成美堂出版の『マンガ 日本の歴史』がなかなか良いです。2019年7月に発刊されたばかりですが、マンガとしての完成度も高く、参考書としても使いやすい、全8巻で令和元年までサポートしコンパクト、オールカラーなど魅力満載です。日本史マンガの新潮流だと感じました。イメージとしてマンガ65%、解説35%の割合(イメージです)。各章冒頭に"これまでのあらすじ"があり一旦これまでを振り返り、今回の登場人物相関図をさらりと眺めた上でマンガ本編に突入。マンガの画面構成がドラマティックで印象的。しかも話の流れが自然であり歴史の流れに納得感を持って理解できるように工夫されている。(とにかく出来事を並べとけばよい、という作りではないので好感が持てる)マンガの後は主要な項目ごとに絵付きの解説が用意されています。マンガ→解説(復習と深堀)→次の章の冒頭でこれまでのあらすじで復習となり、記憶としての定着も期待できます。
この成美堂出版の『マンガ 日本の歴史』はおすすめの日本の歴史マンガではあるのですが、注意点が二つ。
目次
成美堂出版『マンガ 日本の歴史』の注意点
成美堂出版『マンガ 日本の歴史』で気になったのは以下の2点。個人的には大きな問題ではありませんが購入前に知っておいた方がよいかと思います。
1) 学習指導要領準拠の記載がない
文部科学省が定める学習指導要領にたいして準拠している旨の記載がありません。制作にあたり十分配慮はされているかと推測しますが、明示されていないため教科書の記載などと表現が異なる可能性があります。
例えば2020年度の改定について角川まんがでは対応を発表しています。→ こちら参照
ただし、角川まんがとしても2019年11月以降の重版分より内容更新版となるようで市中在庫としては改定されていない可能性が高いと思われます。
そういった点では、成美堂出版『マンガ 日本の歴史』でもあまり変わりはないと考えてよいのではないでしょうか。
2) 発刊されたばかりで誤記がある
成美堂出版『マンガ 日本の歴史』は2019年7月に発刊されたばかりで、まだ改版もなされておらず誤記があります。
正誤情報については成美堂出版のHPで公開されています。→ 正誤情報
集英社 『学習まんが 日本の歴史』も2016年10月発刊当時正誤問題がありました。HPでの情報公開し訂正用のシールも用意されています。東日本大震災の日付が誤っていた20巻については交換も受け付けています。
成美堂出版『マンガ 日本の歴史』においては7巻(14箇所)、8巻(14箇所)での正誤情報が多いです。丁寧な解説もあり文字数が多いためエラー数が多くなるのは理解できるのですが、少し多いように思います。
これらの注意点に対する考え方
日本史マンガは、マンガ媒体を活かし、歴史の流れについて興味を持って把握することが目的だと考えると大きな問題ではないように考えています。逆に教科書や他の参考書との表記の違いに気づくことで記憶に残りやすくなる可能性もあります。
もちろん間違ったまま覚えてしまう可能性もありますが、授業や問題集もやらずに歴史マンガだけで学習し試験に突入するケースはマレかと考えます。
(のように出版社側も考えていたら怖いですね)
誤記については、魅力ある日本史マンガで僕としてはイチオシの存在なので少し残念です。
成美堂出版『マンガ 日本の歴史』の基本情報
公式情報としては以下の通りです。(全巻セットの解説を引用)
コミック感覚で読める、全く新しいテイストの歴史学習マンガシリーズ全8巻セット。
オールカラーでどこよりも読みやすい。学校の勉強や調べ学習、受験勉強にも使える!
