『三菱電機・霧ヶ峰ブランド体験会』〜老舗ブランドの大革命!新時代のエアコン・霧ヶ峰の秘密〜に参加させていただきました!
会場は、六本木です!しかも「ベルサール六本木」という、これまたおしゃれなイベントスペースでの開催です!緊張しまっす!(←ウソです)
受付で「モノ好き。ブログ 管理人でございます。」と名乗り、会場に入ると、そこには著名なブロガーさん達、そしてプレスの方達が着席されていました! じゃじゃーん!まるで披露宴のような円卓!
今回のイベントのポイントは、昨年発売され平成27年度 省エネ大賞 を受賞した FZシリーズ の開発秘話、2016年3月下旬に発売される、ライフスタイルに調和する FLシリーズ の紹介の二つ。
この二つの製品について、製品プレゼンテーション、クロストーク、エアコン解体ショー(!?)、個別体験会 という4層の構成で理解を深めていく内容でした。
まずは、イベント全般について紹介した上で、FZシリーズ、FLシリーズ の特徴について紹介していきます!
さらっと書いてしまおう!と思っていましたが、いつも通り長文になってしまいました!最後までお付き合いいただけると幸甚です!
目次
製品プレゼンテーション
三菱電機株式会社 静岡製作所 ルームエアコン技術第一課 課長 吉川浩司 さんより、製品プレゼンテーションがありました。FZシリーズおよびFLシリーズの紹介です!
てっきり、販売の方かと思っていたのですが、技術の方なのですね。カッコいいです!
プレゼンの中で、”二つの壁”と呼んでいる、「暑がりさん寒がりさんの共存」「既存技術の限界」を乗り越えるために、イノベーションモデルを開発しました!それが FZシリーズです。
クロストーク
一連のプレゼンテーションの後、司会の方と、プレゼンを担当された 吉川さん、そして、三菱電機株式会社 静岡製作所 ルームエアコン販売企画グループ の 中洲次郎 さんの3人でのトークになりました。FZシリーズについては吉川さんが、FLシリーズについては中洲さんが、それぞれ苦労や魅力について語ります!
司会の方が、うまく話を引き出していきます。コンパクトにまとまった、ナイスなトークションでした。
中洲さんが語るFLシリーズは、いかにコンセプトモデルを忠実に製品にするか、に こだわり を持って開発したそうです。
エアコン解体ショー
エアコン解体ショーを担当されたのは、松本 崇さんと加藤 祐太郎さんのお二人でした!
参加者の前で、FZシリーズを解体していきます!こんなに大きな製品なのに結構簡単にバラバラになりそうですね!加藤さんの軽快なトークと解体が進みます。(笑顔がいいんですよね!)
↓ 技術的な内容を説明する松本さん。ポーズ、目、言葉に迫力があります。汗の粒を落としながら説明する姿に心を打たれました。
この、松本さんと加藤さんとのベストコンビの解体ショーは、見ている人を飽きさせない内容でした!
この方達が開発している機器なら信頼できる!と思ってしまうほどよかったです!
あまりにも説明が上手なので、てっきり雇われたデモンストレーションのプロの方なのかと思いました。そうではなくて、実際に静岡製作所で開発に携われていた方達なのですね。
2016/5/3 追記 ↓ 解体部分の動画を公開しました。
https://youtu.be/_tT2ub3Qjfw
個別体験会
霧ヶ峰エアコンの個別体験会として、さまざまな展示がされていました。
① 霧ヶ峰の歴史(↓クリックで拡大可能です)
1967年が 霧ヶ峰 命名の年。1968年に世界初ラインフローファン搭載 壁掛型セパレート 「霧ヶ峰」誕生です。
センサーも「パノラマアイ」、「ムーブアイ」、「ムーブアイ極」へと進化していきます。
↓ 平成27年度 省エネ大賞の表彰状とトロフィーも展示されていました!
一口に「省エネ大賞受賞!」といっても、その賞の中でも金賞、銀賞のようにランクがあるようです。
- 経済産業大臣賞
- 資源エネルギー庁長官賞
- 中小企業庁長官賞
- 省エネルギーセンター会長賞
- 審査委員会特別賞
の5つに分かれていて、FZシリーズが受賞した経済産業大臣賞が、一般的な金銀銅に例えると ”金賞” です!おめでとうございます!
