アクションカメラ(アクションカム)の代表作である GoPro。この GoPro HERO11 Black を2022年10月に購入して以来、プライベートの旅にイベント取材にと、かなりの時間の動画を撮影してきました!もう GoPro なしの撮影は考えられません。
▼ 例えば、このような動画を GoPro で撮影しています!
GoPro を使っている中で、かなりの種類のアクセサリーも購入しました。その中でも最も大切なアクセサリーが、メモリーカード(microSDカード)です。
撮影し、PCに転送し、編集するという一連の流れにおいて、メモリーカードは撮影(カードへの書き込み)、転送(カードからの読み出し)に関わり、動画制作ワークフローにおいて重要なツール・環境になります。
この記事では、GoProに使うメモリーカードの選び方、おすすめのメモリーカード、そしておすすめのカード容量に解説します。
*本ページでは、microSDHCカード(2GB~32GB)、microSDXCカード(32GB~2TB)を区別せずに、「microSDカード」と表現します。
目次
GoProで使えるカード、動作保証されているカード
GoPro公式に記載されている推奨microSDカード
GoPro公式のページには、動作する microSDカード の最小要件と 推奨microSDカード が記載されています。
GoProカメラで動作するSDカード | GoPro公式2023/05/10
この内容は、HERO11 Black、HERO11 Black Mini、HERO10 Black、HERO10 Black Bones の機種が対象です。
まずは最小要件について確認しましょう。
この条件にマッチするカードは「ブランドによっては推奨も保証もされていないが、GoProで使える(はずの)カード」だと言えます。
【補足】スピードクラス V30またはUHS-3 について
「v30」はビデオスピードクラスを意味し、最低保証速度 30MB/s を満たすカードのことです。(安定的に30MB/sで記録し続けられるカード)
「UHS-3」はUHSスピードクラス3 の意味で、V30と同様に最低保証速度 30MB/s を満たすカードです。
(参考:UHSスピードクラスは SDバスインタフェース仕様のバスモードを定義した UHS-Ⅰ、UHS-Ⅱ、UHS-Ⅲとは別のモノです)
スピードクラスについては、SDアソシエーション(SDカードの規格団体)の解説がわかりやすいです。
V30 は カード上に V30 のアイコンが、UHSスピードクラス3 は、"Uの中に3" 書かれたアイコンがカードに表記されています。
最高書き込み速度が速いだけではNGで、安定的に30MB/s以上で継続して書き込みができる メモリーカードが最小要件なのです。
GoProに、V30ではないカードは使えるのか?
上記最小要件である「V30」(ビデオスピードクラス 30、最低保証速度 30MB/s)ではない microSD をGoPro HERO11 に挿入すると、注意喚起のメッセージが表示されます。
SDカードをアップグレードしてください
お使いのSDカードは、一部の設定には速度が遅すぎる可能性があります。性能を最大限に高めるため、より高速なカード(V30以上)を使用してください。
□ 次回から表示しない。
"一部の設定には"という表現であるため、設定によっては V30 を満たさないカードでも使えることを意味します。
上記メッセージを無視して、V30ではないカードでも撮影は可能です。実際に、サンディスク ウルトラ microSDHC/microSDXC UHS-Iカード でも 4K 60p で撮影記録が可能でした。
ただし、これが長時間、繰り返して撮影した場合にも安定的に撮影できるかどうかについては、カード側でV30に対応していないことから保証はできないことになります。
動画撮影においてリスクを取ってまで低速カードを使用する必要はなく、しっかり V30 に対応したメモリーカードを使いましょう。
GoPro HERO11 の実質的なビットレート(1秒あたりの書き込み量)について
GoProの1秒あたりの書き込み量から、最小要件 である 最低保証速度 30MB/s の必要性について確認しておきましょう。
GoPro が記録するビットレート(Mbps)について公式情報にて確認することはできませんでしたが、128GBのメモリーカードを使用した場合の平均録画撮影時間については公開されています。
書かれている情報の中で最も短い録画時間が 2時間1分でした。(5.3K 60 高ビットレート時)
ここから容量 128GBを用いて逆算すると、GoProの書き込みビットレートは 18.05MB/s(=144Mbps) になります。
GoProの場合には、記録する動画の他にカメラ内での再生用の低解像度の動画ファイル(.LRV Low Resolution Video )も記録しており、それらを含めての書き込みビットレートになります。
算出した1秒あたりの書き込み量であれば、ビデオスピードクラス 10(v10、最低保証速度 10MB/s)では速度が足りませんし、最小要件がビデオスピードクラス 30(v30)というのは理解できます。また、v30の一段上のビデオスピードクラスである v60(最低保証速度 60MB/s) のカードは、GoProで撮影するという点だけを見れば、オーバースペックになります。
GoPro公式の推奨カード一覧
