今まで電子辞書としてはカシオのエクスワードしか使ったことがありませんでしたが、今回初めてシャープのBrain(ブレーン)を購入。実際に使ってみて思うところがあったためカシオの電子辞書と比較しながらレビュー紹介します!
購入したのは 2021年発売の 高校生モデル PW-H1。価格がAmazonで約1.5万円(2023/2当時)と安いこともあり購入しました!
比較したのはカシオの高校生モデルは2020年発売の XD-XS4900 。
シャープBrain PW-H1 と カシオ XS-XS4900 との比較結果の要点としては以下の通りです。
シャープ・カシオ比較結果
- 液晶の見栄え、文字の見た目の印象・・・カシオの方がよい
- キータッチ(入力のしやすさ)・・・カシオの方がよい
- スピーカーの聞こえやすさ・・・シャープはエッジが立ち聞き取りやすい傾向はあるが音が割れしやすい。トータルではカシオの方がよい印象。
- コンテンツの使いやすさ・・・シャープが良い
- デザイン・・・シャープが好み
- 大きさ・・・シャープが小さくスリム
- 重量・・・シャープの方が軽い(シャープ 260g カシオ 290g(電池込み))
- スマホスタイル・・・シャープのみ
- 電池・・・シャープは内蔵リチウムイオンバッテリー、カシオは単三乾電池2本
カシオのエクスワードの方が高校生なら毎日使う電子辞書として重要な、入力のしやすさ部分(キーボード)、画面の見やすさ(ディスプレイの見栄え)がよく、なるほど売り上げNo.1というのも頷けます。
しかし、シャープ ブレ-ンにもカシオにはない良いポイントが多数あり、シャープも"アリ"と言えます。
今回購入した2021年モデルは1世代前のモデルで、約1.5万円で購入できました!
(シャープの2023年モデルは存在せず、2023年春時点では2022年モデルの PW-S2、PW-H2が最新モデル。PW-S1、PW-H1が1世代前のモデルになります)
▼ コンテンツ数 241 のスタンダードモデル PW-H1。(今回紹介のモデル) 在庫限りのため、購入はお早めに!
▼ コンテンツ数 280のBrain 2021年英語強化モデル PW-S1
高校生の英語学習のメインとなる英和辞書はカシオと同じジーニアスですし、辞書以外のコンテンツの使いやすさ、デザインの良さを考えると満足度が高い買い物でした!
目次
シャープBrain高校生モデル「PW-H1」の実機をチェック!
実際に購入したシャープBrain高校生モデル「PW-H1」の実機をチェックしていきましょう!
ブレーンのパッケージはシンプルなデザインでありながら、ちょっと好みのデザインでした。(箱はすぐに捨てると思いますが!)
▼ セット内容はシンプルです。電子辞書本体、充電用のUSBケーブル、USBチャージャー、そして説明書です。
説明書は簡易的な内容です。詳細な使い方は電子辞書内で閲覧可能です。また、PDFでスマホなどから確認することもできます。
▼ 充電用のUSBケーブルは Micro USB=USB-A のタイプ。
▼ USBチャージャー(ACアダプター)は5.0V 1Aの出力。スマートフォン用のチャージャーが USB-Aの端子ならば兼用できるはずですが、本体内蔵の説明書には「かならず付属品をご使用ください」と記載されています。
一度充電する「バッテリー駆動時間は約140時間」であり、かなり持ちます。
▼ シャープBrain高校生モデル「PW-H1」の本体。今回購入したのは「PW-H1-K」というネイビー系のカラーモデルでした。(K=クロだと思っていたのですが結果オーライということで)
▼ 表面は凹凸があり、耐久性が高そうな印象。手触りもよいです。
▼ 本体裏側。写真左下側には Micro SDメモリーカードスロットが見える。カードにより辞書の追加やデータのバックアップが可能です。
▼ タッチペンは本体に収納可能です。
▼ シャープBrain高校生モデル「PW-H1」の重量は実測で255g。(仕様では 約260g)カシオXD-SX4900は293gでした。
付属のACアダプター、USBケーブルも含めると 305gでした。
