、Wi-Fi→セルラーが+16,000円です。
僕は、旅行の際等にたんまりと映画を入れておきたくて、容量は大きめの方が良かったのでセルラーの 32GB ではなく、Wi-Fiの 128GB を選択しました。
もちろん予算に余裕がある方は、お好きなモデルを購入しましょう!!
意外と、海外版からの個人輸入という手も・・。僕のようにスクショを撮る時のシャッター音を回避したい場合には、海外モデルをエクスパンシス経由で購入してもいいかもしれません。