GoPro 公式サイトにて推奨カードとされている microSDのメーカー、シリーズ名の一覧は以下の通りです。
GoProカメラで動作するSDカード | GoPro公式2023/05/10 を元に表にしています。カードの中には日本では正規ルートでは手に入らないカードもあります。(例 Amazon Basics のメモリーカード)
ブランド・メーカー | シリーズ名 | R/W MIB/s |
SanDisk | Extreme シリーズ Extreme PLUS シリーズ Extreme PROシリーズ | 190/90 170/90 170/90 |
Lexar | FLYシリーズ Professional 1066x Silverシリーズ | 160/90 160/120 |
PNY | Elite-Xシリーズ Premier-Xシリーズ PRO Eliteシリーズ | 100/? ?/? 100/90 |
Samsung | EVO Plus シリーズ EVO Select シリーズ PRO Plusシリーズ | 130/? 100/90 160/120 |
Gigastone | 4K Camera Proシリーズ | 130/85 |
Amazon Basics | 64 / 128 / 256 / 512GB | 100/90 |
ADATA | High Enduranceシリーズ Premiere Proシリーズ | 100/80 100/80 |
Kingston | Canvas Go! Plusシリーズ | 170/90 |
日本国内代理店の動作保証カードはさらに少ない
日本のGoPro代理店であるタジマモーターコーポレーションでは、下記リンクにて動作保証するmicroSDカードを公開しています。上記の GoPro.comで列挙されているメーカー、カードシリーズからかなり絞られています。(SanDisk Extremeシリーズ、ADATA MAX Performanceシリーズ のみ動作保証。また、上記 GoPro公式よりも日付が古い)
タジマモーターコーポレーションのサポートを受ける場合には、ここに書かれているカード以外の使用の場合は動作保証されないという事になります。
Q:GoPro用microSDカード適合表(2022.9.14現在)| タジマモーターコーポレーション
この表に従うと、SanDiskでは256GBまで、ADATAでは512GBまでのカードしか選択できなくなってしまいます。
ユーザーとしては、さすがに 512GBや1TBなども使用したいはず。
また、私もそうなのですが、GoProカメラをGoPro公式で購入した場合など、タジマモーターコーポレーション/GoPro事業部発行の保証書が無い場合などはタジマモーターコーポレーションの保証対象外です。
GoPro用として、安心して使える microSD カード(おすすめ)
おすすめは SanDisk Extreme !
GoPro公式の推奨カード、タジマモーターコーポレーションの動作保証カードで共通して書かれているカードは「SanDisk Extreme」(サンディスク エクストリーム® microSDXC™ UHS-Iカード)です。
この「SanDisk Extreme」の microSDカードを選択しておけば間違いない!と考えます。
(GoPro公式でカメラと一緒にメモリーカードを購入した際も SanDisk Extremeが送られてきました。私がメインで使用しているカードも SanDisk Extreme で、これまでトラブルは発生していません)
▼ SanDisk Extreme microSDXCカード 256GB のアクセス速度測定結果は以下の通りです。Amazonで購入した並行輸入品ですが、スペック最大の リード 190MB/s、ライト 130MB/s に近い数値が出ています。
(ProGrade Digital (プログレードデジタル) 【CFexpress Type B/SD】 USB3.2Gen2 ダブルスロットカードリーダー (PG05.5) 正規輸入品 を使用。デスクトップPCの USB3.2Gen2(10Gbps)のポートにリーダーライターを接続して測定)
SanDisk Extreme microSDXCカードであれば、大きくなりがちな撮影データのPCへのコピー作業時間も短くなり、動画制作ワークフローの高速化に貢献します。
上記スピード測定の環境の場合に、11GBの動画ファイルのコピー時間を測ったところ → 65秒 でした!早い!(=173MB/s相当)
これが例えば 90MB/s のリードスピードの場合には、約2倍の 125秒かかることになります。
(110GB分のコピーなら、10分間の時間の差が生じます。上記速度を達成するには適切なPCインターフェース、カードリーダーを使用する必要があります)
SanDisk Extreme microSDXCカード では、32GB~1 TBまでの容量が用意されています。(容量によりスピードが異なります)
用途に合わせて容量をチョイスしましょう!
カード容量の考え方については後述します。
SanDisk Extreme おすすめの購入先はアマゾン!(正規品なのに安い)
GoPro用のメモリーカードとして非常におすすめの SanDisk Extreme microSDXCカード なのですが、購入のネックとなるのが 価格 です。
例えば ビックカメラで 256GB の Extreme を購入しようとすると 21,780円 の出費になります!
