坂本龍一 設置音楽展に行ってきました。会場は ワタリウム美術館です。かなり特殊な展示でしたので行く前に知っておいていただきたい事を紹介したいと思います。ネタバレ!?と思われるかもしれませんが、これは体感型の展示ですので興味を持ったら必ず足を運びましょう!(以下私的な備忘録です・・)
僕は、4月5日に行きましたが、混雑の予兆は全くありませんでした。平日スタートですので、次の土日がどうなるか!?注目です。
事前情報なくピュアな状態で行くのもいいと思いますし、このエントリーから情報を得て準備をして行くのもいいでしょう。ひょっとすると会場から読まれる方もおられるかもしれません。楽しみ方は個々人のスタイルで良いかと思います!
注意!ネタバレを含みます!(ピュアな気持ちで観に行きたい方はここでウィンドウを閉じてください)
長文で紹介していきますが、設置音楽展観覧のポイントとしては下記の通りです。
- 通常の美術などの展覧会とは違う、正に「設置音楽展」(物理的な展示量は少ないです)
- 遠方でなければ、チケットは何度も入れるメンバートライアルがオススメ
- 軽く観るだけならあっという間に見終わります。しっかり聴くなら所用時間1.5時間+物販(ここでもレコードを試聴するならその分の時間)
- 撮影可ですがシャッター音禁止。シャッター音の鳴らないスマホかアプリの導入を
- 椅子は固めなので、長時間聴く方は座布団があってもいいかも
- async を聴き込んで行った方がいいかも
- 原宿から向かう場合は混雑する竹下通りを避けた方がいいです
目次
坂本龍一 設置音楽展概要
以下の概要は、ワタリウム美術館公式ページからの引用です。
会期 2017年4月4日(火)-5月28日(日)
休館日 月曜日
開館時間 11時より19時まで[毎週水曜日は21時まで延長]入場料
大人1,000円 学生500円(25歳以下)
70歳以上の方 700円
ペア券:大人 2人 1,600円主催/会場 ワタリウム美術館 2階、3階、4階
何度でも入場可能な メンバートライアル がお得!
実は、上記以外の入場チケットが用意されています。これは現地に行かないとわからないのですが・・。
メンバートライアルという 1,500円のチケットです。これは、設置音楽展の会期中は何度でも入場ができる魔法のチケットです!(本人のみ)
僕はメンバートライアルチケットを購入しました!↓↓
再入場の際には、本人であることを証明できるモノがないと入場できません。免許証などが代表的な書類でしょうか。
このチケットがあるということは、なるべく早く足を運んで回数多く通った方がお得だということです!特に近隣の方は早く行き、回数を稼ぎましょう!
場内は条件付きで撮影可能!
フラッシュ撮影、三脚、一脚、脚立、自撮り棒の使用は不可。動画撮影不可。シャッター音不可。
設置音楽展に行くなら、シャッター音の鳴らないコンパクトカメラかスマートフォンを持って行きましょう。または、シャッター音の鳴らないアプリをスマホにインストールしておきましょう。(変なアプリがイヤな方は、Microsoft Pix ならどうでしょう。起動は少し遅いですが)
その他 設置音楽展 情報
音声ガイド:無し(設置音楽展での音声ガイドはさすがに不要)
図録:無し(図録ではありませんが、物販コーナーで会場限定冊子あり。async 自体が図録かと・・)
コインロッカー:無し(受付でお願いすれば預かってもらえそうでした)
会場内トイレ:あり(非常にキレイです。しかしドアの向こうは展示場ですのである種の緊迫感が・・鍵がしっかりとしまっている事を確認しましょう。(ちょっとクセのある鍵でした))
坂本龍一 設置音楽展 展示について
設置音楽展の展示は大きく分けて4つ。
- 2F on async
- 2F async -drowning-
- 3F async - volume -
- 4F async - first light -
展示量は少ない
通常の企画展(美術展)を見に行くのと同じ気持ちで足を運ぶと微妙な気持ちになると思います。
「アルバム async を丸ごと、ガッツリその場で聴いて帰る」
この気持ちを持って行かないと入場料の元が取れた気にならないかと思います。
ワタリウム美術館はとても素敵なスペースで、展示もすごくいいのですが、例えば David Bowie is のようにボウイの人生が丸ごとわかる!のような展示だと想像して足を運ぶと失敗します。
坂本龍一の async が音楽として展示(設置)されている展覧会なのです。正に「設置音楽展」。