付属品を含めるとカシオXD-SX4900の293gの重量を超えますが、ACアダプターはスマホ用のUSBチャージャーまたはモバイルバッテリーと共用可能ですし、カシオの場合には安全を考えると予備の電池を持ち歩く必要があるため、トータルではシャープが軽量だと考えます。
▼ サイズとしてもカシオ XD-SX4900 よりもシャープ「PW-H1」の方がコンパクトでスリム。毎日通学の際に持ち歩くモノなのでコンパクトで軽量なシャープBrainにアドバンテージあり。
機種 | サイズ |
シャープ PW-H1 | 幅152.4mm × 奥行94.5mm × 高さ17.9mm |
カシオ XD-SX4900 | 幅157.5mm × 奥行101.0mm × 高さ 18.4mm |
▼ 液晶ディスプレイとキーボード。シャープとカシオでサイズに大きな違いはない。スピーカーについては、シャープBrainではキーボード面に設置されており、聞き取りやすい傾向はあるが、カシオの方が厚みのある音質。
キーボードの下側(手前側)の4方向キー、戻る・決定キーなどはシャープは密集していますが、カシオは島が設けられグループごとに区分けされておりわかりやすい。シャープは文字サイズの変更・音声のサイズがキーボードでダイレクトにできる設計であり非常に便利。(カシオは画面横の機能メニューボタンから文字サイズ、音声再生する必要あり)
決定キーの位置については、シャープは右端、カシオは中央。
考え方としてはどちらも"アリ"。
どちらの配置であれ、使っていれば慣れると考えます。(個人的には使い慣れていることもあり、カシオの配置の方が 入力>決定>スクロールの流れが自然で好みです。)
キーの形状はカシオもシャープも似通っていますが、押しやすさはカシオが上です。シャープはややキーが硬く、入力ミスにつながる傾向です。カシオはキーが軽く、確実に入力できる傾向、かつ疲れにくいです。
シャープBrainの特徴として、画面をフリップ(ひっくり返)して片手で使いやすい「縦型学習スタイル」が可能。これはカシオにない機能です。
ここまでをまとめると以下の通りです。
ポイント
- シャープ Brain の電池は内蔵リチウムイオンで充電式
- シャープ Brain はカシオに対してコンパクトで軽量
- キーボードはシャープはキーが硬い傾向
- スピーカーの音質はカシオが上
- シャープ Brain は「縦型学習スタイル」が可能(カシオはできない)
シャープBrain高校生モデル「PW-H1」の使い勝手をチェック!
ここでは、シャープBrain高校生モデル「PW-H1」の使い勝手について紹介していきます。
ディスプレイの見栄えとフォント
使っていて少し気になったのは、液晶画面の見栄えです。
カシオはディスプレイがTFT液晶であることを訴求しており、シャープはカラー高精細液晶という表現です。
シャープ:5.5型WVGA+カラー液晶(854 × 480ドット、横121.1mm × 縦68.0mm)
カシオ:5.7型タッチパネル(5.2型 864×480ドット TFTカラー液晶)
シャープBrainについては「TFT液晶」なのかVAやTNなのかを明示していません。しかし、シャープの説明書にはTFTカラー液晶パネルだと明示されていました。
TFTカラー液晶パネルについて
https://jp.sharp/support/dictionary/doc/pwh1_bin-p.pdf?productId=PW-H1
TFTカラー液晶パネルは⾮常に精密度の⾼い技術で作られておりますが、画⾯の⼀部に点灯しない
画素や常時点灯する画素がある場合があります。また、⾒る⾓度によって⾊むらや明るさむらが⾒
える場合があります。これらは、故障ではありませんので、あらかじめご了承ください。
同じTFT液晶でもかカシオとシャープとでは見栄えがかなり違う印象です。
シャープBrainの方が青みがかっています。また、写真などを表示した際には左右からの視野角が狭く、角度によって色が変化しやすい傾向にあります。
電子辞書の使い方を考えると、角度による変化はあまり考える必要はないかもしれません。(個人的には気になります)