SanDiskブランドはウエスタンデジタルの1ブランドです。そのウエスタンデジタルの公式ストアの価格、ビックカメラ.comの価格、Amazon.co.jpでの価格について比較すると、以下の通りです。(2023/6/17現在)
Amazon.co.jp については、出荷元、販売元がAmazon.co.jp の商品の価格です。
容量(R/W MB/s) | WD公式 | ビック | Amazon | 実質価格比 |
32GB(100/60) | 5,500円 | 3,710円 | 1,241円 | 2.7倍 |
64GB(170/80) | 7,700円 | 7,700円 | 1,874円 | 3.7倍 |
128GB(190/90) | 12,980円 | 10,940円 | 2,820円 | 3.5倍 |
256GB(190/130) | 21,780円 | 21,780円 | 4,209円 | 4.7倍 |
512GB(190/130) | 38,280円 | 34,800円 | 7,298円 | 4.3倍 |
1TB(190/130) | 76,780円 | 61,500円 | 15,189円 | 3.6倍 |
SanDisk Extreme microSDXCカードであっても、アマゾンで購入すればビック価格の1/3~1/4の価格です。
その他のブランドのmicroSDカードと同価格帯で購入できるのです!
しかもこの価格が 並行輸入品ではなく【サンディスク正規品】であるのがポイントです。
Amazon.co.jpが販売している 【 サンディスク 正規品 】SanDisk Extreme microSDXCカード については、「新パッケージ」と記載されており、推測ですが Amazon専用の簡易的なパッケージのようです。
また、Amazon.co.jpでは、データ復旧ソフト「レスキュープロ デラックス」の1年間無料利用特典 が付属しません。(量販店で販売されているパッケージにはコードが付属)
▼ データ復旧ソフト「レスキュープロ デラックス」の1年間無料利用特典のイメージ。(クリックで楽天市場へジャンプします)
レスキュープロデラックスについては、別途購入も可能ですし、別の復旧ソフトを購入してもよいでしょう。
その為、品番もWD公式・ビックカメラ.comと、Amazon.co.jpとでは異なります。
品番の違い
ウエスタンデジタル公式、ビックカメラ.com ▶ SDSQXAV-256G-JN3MD
Amazon.co.jp ▶ SDSQXAV-256G-GH3MA
品番の末尾(多分、パッケージ、流通ルートによる違い により変わるのかと)は異なりますが、リード、ライトのスピード記載について違いはなく、性能も保証も同じです。(次の注意事項もチェック願います)
カメラとの同時購入でカードが20%割引になるキャンペーンも開催されています。(2023/6/17現在)
Amazon.co.jp の価格は安すぎない。
Amazon.co.jpが販売している SanDiskのカードは異常に安い印象を受けますが、例えば米国の Amazon.comや 米国の代表的なカメラ販売店 B&H における販売価格(22.99USD)よりも若干高い程度であり「異常」ではなく「普通」の価格だと考えます。
アマゾンでの SanDisk Extreme microSDカード購入時の注意点!
大型カメラ量販店の 約 1/4 の価格で正規品の SanDisk Extreme microSDXCカードを販売するアマゾンですが、購入時には注意が必要です。
▼ 注意点はこちら。
メーカー保証の対象は、
出荷元 Amazon.co.jp
販売元 Amazon.co.jp
と表示されている商品のみとなります。Amazon.co.jp以外の出品者様の商品はメーカー保証対象外となりますので、販売元の出品者様にお問い合わせください。
必ず、出荷元、販売元がAmazon.co.jpであることを確認して購入しましょう!
並行輸入品の SanDisk Extreme microSDXCカード の方が若干安い場合もありますが、海外では、SanDisk Extreme microSDXC™ UHS-I CARD (Up to 160 MBPs) と SanDisk Extreme microSD™ Card for Mobile Gaming(読み込み最大190MB/s) とにシリーズが分かれていたりもするため注意が必要です。
少し安いからと言って Extreme の並行輸入品を購入するのではなく、購入するのであれば 出荷元、販売元がAmazon.co.jp の商品が安全です。
大切な撮影データーを記録するメモリーカードです。安心して使用できるメーカー保証のついたカードを購入して使用しましょう!