展示内容としては「公式ページに載せられている写真が全て」だと思って間違いありません。ありがちな「300点以上の貴重な資料が大公開!」という展覧会ではないのです。展示物の量は少ないです。
各階の移動はエレベーター
設置音楽展の展示は3階分のフロアを使っています。各階を移動するにはエレベーターを使います。
エレベーターは一機しかありません。6名程度乗れる位のサイズです。
エレベーターについては気長に待つようにしましょう。待っていれば必ず来ますので大丈夫です。
一部階段が使える
2Fから3Fへの移動については、実は非常階段を使う事が出来ます。(いつもオープンしているかは不明)
タバコを吸えるのではないか?と推測しますが(違うかも)、階段の途中にはベンチもあります。うまく階段も使って移動していいと思いますが、階段への移動に伴い、ドアを開くので、外の音が会場に入ってきたり、ドアの音がしたり、明るい光が入ってきたりします。そっと出入りするようにしましょう。(エレベーターの利用が一番いいと思います)
2F on async
2Fの会場では、on async として、坂本龍一がインスピレーションを受けたという書籍などが展示されています。
新作制作過程にインスピレーションを与えた書籍、写真、メモ、譜面などを展示。
僕にとっては、知らない本ばかりで驚きました。手書きの楽譜などが嬉しいです。
async -drowning-
坂本龍一によるアルバム『async』全曲の5.1chサラウンドMIX 試聴と高谷史郎の映像で構成されたメインフロア。
てっきり”drawing"だと思っていたのですが、”drowning"でした・・。意味は溺死。
日本語はなく、英語、フランス語、ロシア語、中国語(繁体、簡体)、アラビア語で表記されています。
ここでは、5.1chサラウンドミックスの async が設置されています。
↓こちらが、5.1ch サラウンドミックスの展示です。
ベンチが、3x2列で設置されています。僕が行った時には、一つのベンチに3人が腰をかけていました。もう少し詰めて座ることもできそうです。ベンチは木で出来ており長時間座るには固いです。クッション持参で行った方がゆっくり気持ちよく async を楽しめると思います。
ベンチについて、benches: 服部滋樹 graf です。
まるで、教会のような雰囲気です。
async がリピートで全曲流れます。トータルで50分程度でしょうか。ここでの楽しみ方はそれぞれです。少し座って去る方、時間の許す限り座っている方(多分全曲楽しまれる方)。
オススメの周り方としては、雰囲気を確認した後、3F、4Fの展示、地下の物販を楽しんだ後に再度2Fに戻るルートです。(地下は会場外なので、再入場扱いとなります。当日だけの券の場合に再入場できるかは確認できておりません。係の方に確認をお願いします)
5.1chサラウンドミックスはすごいです。いろいろな方向から音が聞こえてきますよ!
async を自分のシステムで聴き込んでから、会場に足を運ぶと驚きがあるはずです!これはすごい。
バランスが最も良い座席は、中央の中央です。(←伝わると思いますが)
しかし、わざと席をシフトして偏った音を楽しむのも面白いと思いました。
後方に立って鑑賞するよりも、着座して楽しみましょう。スピーカーの高さも座った場合を想定していそうです。
僕が気になったのは、↓ このムジークエレクトロニクガイサイン製のスピーカーがワイヤレスかどうか?です。
ワイヤレスのような気もしますが・・電源はどうなっているのでしょうか・・。ME901Kをスタンドも含めてブラックに仕上げたモデルのようにも見えます。
雨の音、枯葉の上を歩く音などが立体感を持って再現されます。stakuraの低音の音圧がすごい事!会場左奥にあった四角い物体がサブウーハーだったのでしょうか?
結局、async 全曲聞いてしまいました。
個人的には・・、くつろげるジャージ(部屋着)+クッションと膝掛け、のようなスタイルで楽しみたいものです。
3F async - volume -
設置音楽展の中でも、この展示は大好きです!
暗闇の中でタブレットやスマホを使って写真が展示されています。(暗いですよ!)
アルバム『async』制作時に多くの時間を過ごした空間を映像で抽象的に捉え、その空間が持つ環境音とアルバム楽曲の中の音素材を混ぜたシンプルな映像とで構成するインスタレーション空間。
ここで、展示されている映像・写真がとても素敵なのです。
*写真作品なので、ここでの掲載は控えます。
ほんとキレイな映像・写真です。
そして小さな音で聞こえる環境音。さらに2Fの5.1chサラウンドミックスの音も混ざって聞こえてきます!