また、フォントについてシャープは「なめらかフォント」としてDynaComware の DynaFontを使用。カシオはアウトラインフォントを使用しています。
デフォルトのゴシック体の見た目はカシオの方がスッキリとして見やすい印象です。
ただし、このフォントの違いは致命的ではなく「並べて比較すれば違う」という話であり、シャープの電子辞書でも実用上は問題ありません。
ジーニアス英和辞典の見やすさ
高校生の辞書としてよく使われるであろうジーニアス英和辞典での言葉の意味の表示の一覧性については、シャープの方が好印象でした。
意味の多い 'take' を例に比較します。
カシオ エクスワード XD-SX4900 の場合
カシオエクスワードSD-SX4900の場合には、まず[語義インデックス]にて複数の意味を一覧が可能です。この中から「これは」と思う語義が見つかれば、緑色のリンクをタップして詳細な内容にジャンプが可能です。
下にスクロールすると、それぞれの語義について説明がされます。紙の辞書を電子辞書に収めたイメージで、全ての例文も列挙されています。
上の写真では①の語義ですが、この例文が多く、かなりスクロールしなければ②の語義に到達できません。上の写真から下キーを80回程度押すことで下の写真の状態になりました。(ページ送りキーで9回の操作が必要)
例文も目に入るというメリットを感じつつも、何の意味の例文なのかも失念してしまう画面構成です。
シャープBrain高校生モデル「PW-H1」の場合
シャープの場合には通常表示では例文が画面内でボタン化されており、次の語義まで到達しやすいのが特徴です。
▼ ①の語義 [例文]や[解説]は画面内のボタン(ラベル)をタップすることで表示されるシステム。
カシオとは異なり、少しスクロールすれば②の語義が登場する。
確認したい例文があれば[例]をタップすることで例文を確認できる。下の写真では2分割画面だが、この状態で決定キーを押すことで例文のみの画面に切り替わります。
カシオの項で紹介した、語義一覧(インデックス)はシャープにはないのか?という疑問がわきます。
▼ 再掲 カシオの語義インデックス
語義一覧については、先頭の[解説]をタップすることで表示が可能です。
しかもカシオよりもシャープの方が整列されていてかなり見やすい。
ただし、この語義一覧から詳細な説明へジャンプすることはできないため、番号を覚えてスクロールしていく必要があります。
このように細かく比較していくと、シャープの電子辞書も「なかなかよく作り込まれている!」と感じてきます。
その他コンテンツの使いやすさ
電子辞書は辞書以外のコンテンツを収録しています。「これだけの書籍(問題集)が含まれていてオトク!」という感覚になる部分もありますが、「そのコンテンツが電子辞書内で活用できるならオトク」なのです。
カシオ・シャープの高校生モデルに搭載されている山川出版社の「山川一問一答日本史」で確認していきましょう。
山川一問一答シリーズは定番の問題集。書籍版では問題の右側に解答が赤字で書いてあり、赤シートで解答を隠しながら勉強するスタイルの問題集です。
カシオ エクスワード XD-SX4900 の場合
カシオ エクスワード SX-SX4900の場合には、勉強スタイルが2種類用意されており、解答が隠れたパターンと解答が見えているパターンがあります。
解答が見えていては仕方がないため、解答が隠されているパターンを紹介します。
上の写真の通り、カシオの場合には、解答がリンクになっていてタップすることで解答のページが表示されます。解答を見た後には[戻る]で問題の画面に戻る必要があります。
カシオの場合には、書籍版の一問一答シリーズとはかけ離れた使い勝手であり、正直効率が悪く"使えない"印象です。(気長に使うことはできますが、真剣に学習するならば書籍またはスマホアプリ版を購入することになると考えます)
シャープBrain高校生モデル「PW-H1」の場合
シャープの山川一問一答についてはかなり実用的でした。
▼ 赤シートなどの疑似カラーシートで解答を隠しながら学習ができるのです。(シートはタッチペンで見える範囲を変えていきます)
画面をフリップして「縦型学習スタイル」で学習も可能。通学の電車内などでも使えそうです!