② FZシリーズ体験コーナー
パーソナルツインフローの解説や、内部構造の解説が展示されています。パーソナルツインフローの展示では左右での風量の違いを数値で表していました。
天面に、プロペラがあることを鏡でアピール!インパクトがあります。
上部にホコリが溜まってしまいそうですし、フィルターが取り外しにくそうですが・・・。安心してください!「フィルターおそうじメカ」がしっかりお掃除してくれます!
③ ムーブアイ極 体験コーナー
左側が「ムーズアイ極」のシミュレーションです。いかに”極”が小さな範囲の温度を捕捉できるかを体験できます。
「ムーブアイ極」では、切符一枚分のサイズまで認識できるそうです。
④ FZシリーズ展示コーナー
FZシリーズ展示コーナーでは、これまでに説明を受けてきた「パーソナルツインフロー」を採用した、FZシリーズを体験できます!
⑤ FLシリーズ展示コーナー
FLシリーズの展示コーナーでは、一部屋を左右に分割し、「パウダースノウ」、「ボルドーレッド」の二色を同時に展示していました。
FLシリーズは、パーソナルツインフローではないのですが、「ムーブアイ極」と「匠フラップ」で離れている二人を同時に温めることができます。
そして、お弁当!(コレ重要)
今回のイベントでは、お弁当をいただきました!これが 霧ヶ峰 をテーマとしたお弁当でびっくり!!
下側の二つの輪が、パーソナルツインフローのイメージです!!(展示を見た後にお弁当を開けたので結構受けました!)
お弁当の説明の紙にいろいろとウンチクが書いてありまして・・結構突っ込みどころ満載!
- FZシリーズのボディカラーに見立てた「白パッケージ」(←いや、お弁当の箱が白いだけだし!)
- 左右独立駆動のパーソナルツインフローを型どった「黒米かやくご飯」(←これはよかった!)
- 二つの気流をイメージした「お惣菜の数々」(← おい!投げやり!!まぁ、二つの文化が入り混じっていた感じはしました)
お惣菜の中では、特にお肉が美味しかったです。ボリュームもあり、美味しいお弁当でした。ごちそうさま〜。
お土産(コレも重要)
文庫本サイズで、中には霧ヶ峰の歴史がびっしりと詰まっています!なかなか参考になります!霧ヶ峰ファン(?)垂涎の一品です。パラパラと眺めると、本当に霧ヶ峰すごいなぁ!と思います。
僕も、もう一度社会人デビューできるなら、三菱電機 静岡製作所に行きますよ!(採用してもらえそうも無いですが・・)
FZシリーズ:パーソナルツインフローファンで切り開く新境地。
省エネ大賞を受賞した、三菱電機 霧ヶ峰 FZシリーズについて紹介します。
このイベントに参加するまで、エアコンの風がどのような仕組みで送られているのかを理解していませんでした。(考えた事もなかった、というのが本当のところ)
半世紀ぶりのイノベーション!パーソナルツインフローを開発!
今や一般的となった、「ラインフローファン」。これを日本で初めてエアコンに搭載したのは三菱電機だそうです。「ラインフローファン」を搭載した理由は、エアコン本体の薄型化が可能となるためです。
「ラインフローファン」というのは、横長の円柱にスリットが入ったイメージです。↓
なるほど、エアコンの中でこの円柱がくるくると回って、風が送られていたわけです。(室外機のプロペラは全く関係ないのですね〜。ボソッ )
省エネ大賞を受賞した FZシリーズ で、三菱電機は新たな道を切り拓くためにエアコンの構造を一新しました。三菱電機が世に広めたラインフローファンを使わず、ネクストスタンダードエアコンとなる「パーソナルツインフロー」を 約7年の歳月をかけて開発したのでした。また、省エネ化をより一層推進するために、内部構造も一新しています。
霧ヶ峰が築いた「ラインフローファン」の歴史を塗り替える、「半世紀ぶりのイノベーション」です!
上部に左右独立高効率プロペラファンを配置し、熱交換器をW字型とすることで、熱交換器の搭載量を約22%アップしています!
この構成、構造によって、近年技術的に困難になっていた消費電力量の削減を一気に押し下げることに成功しました!
なんと、5年分の改善を、1年で実現してしまいました!この成果によってFZシリーズは「省エネ大賞 経済産業大臣賞」を受賞しています!