この空間。大好きです。
4F async - first light -
4Fでは、ビデオインスタレーションが展示されています。
前方中央上部、前方左右、後方左右の合計5つのスピーカーが使われています。いずれもムジークエレクトロニクガイサイン製です。正面のスピーカーは、形状だけでみれば ME150のよう。後方は、ME100か。
アルバム『async』の楽曲を用いたアピチャッポン・ウィーラセタクンとのコラボレーションによるヴィデオ・インスタレーション。
映像の長さは 11分程度。リピート上映されます。
ベンチが2x2で設置されていました。座れる人数としては少ないです。
オススメの着座位置は、前列中央です。
混雑しているようであれば、周囲に座り込んだり、左右、後方に立って楽しむ事もできます。
"first light"について意味を調べてみると以下のような内容でした。
ファーストライト (first light) は、完成した望遠鏡等の光学機材が、当初予定されていた性能に達しているのかについて行う最初の観測のこと。
*出展:webilio
この意味で名付けられたのか、別の意味なのか?を考えながらビデオインスタレーションを楽しむのもいいでしょう。
地下ではグッズ販売も!
坂本龍一 設置音楽展の展示を見終わった後は、エレベーターで地下1Fまで降ります。
エレベーターを降りると、↓このような光景になります。不安ですが、矢印の方向へ進んでください。
すると!おしゃれな光景が!レコードプレーヤーが並びます。
async LP の試聴について
この地下1Fがなぜ”試聴室”なのかというと、発売前のasync 2LP アナログ盤 が試聴できるためです。
この async 2LP アナログ盤 は、なんと1,000枚限定。
しかもボーナストラック入りです! (15. water state 2 ウォーター・ステート2)
この偉大な作曲家・音楽家である坂本龍一の1000部限定のLPです。絶対にマニア垂涎!
ワタリウム美術館で予約できるので、その場で予約しましょう!(売り切れてからでは遅いです)ワタリウム美術館では、設置音楽展の開催地でもあるため多めに確保できるそうです。
↓ アマゾンでも予約可能でした!!
試聴にはソニー製のプレーヤー、アンプ、ヘッドホンを使います。レコードなんて久しぶりで緊張!
使ったことのない方のために説明書きが置いてあります。
これでも音が鳴らない場合や、使い方が不安な方はスタッフさんに声をかけてみましょう。(みなさんとてもフレンドリーです!)
ヘッドホンはソニー MDR-Z7
ヘッドホンは、ソニーのMDR-Z7です。5万円クラスのヘッドホンですぞ!
ボッという針の着地から、アナログ盤の音が再生されます。
改めて思い出した事は、「あ、レコードって早送り、曲送りができないんだ・・」という事でした。正に音楽に向き合うにはぴったりのメディアですね。
アナログ盤試聴の注意点
ここで注意点(ポイント)としてお伝えしたい事があります。
試聴のためのレコードプレーヤーは4台設置されています。
レコードは2枚組です。レコードプレーヤーに対して、下の写真のようなレコード配置となっています。
1枚目が左側2台のプレーヤーにかけられていて、2枚目は右側2台のプレーヤーに置かれています。
盤面にマジックで async a、async b、async C、async Dと手で書かれています。
async a は1枚目のA面に書かれています。async b は1枚目のB面、async Cは2枚目のA面、async Dは2枚目のB面に文字が書かれています。(それぞれの裏面には手書き文字が書かれていません)
これは、各プレーヤーにそれぞれの面を設置するための目印で、向かって左から文字が a,b,c,d と並ぶのが正しい状態なのです。
もちろん1台のプレーヤーを占有して A面、B面を続けて楽しんでもOKなのだと思いますが、その後には、手書き文字が表になるように戻しましょう!
ボーナストラックは、向かって一番右側のプレーヤーで楽しむのが正しいです。最後のトラックです。
会場限定グッズ!
坂本龍一 設置音楽展会場限定グッズも販売されています。
RYUICHI SAKAMOTO DOCUMENT no.2(会場限定)
会場限定販売の冊子です。価格は926円+税。
毎年1冊刊行される坂本龍一会話の記録集だそうです。
↓ 内部のイメージはこのような感じです。
ピンバッジ(会場限定)
会場限定のピンパッジです。async 発売記念ピンバッジ 926円です。
↓ async と書かれています。
↓ パッケージ裏側です。
Tシャツ(会場限定)
会場限定でTシャツも販売されています。
↓ このような感じのTシャツです。
その他CDなどもあります
あぁ、懐かしい坂本龍一のCDがぁ!!