以上のように一例ではありますが、コンテンツでの学習については、シャープの方がよく考えられている、と感じました。
電子辞書シャープvs.カシオ(旧モデル比較)結論
以上、今回購入した2021年発売のシャープBrain高校生モデル「PW-H1」の紹介と2020年発売のカシオ エクスワード XD-SX4900との比較について紹介してきました。
実際に使いながら比較してみると、さまざまな違いが見えてきました。
今回、シャープ、カシオともに古い機種での比較となりましたが、基本的な筐体の作りや使い勝手については、最新モデル(シャープ 2022年発売、カシオ 2023年発売のモデル)と変わりはありません。
▼ 比較結果(再掲)
シャープ・カシオ比較結果
- 液晶の見栄え、文字の見た目の印象・・・カシオの方がよい
- キータッチ(入力のしやすさ)・・・カシオの方がよい
- スピーカーの聞こえやすさ・・・シャープはエッジが立ち聞き取りやすい傾向はあるが音が割れしやすい。トータルではカシオの方がよい印象。
- コンテンツの使いやすさ・・・シャープが良い
- デザイン・・・シャープが好み
- 大きさ・・・シャープが小さくスリム
- 重量・・・シャープの方が軽い(シャープ 260g カシオ 290g(電池込み))
- スマホスタイル・・・シャープのみ
- 電池・・・シャープは内蔵リチウムイオンバッテリー、カシオは単三乾電池2本
画面の見やすさ、キーボードの入力のしやすさではカシオが優位ですが、使い込むほどに「実はシャープの方が使いやすいのでは?」と考えるようになってきました。
また、本体についてはシャープの方がデザインが良く、スリムでコンパクト、そして軽量なのも魅力です。
電池についても、カシオの場合には交換頻度も高く、結構単三電池を消費する傾向にあります。
(カシオの仕様としても実用的な使い方で約45時間とされています。1日 1時間使えば1.5ヶ月で交換が必要な計算になります)
電池の購入・交換・廃棄まで考えると結構なコスト・手間になりそうです。
一方でシャープの場合には充電池であるため、ランニングコストとしては抑えられます。
購入してかなり遊んでいますが、電池残量の表示がなかなか減りません。
電池寿命が来た場合には、電池交換の修理が必要ですが、この傾向であれば高校生活の中で寿命となることはないでしょう。
シャープ電子辞書Brain高校生モデルラインナップ
2023年2月時点でのシャープ電子辞書Brainの高校生モデルラインナップは以下の通りです。
2022年発売
詳細なコンテンツの比較については公式ページを参照していただきたいのですが、2021年発売のモデルに対して以下のアップデートがあります。(主なもの)
- 『新学習指導要領』で2022年度より必修単位となる『総合的な探究の時間』に役立つ「探究学習」メニューを新搭載
- 『コンパスローズ英和辞典』の追加
- 最新版の国語辞典(新明解国語辞典 第七版→第八版、明鏡国語辞典 第二版→第三版)
■ PW-S2 英語強化モデル(リーダーズ英和辞典、ロングマン連語類語辞典などを搭載)
■ PW-H2 スタンダードモデル
2021年発売
2022年発売のモデルに対して、コンテンツが一部古いところもありますが、2021年モデルは価格の安さが魅力です。
今回紹介したスタンダードモデルの PW-H1 は、2023/2/19時点で 14,500円で購入可能です。コスト重視であれば狙い目の機種です!
■ PW-S1 英語強化モデル(リーダーズ英和辞典、ロングマン連語類語辞典などを搭載)
■ PW-H1 今回紹介したモデルです。気に入っています。この価格ならアリでしょう!
▼ カシオの電子辞書高校生モデルについては最新動向などを別記事にて紹介しています!