この5年分(2010年〜2014年)というのが、約13% の削減です。我が家のエアコンは約15年前の製品だから・・計算してみると・・・消費電力量がマイナスになりそう!(←なりません)
寒がりさん、暑がりさんの共存を実現!
夫は暑がり、夫人は寒がり というのが典型例だと思いますが、暖房をつけている時など、夫婦でも温度感覚が合いませんよね。
FZシリーズでは、「パーソナルツインフロー」 にプラスして「ムーブアイ極」の賢い判断を使って、暑がりさん、寒がりさんそれぞれに快適な温度を提供することができます!
「ムーブアイ極」では、手先足先の温度変化に注目しています。なぜ手先足先の温度に注目するかというと、寒いときには手足の末端から体の中心に血液が集まるため、手先足先の体温が下がるのだそうです。そのため、手先足先の温度で、その人が寒がっているのかどうかがわかるのです!(←コレ、目からウロコでした!)
人の手先足先の温度を検出するのが、従来比 4倍の解像度を持つ「ムーブアイ極」なのです。また、「ムーブアイ極」は360度回転するので後ろ側も確認が可能です。これによって、窓からの入射光の状態なども把握するそうです!
いや、霧ヶ峰 FZシリーズ すごい!
パーソナルツインフロー実現のための苦労
FZシリーズで実現した、パーソナルツインフロー。新規開発には様々な苦労があったそうです。ここでは、その苦労の中でも大きかった 小型化 と 音・振動 について紹介します。
その1:小型化
小型のモーターを内製化しました。↓左が従来のラインフローファン用のモーター(90mm径)。右がパーソナルツインフロー用の新開発小型モーター(55mm径)。かなり大きさが違って小さいですね!
モーターはプロペラファン中央に取り付けられます。モーターが小さいほど、羽が大きく出来て、風が多く送れるのです。モーターが大きいと風量を確保するために羽を大きくしなければならず、奥行きが深くなるのです。ふむふむ。なるほど。
小型モーターの開発にはかなり苦労しました。↓左が 大きい方のモーターの内部。基板にマイコン(緑の基板の上の黒い物体)が載っています。このマイコン、単なる演算だけのCPUだけでなく、電流の制御をおこなうようで、かなり熱を持つようです。
モーターを小型にすると、このサイズのマイコンをモーター内に格納することができなくなってしまいました。そこで、室内機の基板にモーターコントロール用のマイコンを載せる事にしました。そうした所、マイコンの発熱の問題が発生しました。
基板は、安全の為に鉄で囲わなければならず、内部に空気が流れない。マイコンが発熱すると、周囲も熱くなり、その他の電子部品の耐久性に影響する。クーラーで部屋を冷やそうとすればするほど、マイコンが発熱し、内部の基板が熱くなる、という矛盾が発生。
↓そこで、ヒートシンクを装着!同じ三菱電機 静岡製造所に冷蔵庫開発部門があり、冷蔵庫用のヒートシンクをうまく使ってコストを下げているそうです!
その2:ファン部分の薄型化
プロペラファンを薄くすれば、内部に配置する熱交換器を多くできます。そのために、プロペラファン部の薄型化を追求しました。
最新の3Dプリンターを導入し、夜間に試作品の出力をおこない、翌日朝から評価というルーチンを 30回以上繰り返したそうです。
当初、3枚羽だったプロペラは、最終的には 7枚羽になりました。
その3:音、振動
二つのプロペラが、エアコン内部でブルブル震えると、エアコン全体が振動してしまい、大きな音が出てしまいます。特に、パーソナルツインフローでは、二つのプロペラが別の回転数で回転するので、振動が出てしまします。
一旦は、震源であるモーターにゴムを入れて対策をしました。しかし、落下試験において、落下衝撃の際にゴムを原点にそれにマウントされているモーターとプロペラが大きく揺れ動いてしまう。その結果、ベルマウスと呼ばれるファン周辺と衝突してしまい、プロペラが破損してしまう問題が発生しました。
そのため、考え方を変えて、ベルマウスの4隅に防振ゴムを取り付け、プロペラユニット自体をゴムマウントし、静音・振動対策としました。
「開発は非常に大変で月日もかかりましたが、なんとか製品化をすることができた」との事です。
本当に、このパーソナルツインフローは、圧倒的な商品力を持っていますね!