シンセサイザーなども置いてあります。
ARTURIA MicroBrute RED。かわいくもカッコイイ!
KORG MICROKORG-S、MONOTRON DELAYと MONOTRON DUO。
KORGのモノトロンDUOとモノトロンディレイは電源を入れて遊ぶ事ができます!
カフェもかわいいお店でした。コーヒーでも飲みながらゆっくりとするのがいいですね。
1F communication wall
忘れてはならないのは、1Fのチケットカウンター横に設置されている、Communication Wall。僕は、マッキー極細にこのようなカラーバリエーションがある事に驚きでしたが、みなさん、坂本龍一さんへのコメントを書いていました。
坂本龍一さんご本人からの回答やコメントがあるかも!という事ですので楽しみですね!
自分の好きな付箋を持っていってもいいのではないでしょうか!?目立ったモノ勝ちでしょう!年齢を考えると大きめの文字の方がいいかと思いますよ!
このページで回答も確認できますね!スゲェ!
ムジークエレクトロニクガイサイン製スピーカーが欲しい
ムジークエレクトロニクガイサイン製のスピーカーっていくら位なのかな・・?と気になりますよね。アマゾンでも RL906 であれば購入ができるようです!(島村楽器が販売)↓1本での販売です。ステレオにするには、もう2本セットで購入しましょう。
The そうじろう には買えないランクです・・。
坂本龍一 設置音楽展 関連図書の紹介
ニューアルバム async 発売によって、坂本龍一を取り上げた雑誌などが発売されています。事前に読んでから設置音楽展に足を運ぶのも良いかと思います。
ブルータスでは冒頭で4ページ分のインタビューが掲載されています。4ページといっても写真が大きく文字は少なめですが、雪の積もった自宅の庭で音を採取する写真など興味深いです。プラス2ページ分写真が掲載されています。(特集の扉として)
さらにページを進めた 98ページからは RYUICHI SAKAMOTO DOCUMENT no.2 のブルータス版 16ページ分とインタビュー2ページ分が掲載されていました。
最近発売された美術手帖。まだ見ていないですが、期待。「あるがままのSとNにMを求めて」・・ S、N、M って何!?
追加情報:細野晴臣さんナビゲートのN・S・ハルシャ展もオススメ
六本木ヒルズの森美術館で開催中の N・S・ハルシャ展では、音声ガイドのナビゲーターとして細野晴臣さんが担当されています。
先日いってきたのですが、やはり細野さんの声を聴くとほっこりしますよ!この N・S・ハルシャさんはインドの方なのですよね〜。
この N・S・ハルシャ展は、1,800円なのですが見所たっぷりです!
- 六本木ヒルズ森タワー 52階展望台 に入って眺めを東京を俯瞰できる!
- N・S・ハルシャ展は、音声ガイドが無料!
- 東京シティビューで開催している マーベル展に入場できる!
1,800円でかなり楽しめます!
マーベル展についてもまとめていますので、興味がありましたらどうぞ!(坂本龍一とは結びつかないと思いますが)
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マーベル展@六本木ヒルズ の歩き方。充実した展示、グッズ、フォトスポットで満足できる展覧会!
六本木ヒルズの展望台である”東京シティビュー”で開催されている『マーベル展』AGE OF HEROES に行ってきました。アメリカンコミックスのマーベルのコミックスの原画、映像作品に関するコスチューム ...
↓ 調べていたら、音声ガイドをYouTubeで聞ける事ができました。(会場で楽しむ事をオススメしますが・・)
本記事を書いて嬉しかった事が・・
本当に個人的な内容(思い)ですが・・
吉村英一さんより以下のようなツイートをいただきました。
すばらしいガイド記事、ありがとうございます!https://t.co/9VdTEwGXI7
— 吉村栄一 (@E_Yoshimura) April 10, 2017
主催・展示立場からすると、勝手にこんなに公開しやがって!と怒られると心配していただけに、ギリギリセーフだったかな・・。
さらに、ご本人様のfacebookでもリンクをシェアしていただきました!
幸福感にひたっています・・。