イラストや写真、図解でわかりやすくまとめた解説やコラムも多数収録。
セット特典として、「年表入りB6サイズクリアファイル」2枚入り。川口 素生 監修
ISBN:978-4-415-32789-1
2019年11月22日発行
B6判 256ページ
価格 8,360円 (税込)
各巻で紹介されている時代レンジは以下の通りです。
タイトル | 概要 | 価格 | 備考 |
---|---|---|---|
『マンガ 日本の歴史 1』 | ニッポンの始まり(旧石器時代から奈良時代まで) | 1045円 | 正誤情報 |
『マンガ 日本の歴史 2』 | 平安京と源平合戦(平安時代) | 1045円 | 正誤情報 |
『マンガ 日本の歴史 3』 | 武家政権の成立(鎌倉時代から南北朝時代まで) | 1045円 | |
『マンガ 日本の歴史 4』 | 群雄割拠の戦国時代(室町時代から戦国時代まで) | 1045円 | |
『マンガ 日本の歴史 5』 | 天下統一と関ヶ原(安土桃山時代) | 1045円 | 正誤情報 |
『マンガ 日本の歴史 6』 | 江戸の泰平と動揺(江戸時代) | 1045円 | 正誤情報 |
『マンガ 日本の歴史 7』 | 明治維新と近代国家(江戸時代から明治時代前期まで) | 1045円 | 正誤情報 |
『マンガ 日本の歴史 8』 | 戦争の時代から現代へ(明治・大正・昭和・平成時代) | 1045円 | 正誤情報 |
全巻セット | 「年表入りB6サイズクリアファイル」2枚入り | 8360円 |
全巻セットを購入しても割引はありません。全巻セット購入のメリットは後述します。
印象的な表紙、マンガとしてのクオリティも評価できる
僕は全巻セットを購入しました。
特に気に入っているのは印象的な表紙とマンガとしてのクオリティです。
表紙がキレイ。
他の出版社では表紙だけ各巻で異なるイラストレーターが起用され統一感のないケースも多いのですが、成美堂出版『マンガ 日本の歴史』では(イラストレーターさんは異なるかもしれませんが)レイアウトに統一感があり、さらにキレイなイラストになっています。(カバーを外しても単色ですがイラストがプリントされています)
カバーイラストは1巻から、卑弥呼(白皙)、源義経(tsukasa)、足利尊氏(間宮彩智)、織田信長(白皙)、淀殿(二尋鴇彦)、徳川家康(憂)、坂本龍馬(ラディカルデザインオフィス)、平塚らいてう(憂)。(カッコ内はイラストレーターさんです)
こちらを見ているような真正面をとらえたイラストで印象に残ります。
このキレイな(カッコいい)人って誰だろう、というところからも歴史に興味を持っていくことができます。
マンガのクオリティが高い。
例えば8巻の冒頭は印象的です。
日本とイギリスとの間で「日英通商航海条約」が調印される1894年のシーンから始まり、「ここまで本当に長い道のりだった・・・」と1871年からの交渉を回想する形で紹介していく。非常にドラマティックで印象に残る展開でした。
しかもこれらがオールカラー。
もちろん全てがドラマティックな展開にはできませんが、マンガ、イラスト・図、説明でうまく歴史の流れを表現できていると感じました。
SNSを検索すると、制作に携わった方が「担当した」という声をあげているのも印象的です。→ twitter
多くの方の合作のようですが、なかなかの仕上がりだと感じました。
全8巻という冊数が良い。
成美堂出版『マンガ 日本の歴史』は全8巻。他社のマンガと比較すると非常にコンパクトで住宅事情にもやさしいです。
この巻数の少なさは、読み手のモチベーションキープに役立ちますし、持ち運びにも便利です。
全巻セット購入のメリットと特典。
今回思い切って、成美堂出版『マンガ 日本の歴史』の全巻セットを購入しました。
実は前回全巻セットを購入して少し後悔していたのですが・・。
▼ご参考
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全巻セット購入の価格メリットはありません。
全巻セットを購入してもセット割引などは無く8冊分の価格でした。
全巻購入しても8,360円で1万円を切っています。これも全巻セット購入の理由ではあります。
全巻セットなら箱入りなのがうれしい。
全巻セットで購入すると箱入りなのがうれしいです。
本棚に入れる場合には関係ありませんがプレゼントとしては、箱に入っていると印象が良いですね。
全巻セット特典は「年表入りB6サイズクリアファイル」
全巻セットの購入特典は"「年表入りB6サイズクリアファイル」2枚"。
持ち歩けば、パッと年表を確認できるので空き時間での復習にいいかもしれません。
プライム会員ならポイントが!
全巻セットとは直接の関係はありませんが、アマゾンプライム会員ならポイントが付きます。(~1月31日まで)
また全巻セットではなく各巻をバラでまとめて購入すれば8冊の購入となり、クーポンを入力するとまとめ買いポイントが付きます!
→ こちらの特設ページをご確認ください。
成美堂出版『マンガ 日本の歴史』個人的な口コミまとめ
成美堂出版『マンガ 日本の歴史』について紹介してきました。個人的にはかなりおススメ。受験勉強から社会人まで幅広く対応できています。
これまで紹介した個人的な感想・口コミをまとめると・・
ポイント
構成が工夫されており、記憶の定着に役立ちそう
表紙がキレイで印象に残る。その人物に興味が持て、記憶に残る
マンガの構成が秀逸でおもしろく、わかりやすい。しかもオールカラー。
解説にはイラストが多く、理解しやすい
全8巻とコンパクトな分量
全8巻なので全巻購入しても比較的安価
始めに紹介した誤記の問題はありますが、非常に良い日本史マンガなので誤記を理由に購入しないのは損かな、と思っています。(せっかくの良本なので、誤記を認識した上で活用した方が良い)
以上です!
▼日本の歴史マンガ関連ご参考記事
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