Sandisk Extreme 以外の選択肢
読み込み速度は 100MB/sになりますが、復旧ソフト RecoveRX を無償で提供される Transcend のmicroSDカード は価格が安いです。しかし、GoPro推奨カードではない点、商品ページに「ドライブレコーダーや監視カメラなどの書込み頻度の高い使用環境では、保証対象外となりますので、高耐久microSDカードをご使用下さい。」という記載もあり、GoPro用としては、おすすめし難いと考えます。
Transcendでも高耐久microSDカードならアリなのですが、価格がそれなりになるため、次に紹介する Samsungのカードの方がオススメです。
当サイトとしては、SanDisk Extreme が一推しではありますが、GoPro 推奨カードに入っている Samsung microSDカード EVO Plus であれば 256GB で ギガバイト単価 11円となり、結構安いです。
Samsungであれば信頼性の高いメーカーでもあり、安心して使えそうです。(読み込みスピードを重視しないのであれば アリ だと考えます)
▼ こちらもメーカー保証の関係から 出荷元、販売元がAmazon.co.jp の商品をチョイスしてください。
▼ サムスン microSDカード EVO Plus と PRO Plus についてレビュー紹介しています!スピード実測値なども公開しています。
GoPro用として、おすすめのメモリーカード容量は?
GoPro HERO11 Black で使う microSDカードのメモリーカード容量はどの程度必要なのでしょうか?
GoPro公式のサイトにて、128GBのメモリーカードを使用した場合の平均録画撮影時間について公開されています。
公開されている撮影時間については、128GBのカードを使用した際の時間です。その情報からよく使われる解像度・フレームレート(fps)のみを抜き出し、さらに256GBのカードを使用した際の記録時間について128GB時の時間を単純に倍にして追記したものが下の表です。
128GB | 256GB | ||||
解像度 (16:9) | fps | 高ビットレート | 標準ビットレート | 高ビットレート | 標準ビットレート |
5.3k | 60 | 2時間01分 | 3時間54分 | 4時間02分 | 7時間48分 |
5.3k | 30 | 2時間03分 | 4時間00分 | 4時間06分 | 8時間00分 |
4k | 60 | 2時間01分 | 3時間54分 | 4時間02分 | 7時間48分 |
4k | 30 | 2時間03分 | 5時間14分 | 4時間06分 | 10時間28分 |
1080p | 60 | 3時間54分 | 5時間04分 | 7時間48分 | 10時間08分 |
1080p | 30 | 4時間00分 | 5時間14分 | 8時間00分 | 10時間28分 |
撮影時間・画質・バッテリーの持ちや発熱などから、多くの方が 4K 30p 標準ビットレートを採用されると考えます。(私がその設定です)
4K 30p 標準ビットレート の場合、128GB で 5時間14分、256GBの場合に単純計算で 10時間28分の撮影が可能です。
大は小を兼ねはするのですが、あまりにも大容量の microSDカードを購入すると無駄に撮影してしまったり、PC側にコピーした際にPC側のストレージが足りなくなったり、カードが故障したり・カードを紛失してしまった際にこれまでに撮影したすべての撮影データーを失ってしまう可能性もあります。
使い方次第ではありますが、256GBで10時間近く撮影ができれば、数日の旅行にも足りそうなレベルでもあり、256GBがバランス良くおすすめです!
紛失・故障リスクを軽減させるのであれば、128GBのメモリーカードが価格も手ごろでもありリーズナブルです。まずは 128GBを購入し、必要に応じて 256GBを買い増しするのもよいですね。
128GBよりも小容量のサンディスク Extreme 32GB、64GBについては、リード速度が遅くなるためPCへのコピー作業が少し遅くなります。撮影時の容量の余裕度も考え、128GB以上の SanDisk Extreme microSDカード がおすすめです。
長時間撮影するのであれば、256GB×2枚、256GB+128GBのような組み合わせで予備のカードを交換用バッテリーとともに持ち歩くとよいと考えます。
カード交換時の紛失リスク低減、超長時間撮影するなど目的によっては、512GB、1TBの SanDisk Extreme をチョイスしても良いでしょう。
GoPro HERO11 Black で使う microSDメモリーカード まとめ
記事が長くなってしまったため、最後に GoPro HERO11 Black 用の microSDメモリーカード の選び方、購入方法のポイントについてまとめます。
▼ SanDisk Extreme microSDカード の Amazon.co.jpでの価格一覧(2023/6/17現在)
容量(R/W MB/s) | Amazon 価格 | ギガバイト単価 |
SanDisk Extreme 32GB(100/60) | 1,241円 | 39円 |
SanDisk Extreme 64GB(170/80) | 1,874円 | 29円 |
SanDisk Extreme 128GB(190/90) | 2,820円 | 22円 |
SanDisk Extreme 256GB(190/130) | 4,209円 | 16円 |
SanDisk Extreme 512GB(190/130) | 7,298円 | 14円 |
SanDisk Extreme 1TB(190/130) | 15,189円 | 15円 |
上記価格はある時点でのもの。上記価格よりも20%程度高い時期も観測されています。
▼ 1GBあたりの単価が約16円となり、記録時間も十分確保できる 256GBがおすすめです!