イベントで頂いた「霧ヶ峰物語」を読むと、当初は小型モーターではなく、ベルトドライブで検討していたとか、熱交換器もW字型ではなく、M字型だったとか・・このイベントでは語りきれないドラマのある開発をされていたようです。これ、「下町ロケット」みたいにドラマ化されないかな・・。
FLシリーズ:高い快適性とデザインとの両立がコンセプト
FLシリーズは高級家具の佇まいを持ち、最高機種と同等の性能を持つエアコンです。
コンセプトモデルにこだわる理由
とあるお宅にデプス調査で訪問した際の会話(↓僕が少し脚色したイメージです)
三菱電機「素敵なインテリアのお宅ですが、なぜこのお宅にはエアコンがないのですか?」
家主「エアコンが嫌いなわけではないが、僕のこの家につけられるようなエコアンがないんだよ」
と言われたそうです。
この家主さんにコンセプトモデルを見せ、「これはいい!これなら、この部屋に資するエアコンである!」と言われたそうです。その方の期待に応えるためにも、コンセプトデザインをそのまま量産できるようにデザイナー、エンジニアで協力して作り上げたのがFLシリーズです!
元は自主研究のコンセプトモデルだった。
FLシリーズは、デザイン研究所の自主研究のコンセプトモデルからスタートしたそうです。こだわったインテリアの家ほどエアコンを隠して配置しているケースがあり、なんとか美しいデザインのインテリアにあうようなエアコンを作りたいというデザイナーの思いが実現しました。
三菱電機は、このコンセプトモデルを 2015年8月にニュースリリースで発表しています。(三菱ルームエアコン「霧ヶ峰FLシリーズ」コンセプトモデルを開発)エアコンのコンセプトモデルを発表するというのは、素人からすると正直驚きです。
コンセプトモデルでは、デザイナーが量産について全く気にかけていなかった為、デザイナーはエンジニアに恨まれたそうです。
「いかにもエアコン」という外観を避ける為、正面に吹き出し口がない!
このFLシリーズでは 「いかにもエアコン」という外観を避ける為に、正面に吹き出し口が見えないようなデザインになっています。
正面に吹き出し口がないため、正面に風が送り難い!という正にエアコンとは思えない状態。
一般的にコンセプトモデルは、量産の壁で、魅力が半減します。三菱電機ではコンセプトモデルにこだわって開発を続け、フラップを工夫した。そこで生まれたのが、インナーフラップ構造!(特許技術です!)このような開発によって、キープコンセプトできました。
コンセプトモデルを再現する為の表面仕上げ
コンセプトモデルはアルミをヘアライン加工し、その上に赤いクリアの塗装施し、さらに職人さんが磨いています。
これでは量産にならないため、デザイナーさんが、量産できる仕上げ方法を考えました。
デザイナーさんは、10回以上の試作をおこなったそうです。
最終的には、表面はアクリル樹脂を使用し、裏側からヘアライン処理を施し、さらにメタリック塗装やパウダー塗装を施す仕上げとなりました。(非常にコストのかかった仕上げだそうです)
こだわりのモデルはカッコいいですね!
おまけ:解体マイスター専用(?) 前掛け
解体ショーで技術説明をおこなってくださった、松本さんが身につけていた、この前掛け。カッコイイ!ですよね〜。
「命名昭和四十二年」「品質本位」のも文字がいいですね!
「これは解体マイスターしかつけられないんですよ!」ということでした!
今回の体験会ですっかり霧ヶ峰ファンになってしまった僕。この前掛け欲しいわ〜。
今回の体験会に参加して。
今回の体験会を通じて感じたのは、徹底して「圧倒的○○」がアピールできる製品とするべく、三菱電機は妥協することなく製品開発をおこなっているという事でした。そして、自分達の築き上げてきた歴史に誇りを持っています。
デザイン性・インテリア性を重視したFLシリーズにでさえ、堂々と企業ロゴを入れる。(これがカッコイイ!)
「性能がいいんだよ」という話で飽き足らず、エアコン解体ショーと銘打って、堂々と自分達の苦労話を話す。
「霧ヶ峰物語」という小冊子(140ページ、文字びっしり)を作って、関係者以外にまで配ってしまう!
僕は、そんな 三菱電機 霧ヶ峰 に、惚れちゃいましたね〜。
わが家にも、15年選手の霧ヶ峰が2台あります。買い換えるなら FZ, FL は無理だとしても、やっぱり「霧ヶ峰」でいきたいな、と思いました。